人権・同和教育

映画「もののけ姫」をあらためて見て…

 先日、日本テレビ系列「金曜ロードShow!」で、宮崎駿監督の「もののけ姫」を放映していましたね。
 歴史学者が見ても、驚きを隠せなかった(新しい視点が多くあるだそうです)という「もののけ姫」。人権の視点からも、ハンセン病の人々が出てくるシーンがあります。
 ハンセン病は、らい菌という細菌によっておこる皮膚と末梢神経の病気で、現在は完治できるようになっています。しかし、かつては恐ろしい病気と考えられ、偏見や差別を生んできました。
 「もののけ姫」にも、主人公アシタカに、エボシ御前が石火矢のことを伝えるシーンで、包帯に巻かれた人々が出てきます。もしかして…という話は広がっていたのですが、のちに、宮崎監督自身も「ハンセン病の患者を描いた」と公言しています。
 ここまでは、知っている人もいるかも、と思うのですが…、先日の放送を見て、「あ!」と思うシーンがありました。
 最後近く、ダイダラボッチと化したシシ神に首を戻し、大地に緑がよみがえったシーン。印象的な場面ですが、その際、包帯を巻いていた女性が、自分の手を見て、喜ぶ様子があったのです。「病が治った」と感じさせるシーンでした。
 大地に緑がよみがえるように、人々の心にもハンセン病に対する理解が広がってほしい。それが真の「治癒」ではないか──そのように深読みしてしまいました。
 宮崎監督含め、スタジオジブリの作品には、奥深い内容が含まれているといわれています。テレビ放映の直後ではありますが、皆さんも今一度、ご覧になってはいかがでしょうか。そして、新しい発見がありましたら、ぜひ教えてください。それでは失礼します。