日々徒然
7/17 玄関
須木中の玄関は、訪れる人の数よりも虫の方が多いのが難点です。
特に夜間は、玄関のひさしに電灯がついているため、外の虫も、校舎内にいた虫もたくさん集まってきます。
それを狙うクモの糞や、窓から出られず力尽きた虫などなどが、傘立ての奥やすのこの下にたまってしまいます。
清掃の時間に担当の生徒が一生懸命に掃除をしてくれています。しかし、一人で管理棟の1階の廊下全体も担当しているため、広すぎて大がかりな清掃をするには時間がまったく足りない状況でした。
そこで、今日は天気も良いこともあり、教頭先生が、あっと言う間にすのこや傘立てを移動し、隅に溜まったゴミを掃き、タイルも水拭きをしてくださり、ピカピカになりました。
古い玄関なので新品には及びませんが、古いものでも手を掛け整えてあげることで凜とした良さが伝わってくるものだなと感じたところです。
7/16 時代への対応
今日の薬物乱用教室では、薬の正しい飲み方や、違法薬物でない市販薬の怖さなどを教えていただきました。
最近は、薬局などで買うことができる市販薬のオーバードーズによる救急搬送が非常に多くなってきているそうです。
違法薬物について、生徒達はこれまでに学んでおり危険性を知っていますが、市販薬の危険性についてはそこまで考えてはいなかったようです。
講話の中で薬剤師さん、どんな薬でも「主作用」と「副作用」があるということを強調されていました。
また、薬の用量や飲むタイミングについても、
・薬効がしっかりとあるように計算されているため、量を飲みすぎると危険性が増すだけで速く効果がでたり、よく聞いたりするわけではないこと
・指定量より少ない服用では効果が出ないこと
など、指定された量と時間をしっかり守ることの大切さを知ることができました。
これまでは覚醒剤などの違法薬物の使用禁止についての内容が多かったですが、近年の社会状況の変化に応じて市販薬の使用方法や危険性などを含めたものに講演内容を変えてきているとのことでした。
SNSが生徒達に浸透している現状を考えると、学校でも生徒を取り巻く危険なものやことに対して、しっかりと情報収集をして対応していく必要があると感じました。
7/12 シンプルに
本日の3年生の福祉体験が始まってすぐに、教頭先生がスピーカー付きのポータブルアンプを職員室に持ってきました。(下図のような機器です)
確かに電源ボタンを押してもランプがつかず、作動していません。
体験活動の際にワイヤレスマイクを使用する予定でしたが、代わりの機器がないため、仕方なくマイクなしで授業を進めていただくことになってしまいました。講師の先生方には申し訳ないことをしてしまいました。
機器の故障は当然あることですが、タイミングがいつなのかわからないのが困ります。
素人なりに、ヒューズ切れ、コンデンサ、電源スイッチの故障とかだろう・・・と考え、分解してみることにしました。
カバーを外し、テスターで基板等の気になる箇所を何カ所かテストしたのですが、問題ありません。
どうも部品や基板が原因ではなさそうですが、他に思い当たる場所が浮かびません。
これは修理か買い換えか・・・。その前にその費用をどうするか。(新品は二桁万円します)
仕方がないので、とりあえず元の状態に組み直しました。
組み立て直しながら、ふと「コンセントに刺すプラグかも」と頭に浮かんできました。
コンセントにプラグを差し、電源ボタンを押します。
反応しません。
次に、電源ボタンを押した状態でプラグの根元のコードを左右に曲げてみます。
すると、どうでしょう。ある角度で曲げたままにしておけば電源ランプがつくではありませんか。
今回は、ただの電源プラグの根元の断線でした。
このときすでに分解を始めてから1時間以上が過ぎています。
最初から電源プラグを確認しておけば良かった・・・・・・・・。
パソコンのトラブルでコールセンターにかかってくる相談でも、動かない原因がコンセントにプラグを差していなかっただけ、ということがよくあるそうです。
問題には、まずはシンプルに考えて取り組むことが大切だということを思い出しました。
ということで、プラグを付け替えることにしました。
その作業時間は5分・・・・。
7/11 働くこと
今日から2年生が職場体験を行っています。
一人ずつ別々の事業所にお願いすることになりました。
どの事業所様も快くお引き受けくださり、感謝しかありません。
慣れない場所での活動を考えると心配をしてしまいますが、素直で一生懸命な須木中の生徒達はしっかりやってくれると信じています。
世の中の「もの」やサービスは、それが実現するまでに必ず多くの人が仕事としてかかわっています。
今回の体験では、利用者としては見えなかった部分を知り、そこで働く方々との交流をとおして、仕事に対する姿勢、仕事の大変さや面白さ、やりがいなどに気づいてほしいです。
「一隅を照らす」という言葉がありますが、伝教大師・最澄の「径寸十枚、是れ国宝にあらず。一隅を照らす、是れ即ち国宝なり」からきています。この文章の意味は、
金銀財宝が国の宝なのではく、世の中の一隅で暮らす人々が、その場所で精一杯努力して光りを放つこと、それこそが国の宝である。
となります。
中学生の段階では、将来のことはまだ決まっていないかもしれません。
しかし、十数年後には社会人として仕事に就いて働いていると思います。
それが何の仕事であっても、その仕事を通じて、毎日何か一つ、どこか一隅を照らすことを心掛け、努力する人であってほしいと思います。
7/10 命を守る
高知県で小学生が水泳の授業中に亡くなるという痛ましい事後がありました。
宮崎県では、すでに5月15日付で県のスポーツ振興課から「水泳等の事故防止について」の通知が出されています。
水泳指導について8項目、プールの管理について5項目、学校外での遊泳について4項目の留意点が示されています。
水泳指導については、概略ですが以下のような対応が示されています。
(1)健康状態の確認 等
(2)発達段階や水泳能力に応じた指導の工夫 等
(3)バディシステムの採用、非常時の合図の徹底 等
(4)救命用具の準備
(5)心肺蘇生法等の職員研修の実施、危機管理体制の整備 等
(6)指導者の責任分担の明確化 等
(7)落雷など気象条件に応じた判断 等
(8)見学生への直射日光を避ける配慮
どの項目も重要ですが、授業が始まってから特に重要になってくる部分は(3)と(6)ではないかと思っています。
例えば、授業中に生徒がふらふらしたり、倒れたりした場合、先生や周りの生徒がほぼ間違いなくすぐに気づきます。
しかし、プールの中では水中が非常に見にくい場合があります。
プールに限らず、水際に立って上から見ていると、自分の真下付近は水中を含めてある程度見えますが、離れていくほど水面の反射光と光の屈折で水中が見えにくくなります。
陸上で生徒を見ているときと同じ感覚だと見落としてしまう可能性が高まるわけです。
そう考えると、プールの指導に当たっては、指導者同士がプール全体を見渡すことができ、水中にも死角がないように監視場所を分担をする。
監視者と指導者の分担や切替を明確にし、一人の教師がそれぞれの判断で立場を変えない。
その上で、事故につながる生徒のイレギュラーな動きをさせない、見逃さないようにすることが重要だと思います。
7/9 はんだ付け
2年生が技術の時間にはんだ付けを練習していました。
慣れない手つきでしたが、電子工作の第一歩を踏み出した記念すべき日です。
ぜひ、電子工作の楽しさを知ってほしいと思います。
理科の電気の学習では、豆電球や抵抗や電池を繋いで回路を作ります。
ただし、ミノムシクリップのついた導線で器具を繋ぐため、生徒がはんだで部品を固定するという内容は出てきません。
電池や豆電球や抵抗をつなぐために、下図のような導線を使った記憶はありませんか?
この導線の両端のミノムシクリップ(右)やバナナプラグ(左)は、線にはんだで固定してあります。
単純な作りですが、導線の両端の被膜のビニールをはいで、銅線の束を取り出し、クリップにはんだ付けする・・・という、結構面倒な作業をしなければなりません。
作る数が多くなると結構骨が折れます。
そのため、新しい学校に赴任した時に前任者がたくさん作ってくれているととても助かります。
逆に数が少なかったり、錆びたり断線したりして使えないものが多いときは自分で作り直していました。
はんだの扱いに慣れると、小型の家電などの、ちょっとした修理にも役立つこともあるので便利だなと思います。
7/8 早期発見
2校時に3年生の道徳の授業を見に行きました。
題材は教科書にある「卒業文集最後の二行」でした。
以下はあらすじですーーーーーーーー
小学生のころ、クラスに身なりの汚いT子さんがいた。
母を亡くし、二人の弟の世話をしながら、魚の行商をしている父親と貧しい生活をしていた。
小学校6年生のとき、その女の子が私の席の隣になった。
いつも私や周りから「きたない」「くさい」「風呂に入れ」「近寄るな」といじめられていたが、T子さんは泣きもせず、先生にも言わずじっと耐えていた。
彼女の成績は上位だったが、私の方が少し上であった。
国語の漢字のテストのと時に、私はどうしても二つ分からなかった。
ふと隣を見るとT子さんは正解を書いている。
私はT子さんの答案をカンニングした。
テストの結果は、T子さんは一つ間違えて98点、私はただ一人100点満点だった。
T子さんは「さすがイチノヘさんね。おめでとう」と素直に私に言った。
授業が終わると周りの悪童が、T子さんが私の答案をカンニングしていい点数をとったのだろうと騒ぎ出した。
はじめは黙っていた私も、つい調子に乗って「俺の答を見たからだ。見たに決まっている。」と責めてしまった。
その時、彼女は涙とともに「私は見ていない、着てるものは汚いかもしれないが、心は汚くない」と言った。
私はT子さんの初めての涙と言葉に衝撃を受け言葉を失った。
とうとう謝らずじまいで卒業式を迎えた。
T子さんの卒業文集の最後の二行に書かれていた「今一番欲しいのは母ではなく、本当の友達ときれいな服です」という言葉が心に刺さり、涙が止まらなかった。
三十余年が過ぎた今でも、T子さんへの罪業を思い出すたびに忍び泣いてしまう。
私に大いなる悔いを与えてくれた、あの二行を読まなかったら、今の私はどうなっていたか分からない。
(作 一戸冬彦「心に残るとっておきの話 第2集」潮文社)
ーーーーーーーーー
T子さんの心情を考えると、何度読んでも胸が痛くなる話です。
現在のT子さんが幸せに、穏やかに暮らしていることを願ってやみません。
今回の教材は、公正,公平な社会を実現するために,いじめを憎み,不公正によって誰かが傷つく状況を正そうとする態度が大切であることに気付かせる内容です。
また、学級内でいじめが起きていないからこそ,いじめを未然に防ぐ意味も込めて,いじめという卑劣な行為を無くすためにはどうしたらよいか、目にしたときにどうすればよいか等を考えさせる機会となりました。
3年生が「公正,公平,社会正義」という道徳的価値についての考えをより一層深めてくれることを期待しています。
教師の視点で見た場合、T子さんの服装や家庭の状況を考えると、いじめやからかい等が起こることを十分予測できたはずです。
教員をはじめ、もっと周りの大人がいじめの予防といじめに気付く努力をすべきだったのではないでしょうか。
早く気付くことができていれば、これほどつらい1年間にならなかったのではないかと悔やまれます。
早期発見、早期対応の重要性を改めて感じました。
7/5 将来の夢
今朝の新聞に,小学6年生の「将来就きたい職業」トップ10が載っていました。各順位の職業は次のようになっています。
小学生にとっては,実際にその職業の方と触れ合ったり,メディアで目に触れることの多いものが上位に来ている気がします。
別の団体が,高校生に同様の調査をした結果は以下の通りです。
小学生と違って、より具体的な職業名になってきています。
さらに別な団体の調査結果ですが、30代から60代に「今、子どもの頃になりたかった職業に就けているか?」という質問をしたところ、「就けた」と答えた大人の割合は、わずか6.5%だったそうです。
逆に考えると、20人に1人程度は子どもの頃の夢が叶った人がいるということです。
子どもの頃の夢を実現された方は、自分の頑張りもあったのでしょうが、それ意外にも様々な要因、例えば、まわりのサポートや素晴らしい出会いや経験があったのだろうと思います。
自分が今いる生徒達に対して、色々な意味で少なからず影響を与えてしまう存在であることを考えると気が引き締まります。
7/4 しきり
須木中学校は校舎と体育館の間に、古い外トイレがあります。
正面には見下ろす形で運動場が広がり、遠くには須木の山並みがよく見える素晴らしい場所です。
上の写真ではわかりにくいですが、なぜか便器の間の仕切りが低く、小学校用の作りなのでは?と感じていました。
生徒は別のトイレを使っているので、普段使われることはほとんどありません。
しかし、今月末の河川プールのイベントがあり、その際に使う方がいたら使いにくいかも・・・と心配をしつつ、まだそのままにしていました。
ところが今日、教頭先生が「ちょっとやってみます」と、忙しい中にも関わらず作業をされました。
元々の仕切りの上に板を取り付けて高くしてあります。
予算のない中で工夫して対応していただきました。
ちょっとしたことですが、使用感に大きな違いが出ます。
教頭先生の素早い対応と工夫はさすがです。頭が下がります。
7/3 ロケット
先日H3ロケットの打ち上げが成功しました。
H2ロケットの試験機1号機が1994年に打ち上げを成功させましたので、それから約30年になります。
日本では、水素を燃料とするロケットエンジンの開発が1973年頃から始まりました。
H1ロケットで実用化した後、H2までに約20年かかっています。
一方アメリカでは、1960年代にすでに水素を燃料とするロケットエンジンが使われていました。すごいですね。
H2のロケットエンジンについては、『メタルカラーの時代』シリーズ(著:山根一眞)で、開発者の話を読んだことがあります。
この本で表には出ない技術者の苦労や努力や工夫、そして困難を乗り越えようとする意識と技術力の高さを知ることができ、見方が変わりました。
水素エンジンだけでも、ここには書ききれないほどの技術的ブレークスルーが必要でした。
燃料の液体水素がマイナス250℃以下のため、燃料タンクの断熱に工夫が必要だったり、水素を燃焼させると3000℃にもなるのでそのままではロケットの吹き出し口が溶けてしまうため、燃やす前の液体水素で吹き出し口を冷やしながら燃焼させるようにしたり・・・などの対応が必要だったそうです。
さらに、なるべく軽く作りたいためにボルトナットを使わずに溶接にした部分に亀裂が入って爆発したり・・・。
エンジンを含め、すべて国産の技術で作り上げることを目指したため、実験をしては失敗し不具合を探し対応する、の繰り返しだったそうです。
打ち上げは成功して当たり前のように思ってしまいがちです。
多額の開発費や打ち上げ費用をかけているのですから、それはある意味仕方ありません。
いずれにせよ、ロケットを作る技術的困難のレベルの高さと、それを乗り越えるためにかけた時間と苦労を考えると、技術者の皆さんには頭が下がります。
参考--------
下の写真はH2についている液体水素をタンクから噴射口の根元にある燃焼室に送るターボポンプ。設計寿命は2000秒。
右端の円盤を、少し酸素を混ぜて一部燃焼させた液体水素(温度は550℃、215気圧)で回転させます。1分間に4万2300回転(1秒間に705回転)、2万4000馬力(タンカーなみ)
その力で、右側のスクリューのような部分を回転させ、燃料タンクからマイナス228℃の液体水素を275気圧にして燃焼室に送り出します。
もう一つ、液体酸素を送る同様のポンプがあります。
※この写真は種子島宇宙センターに行ったときに撮りました。横幅は1m位だったと思います。
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
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