学校の様子

いのちの学習

 昨日、風水害の避難訓練が行われました。台風が接近していることを想定しての避難訓練です。近年、ゲリラ豪雨と呼ばれる激しい雨や急な天気の変化で自然災害が多発しています。今回の避難訓練は保護者の方々の協力も得て、学校に迎えにきていただき、その後は無事に家に帰ったことを電話で連絡をするというところまでの学習でした。

 まずは、生徒指導主事の先生から避難の仕方についてお話がありました。はじめに、現在の状況や避難の方法を知らせた校内放送の聞き方です。放送は「静かに」聞くのではなく、「無言」で聞くことを確認しました。また、避難をする時の約束である「お・は・し・も」(おさない・走らない・しゃべらない・戻らない)の確認もしました。


【人の話を「無言」で聞く姿勢は避難訓練以外でも大切です】

 その後、校長先生から自然災害についてのお話がありました。まず、避難訓練は「いのちの学習」であることをお話されました。そして、スライドを用いて雨が降るまでの天気の移り変わりを見せてくださったり、平成17年の台風14号がもたらした諸塚村の被害を写真で見せてくださったりしました。普段は穏やかな流れの川が濁流になり、見覚えのある場所や商店街を飲み込んでしまっている写真を見ると、とても悲しい気持ちになりました。
 校長先生が写真や絵と一緒にご指導くださった内容は以下のとおりです。
 
 【激しい雨が降った時に注意すること】
 ○ 急に水かさが増えるため、小さい溝でも危険であるため近付かない
 ○ 外に出かけない
 ○ 外にいる時は雨やどりをする
 ※ 真っ黒い雲や雷の音は雨が降るサインであるため注意する

 【雷が鳴った時に注意すること】
 ○ 建物の中に入る
 ○ 雷がなったら、木には近付かない

 そして最後に大雨や台風のことを知って正しくおそれること(どのような被害が考えられるのか、どのような対応・行動をしたらよいのか、身を守ること等)が必要であるとお話をいただきました。自然の力を甘く見ることなく、自分の命を守る行動を考えて実践していけるよう継続的に指導をしていきたいと思います。


    【実際に被害の状況を見ると自然の猛威にあ然としました】

表現集会

 今日の朝、表現集会が行われました。今日は3・4年生の作文の発表でした。3・4年生は先日遠足で訪問した、せせらぎの里での出来事を作文にしていました。
 せせらぎの里で体験したことや、その時の気持ち、せせらぎの里の方への思いなど、子ども自身の言葉で、面白い表現も用いながら、大きな声でゆっくりと発表しました。子どもたちの率直な思いや、作文の中での場面が想像できるような表現を聞いて、時間がゆっくり流れているような、穏やかな気持ちになりました。
 3・4年生は全員で3名ですが、3名それぞれの個性が作文の中に散りばめられていました。この作文を聞いて5・6年生は、「心の動きを電気で表していておもしろい」、「大きくゆっくり読んでいた。前を見て読むともっといいと思う」、「題名を聞いてその作文を聞いてみたいと思った」など、感想やアドバイスも発表していました。


【表現集会のテーマソングから始まります】【とっても聞きやすい発表でした】


【作文を読む人、せせらぎの里で交流している写真を見せる人と役割分担していました】

 最後に校長先生からお話がありました。「作文には①言葉で伝える②作文の中身という2つの見方があります。1つ目の『言葉で伝える』は、ゆっくり大きく発表していました。ひとつひとつの言葉を大切にしているんだなぁと感じました。また、会話文では読み方が変わりましたね。工夫がみられる読み方でした。2つ目の『作文の中身』は、まずタイトルに工夫がありました。そして、『冷凍庫の氷のように心がカッチコチ』などイメージが豊かです。イメージが豊かだと文章が豊かになります。発表してくれた作文の中で、心と心の交流が表現されているものがありました。心と心がつながることはとても大切なことです。いい学習ができましたね」とたくさんのお誉めの言葉をいただきました。


【嬉しい言葉をたくさんいただきましたね】
 
 事前準備から当日の遠足、そして遠足後のふり返りを行って作文に表現した子どもたち。多くのわくわく・ドキドキを感じ、たくさんの学びがあったようです。来年の春の遠足も楽しみですね。

春の遠足

 先週の金曜日は、子どもたちが楽しみにしている春の遠足でした。今年度も、午前中はせせらぎの里に訪問させてもらい、午後からは池の窪グリンパークに行く計画になっていました。雨が心配されていたのですが、子どもたちの願いが届いたのか遠足当日は雨が降ることなく計画通りの遠足ができました。

 先日、せせらぎの里の職員の方々が荒谷小にお越しくださり、特別養護老人ホームとはどのような場所なのか、どのような職業の方々がおられるのか、施設に入所されている方とのコミュニケーションの仕方などたくさんのことを教えてくださいました。子どもたちは、今回のせせらぎの里への訪問で、その時に学んだことを活かしておじいちゃん・おばあちゃんとふれあい、元気を届けたいと考えています。そのために準備もたくさんしていました。

 せせらぎの里に到着すると、入所されている多くの方が、ホールで待っていてくださいました。ドアを開けて中に入る時は緊張していましたが、温かい拍手をいただくと笑顔がみられるようになりました。
 ホールに入ると、早速入所されている方々へ荒谷小の紹介をしました。校歌を歌ったり、荒谷小のクイズを出したり、荒谷小の1日を発表したりしました。その後「だれにだっておたんじょうび」を歌い、子どもたちの元気な歌声や笑顔を届けました。


【荒谷小ではおなじみの問題:イチョウの木は何歳?】


【歌って、飛び跳ねて、手拍子をして・・。元気いっぱい!】

 その後、子どもたちが準備をしたすごろくをしました。これは、入所されている方々に諸塚の地域のことを懐かしく思ってもらいたいという思いもあって作成したものです。スタート地点が荒谷小でゴールはせせらぎの里です。すごろくの途中には、お店や学校などもあり、イノシシが出てくるすごろくもありました。すごろくのコマも子どもたち手づくりの紙ねんどのコマです。


   【入所されている方々と子どもたちの距離が一気に近付きました】

 「サイコロ、ふれますか?」と聞いてみたり、サイコロの目を手で表して「4が出ましたよ!」と教えたり、足を曲げて顔を近づけて話したりする子どもたちもいました。一緒に楽しみたい、楽しんで欲しいという子どもたちの気持ち、きっと伝わったことでしょう。

 その後、みんなでゲームをしました。そのゲームとはお玉を使って卓球用のボールを隣の人へ渡していくリレーです。ボール以外にも鈴・お花の置物・おじゃみなども使って、落とさないようにリレーをしていきました。


【おじゃみは各チーム50個流れてきました】

 本校の子どもの中には、介護士になりたいという子もいました。この訪問で、介護士の方の仕事を直に見たり、入所されている方とお話ができたりしたのはとてもいい経験だったと思います。また、他の子どもたちにとっても関わり方を学ぶ学習の場になりました。

 せせらぎの里の職員の皆さま、事前の御指導から当日の運営までありがとうございました。入所されている皆様にも、温かく迎えていただき嬉しかったです。またお会いでいる日を楽しみにしています。ありがとうございました。


 その後、子どもたちはおいしいお弁当を食べ、池の窪グリーンパークでおもいっきり遊びました。とても充実した遠足になりましたね。


    【草スキーもしたよ】           【ゆらゆら揺れるよ~】


 【絶景をバックに「はいチーズ」】

森林体験学習(挿し穂編)

 長野の山から学校に帰ってきたのは11時頃でした。最後は学校のプールの横にある畑に挿し穂をします。まずは、挿し穂をする畑づくりをしました。この畑は1・2年生が草取りをして、掘り返し、その後肥料を撒いてくれたそうです。その後、5・6年生が土と肥料を混ぜたとのことでした。


   【側面をクワで押さえます】 【表面を板で押さえて平らにします】

 畑の準備ができたら、案内具で穴を開けます。案内具は10㎝間隔で釘のようなものが刺さっており、約10㎝~12㎝間隔でずらしていって、挿し穂用の穴を開けます。その後、水を入れたやかんで、挿し穂用の穴に水を注水していき、穴を大きくします。


【初めて見る器具に興味しんしん】【水を注水して、更に穴を開けます】

 その後、1本ずつ挿し穂をしていきます。この穂木は講師の方が用意してくださったものです。これらの穂木は講師の方が1週間ほど水につけてくださり、挿し穂に適した状態にしてくださっていました。


【ていねいに穂木を挿していきます】

 挿し穂をする時に気を付けることは、穂木が傾いている方を南側に向けるということだそうです。子どもたちは「体育館側に向けて植えればいいんだ」と話し、それを目安にみんなで挿し穂をしていきました。


  【どっちに傾いているかなぁ】        【注水作業も同時進行】


    【順調に進んでいます】     【「森みた~い」と3・4年生担任の先生】

 挿し穂が終わると、直射日光を避けるため日覆いをしました。これも子どもたち手づくりです。


【たるまないように、真ん中も固定】   【これで直射日光が避けられます】

 最後に1週間水に浸した穂木に加え、今日採取した穂木も5本だけ挿し穂してみました。成長の具合がどれだけ違うかを見てくださいと講師の先生からの提案でした。


【左側の3本と右側の2本は本日採取した穂木です】

 終わりに全員でふりかえりを行いました。「スギの木が大きくなるのをお世話したい」、「穂木を植える時は強く押しこむ、南の方に向かって挿す等の工夫が分かりました」、「コツを覚えるだけでどんどん植え付けができるようになった。大きくなるのが楽しみです」など、植林や挿し穂について色々なふり返りができていたようです。

 講師の先生からは、「昔は道路事情も悪く、荒谷からお弁当をもって苗木を背負って植林する山まで歩いていっていました。しかし、今は山があるところまで道路があり便利になっています。今日、体験をしたことで山が好きになるんじゃないでしょうか。山を一緒に育てていって欲しいです」とのお言葉をいただきました。
 本日はお忙しい中、長時間にわたって御指導いただきありがとうございました。子どもたちは、今回の体験学習で林業の基礎を学ぶことができましたし、新たな発見があったり林業に携わる方々の工夫を知ることができたと思います。これからもウッジョブ諸塚は続いていきます。子どもたちが林業を学ぶ姿を温かく見守っていただき、時には御指導いただけると大変有難いです。本日は本当にありがとうございました。


      【プロの方々に直接指導していただいた有難い時間でした】

 放課後、「スギに水をあげなくていいんですか?」と尋ねてきた2人。1・2年生担任の先生と一緒にたっぷり水をあげました。


【しっかり根をはって、大きく育ってね】

森林体験学習(穂木を採取編)

 続いて、挿し穂にするための穂木を採取する体験を行いました。まず、どのような穂木がよいのかを森林組合の方が説明してくださいました。

 ○ 枝は小指より大きいものを選ぶ
 ○ 枝が真っすぐしているものを選ぶ
 ○ 40㎝~50㎝くらいで切る

 これらの話を聞き、早速穂木の採取です。先日の森林体験学習の講話で「上から見て四方に広がっているものがよい」ということも学んでいた子どもたちは、その視点も加えて採取しました。分からないことは「○○さん、どこらへんまでむしればいいんですか?」等と積極的に聞き、5・6年生は1年生に教えながら行いました。スギのチクチクは結構痛いなぁとか、新芽はきれいだなぁなど間近で見て触って初めて感じることがありました。


【先端の白っぽく見えているものが新芽です】【穂木の採取は6年生も初体験】


【どんな穂木がいいか観察して切ります】

 5・6年生は5本、4年生は4本、3年生は3本、1・2年生は2本採取しました。採取した穂木の下の方の枝は取り除きます。はさみでも切ることはできますが、手で取った方が効率的であり、枝の皮が少し剥げても成長する過程でその部分が覆われたり根が出たりするそうです。

 これらの活動を通して、「どんな木をとればよいか分からなかったけれど、森林組合の方が優しく教えてくださったので、元気な穂が取れました」、「上手に取れなかった時、○○さん(6年生)が教えてくれました」、「新芽が出ているのを取ればいいとだけ思っていたけれど、曲がっていないものや小指より太いものを取るということが分かりました。また、作業の後に殺虫剤を服にかける工夫も初めて知りました」とふり返りを発表していました。

 短い時間でしたが、貴重な経験をたくさんして色々な発見がありましたね。次は学校に帰って挿し穂を行います。あとひと踏ん張りですね。