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2025年6月の記事一覧

図書委員による文豪コーナー、力作です!!

5月の各種委員会で展示コーナーの分担を行いました。ここでは、文豪コーナーについて紹介します。

高1,2年生が学んでいる『羅生門』と『山月記』の作品と作家についてそれぞれが分担し、コーナー準備に取りかかり、6月第2週から展示を始めました。写真は、高1図書委員の活動風景です。展示するポスターもいよいよ終盤、完成間近…ジャパンナレッジSchoolに入っている国語便覧を中心に、必要な情報を収集し、作家の経歴、作家の紹介と作品紹介、作家の似顔絵をまとめあげています。

 担当した生徒達は、自宅、昼休み、放課後等の時間を使って活動していました。

 いざ、関連図書を展示してみると両者の生み出した 

 作品の数の違いに改めて気づかされます。その違いがどこから来るものなのかを、生徒達が作成したポスターから考えてみるのもいい機会なのではないかと思います。

 またどちらも、30代の若さでこの世を去っていますが、現代の今を生きる10代にも彼らの作品は読み手一人ひとりに問いかける力を持っていると思います。

 中島敦を担当した2年生3人組は、それぞれ分担した作品を読み、紹介しています。

 教科書という当たり前に持っている学びのツールを通して、一歩踏み込み、そこから世界を広げるおもしろさに今回、担当した彼らが気づいていることを、その制作風景を見ながら感じました。

 

 中島敦に関しては、作品自体が少ないこともあり、

『山月記』のテーマである「変身」にフォーカスし、内外の関連作品を一緒に展示しました。

 早速、安部公房『箱男』が貸し出されていました。

 

 展示の醍醐味は、日頃整然と並んでいる書架から離れ、本自身をアピールさせる機会だと考えています。

 本と人が出会うきっかけを作るのは、図書館の大事な役割ではありますが、今回は「教科書」というちょっと堅めの!?フィールドから、図書委員がアプローチを試みました。

 なお、2年生が手書き、1年生がWordで作成したポスターはそれぞれに味のある仕上がりになっています。

 図書館はまるで森のよう。一本一本の個性的な木々が林立する森のように、個性あふれる本が並ぶ書架。そこで出会う一冊が私たちを豊かにしてくれます。利用者にはもちろん、利用を促す者にとってもおもしろい場所です。

 

 

令和7年度2年生(51期)「国語科通信」から広がる世界

 今年度もさまざまな情報発信していきます。

定期的に展示コーナーを刷新していますが今年度は、図書担当の一人国語科教員(文学の神様←司書勝手に命名)による「国語科通信」で紹介される作家や著書、その時代の特徴などを本校蔵書コレクションからセレクトし、紹介するコーナーを新たに展開していきます。

 4月から始まり、現在は通信No.5です。

通信は、高校2年生対象ですが、中学生、高1,3年生にとっても、文学、評論と多岐にわたる内容は、優れた作品との出会いになること間違いありません。

 教科書の単元を中心に展開されるこれらの世界を通して、自らの引き出しを増やす機会となります。

 ここに紹介しているのは、

4月28日発行の「中原中也」…4月29日が中也の生誕の日であることに因んだ特集。

「オノマトペの妙を体感してみましょう」と題し、『サーカス』の詩からあの独特なフレーズ(ご存じの方はうなずかれることでしょう。まだご存じない方はぜひ、作品を読んでみてください)

 日常会話においてもその時の心情あるいは情景、事象等をオノマトペで表現し織り込んでいると思います。そう考えると私たちにとって、馴染み深い修辞法ですね。中也の独特な世界観をぜひ。

 5月16日の通信では、評論文「清岡卓行『ミロのヴィーナス』を学習して」と題し、誰もが知っている芸術作品を目にした著者の実感が簡潔かつ論理的に展開された短い文章です。実際に学んだ10代の彼らはこの作品世界をどのように捉えたのかとても興味深いところです。授業の中で、端々に織り込まれる余談は若い彼らの心をつかむのだろうなと想像します。この作品の展開として、芸術に関する評論も添えました。この展示コーナーの組み立てに、世界美術全集を見開きで展示し、単元作品の掲載されている図書を県立図書館マイラインで取り寄せました。既に絶版になっている良書をこのような形で活用できるのは有り難いことです。この展示中に、著者の他の作品『アカシヤの大連』が借りて行かれました。

 5月23日の通信は、「盛唐の詩人3人の詩を学びましたね」ということで、王維・李白・杜甫の3人を取り上げた内容でした。

 ここでも『唐詩選』や、それぞれの詩人に関する新書等に加えて彼らが活躍した唐の時代に関する視覚的資料も展示しました。

あわせて、唐の詩人を通してその時代背景、文化、芸術に興味を抱く仕掛けの一冊に『世界美術大全集  東洋編 随・唐』も展示しています。

 なお、5月30日の通信は、改めて紹介します。

 国語という教科を通して、他教科とも横断的につながり広がっていくことに気づいてもらえることを期待したいです。