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人権・同和教育

人権・同和教育

真っ赤なお鼻

   真っ赤なお鼻のトナカイさんは いつもみんなの笑い者
   でもその年のクリスマスの日 サンタのおじさんは言いました
   「暗い夜道はピカピカの お前の鼻が役に立つのさ」
   いつも泣いてたトナカイさんは 今宵こそはと喜びました
  
 みなさんご存じ、「赤鼻のトナカイ」。「サンタが町にやってくる」「ジングルベル」と並ぶクリスマスソングです。作詞・作曲はジョニー・マークス。ジーン・オードリーの歌で1949年にレコードが発売され、ビルボードチャートで1位を記録しました。

 県同教機関紙「かいほう」第298号には、この歌から考えたことを、このように記載しています。

「誰かが赤い鼻の少数者(マイノリティ※)に生まれようと(他と違っていても)、泣かなくてもいい社会を作ることこそが必要だ。社会とは「人」に他ならない。大多数(マジョリティ※)の黒い鼻の人々がどのような学びを経て、どのような考えを持つようになり、赤い鼻の人々とどのようにかかわろうとするのか。赤い鼻の人はどうか。それぞれの集合体の生き方が社会である。
 人と人とは違いがあって当然であること。その違いをお互いに認め合い尊重することこそ大切であること。そんなことを、人権・同和教育の学びを通じて、理屈ではなく感性としてドスンと腹の底に落とし入れることができるようになる。」
                         (※は担当者による加筆)

 赤い鼻のトナカイは、サンタさんの一言で心が救われました。しかし「役に立つ=価値がある」という構図は、その逆、排除の論理(「役に立たない=価値がない」)も成り立つのではないでしょうか。だからこそ、先の引用文があるのではないかと考えます。

 マイノリティとマジョリティについて考えることは、新型コロナウイルス感染者への差別、医療従事者への差別など、あらゆる差別を考えることにもつながります。

 さまざまなことが起こった2020年もあとわずかです。皆さまもよいお年をお迎えください。それでは、失礼いたします。

追伸 じんけん通信の「人権作品展」の写真が暗かったので、見えない!という方が多かったと思います。通信のPDFからはポスターを見ることができます。

延岡大空襲の日

 6月29日は、延岡大空襲の慰霊の日です。

 当時の岡富中の場所には、県立延岡高等女学校がおかれていました。その女学校も、空襲で焼け落ちてしまいました。ですから、75年前の今朝は、岡富中のあたりは焼け野原だったわけです。その名残が、からみレンガの塀になります。
 
 1945年6月29日、午前1時46分ごろから始まった空襲は、宮崎県内で最も規模が大きいものでした。飛来したB29などの航空機は117機。投下された焼夷弾は10万発。東京大空襲における飛来した航空機は520機あまりということですから、その5分の1と考えていいでしょう。

 かつて、防空法という法律がありました。その第8条に、消火における退去の禁止と応急消火義務という項目があります。最初は条件付きの規定でしたが、太平洋戦争とともにそれらが強化され、空襲時、国民は全面的に退去することができなくなってしまいました。つまり、空襲だからといって、我先に避難することはできませんでした。「逃げ遅れた」のではなく、「逃がしてくれなかった」(それも国が)のです。
 
 「なぜ、人権教育で平和教育をするのですか」よく聞かれます。戦時は自らの生命すら自分で保持することは困難で、人権が制限されていました。考える「いとま」すらなかったのです。だから「戦争は最大の人権侵害」といわれます。平和の状態ができて、初めて人権の考えが芽吹きます。「平和なくして人権なし」──それでは、失礼いたします。

新型コロナウイルスから考える

 新型コロナウイルス感染症の予防のため、各自治体で学校の臨時休業が実施されています。生徒たちもあまり経験したこと(すること)のない事態です。
 
 ここで、人権のお話しを一つ。

 「マイクロアグレッション」という言葉があります。
直訳すると「小さな攻撃」という意味で、悪意のない、意図的でもない言動にあらわれる差別をいいます。大概に差別しようという意思はなく、自覚症状がないことがほとんどです。知らず知らずに使っている言葉、特にマイノリティ(少数派)の人たちが受けている日常的な会話の中に潜んでいます。

 先日の「じんけん通信」にも載せましたが、今回、新型コロナウイルスに関して、感染者の人たち、その関係者に向けられた言動に、それが見られます。海外では、アジア系の人たちに向けて「おい、コロナ」と呼びかけたという事例も報告されています。「注意しなきゃいけない」という意図だったかもしれませんが、アジア系だからとひとくくりにされて言われた方はどうでしょうか?
 
 差別は、社会に広く薄く存在しています。そして、報道によって可視化されるものです。誰もが差別者にならない社会をつくること──それは、差別を知り、差別をしないという「心がけ」しかないのです。それでは、失礼します。

第35回延岡市人権啓発推進大会(お知らせ)

 あけましておめでとうございます。
 早速ですが、標記の大会が行われます。保護者の皆さまも参加できますのでお知らせいたします。

 ■ 日 時   令和2年2月14日(金)14:00~16:00
 ■ ところ   カルチャープラザのべおか 多目的ホール
 ■ 内 容   講演 ユニバーサルマナー&障がい者スポーツアスリート
          第1部「ユニバーサルマナーとは」
             薄葉 幸恵さん(株式会社ミライロ)
          第2部「障がい者スポーツアスリート講座」
             松元 卓巳さん(あいおいニッセイ同和損害保険)

 今回は、ユニバーサルマナーと障がい者スポーツアスリートの2本立てです。「参加したい」という方は、後日プリントを配付しますので、中学校までお知らせください(中学校で取りまとめます)。それでは失礼いたします。

保護者の皆さまも一筆いかがですか~人権標語

 久しぶりのアップになります。
 季節は初冬。風や空気が、ピリリと緊張感(?)を感じる季節になりました。

 岡富中では毎年、この時期に「人権標語」の取組を行っています。
 これは、人権週間(12月4日~10日)の一環で行うもので、
昨年度は生徒のみでしたが、多くの作品が寄せられました。
昨年度の作品は冊子にしており、事務室前、職員室前にも置いてありますので
ご存知の皆さまもおられることでしょう。日めくりカレンダーもありますよ!

 今年は保護者の皆さまにも、ということで、専用の用紙を用意しました。
上のPDFを印刷していただき、お子さまを通して学級担任にお渡しください。

 素敵な作品をお待ちしております。

出会いがあれば、別れがある。

 今日は離任式でした。
 県内、数多くの小・中学校でいくつもの涙が流れたことでしょう。

 いつの歳になっても、別れはつらいものです。
 人間ですから、その人に対する印象はさまざまあるでしょうが、それでも、別れのときには「ありがとう」と素直に気持ちを伝える人でありたい。
 それが、人と人を結ぶ人権だと感じます。

 人権について考えることは「自分を幸せにすること」につながるといわれます。新年度も考えてまいります。ご覧いただき、ありがとうございました。

ラムちゃん、懐かしいです!

 23日(現地時間)、漫画家の高橋留美子さんが、「漫画界のカンヌ」と称されるヨーロッパ最大の漫画の祭典「アングレーム国際漫画祭」で、漫画の発展の大きく寄与したとして功労賞「グランプリ」に選ばれました。
 高橋さんの漫画といえば、「うる星やつら」や「めぞん一刻」、「らんま2/1」「犬夜叉」などが思い出されます。私も、漫画やテレビアニメを見ていた一人です。
 主催者の発表では、
「『出る杭は打たれる』日本社会で、アウトサイダー(仲間に加わっていない者、余計者)や変人を前面に押し出し、彼らにもチャンスがあることを示そうとこだわった」
として、多くの作品がコメディーと見せかけて極めて進歩主義的だと評価しました。

 …正直、「うる星やつら」などを、そのような視点で見たことはありませんでした。アウトサイダーや変人は確かに登場しています。そして存在感がありました。それは「キャラ作り」だと思っていました。

 ラムちゃんだって五代君(は違うかも?)、らんまだって、そんな存在だったのか! そんな見方があったとは! 世界の見方は、深いな~と思いました。
 アウトサイダーだろうが変人だろうが、人に迷惑にならなければ、それでもいいかも、で、あれば、一人一人の個性は生き生きと輝くはずです。そして、それを認め合う雰囲気があるというのも素晴らしいことだと思います。
 だからこそ、高橋さんは、出てくる登場人物を愛して、描いていたんでしょう。
 …いろいろと考えさせられるニュースでした。それでは、失礼します。

成人式に思うこと

 去年の暮れ、以前勤めていた中学校の生徒から、「成人式後の同窓会に参加してください」と連絡があり、学級担任をしたという経緯から参加させてもらいました。

 勉強のこと、進路のこと、仕事のこと、将来のこと……一生懸命に「今」を生きている20歳の若者たち。どの子も順風満帆というわけではないでしょう。それでも、元気に「今」を語る内容には、考えさせるものが多くありました。

 「進路保障は同和教育の総和」といわれます。この場合の進路保障とは、就職先を確保するということではなく、
  ○ 学ぶ意味
  ○ 自分が持つ権利
  ○ 自己実現の内容
  ○ 社会的な立場の自覚
  ○ 人との多方向のネットワークをつくる力
など、「未来を切り拓くための力」を獲得するための実践に取り組むことです。これは中学校・高等学校からの段階ではなく、乳幼児期からの子どもの育ちの結果だと考えられています。
 日本の公財政支出おける教育費の割合は、OECD加盟34か国中、最下位です(2018年版「図表で見る教育」)。教育に関わる支援費用の少なさが、子どもたちの進路保障に大きな影響を及ぼしています。2019年度以降、国は幼児教育や高等教育の一部無償化に取り組むことをすでに決めています。乳幼児期からの進路保障が充実していけるようになってほしいです。

 前述の同窓会で、こう言われました。
 「まさか、先生とこんなふうにお酒が飲めるなんて想像していませんでした。……(他の人に)ねぇ、思っちょった?」「うんにゃ、思わんかった。」
これからは同じ「大人」として、支えていきたいと思います。

 ところで、あと数年で18歳「成人」となりますが、その年齢で「成人式」をしても、ここまで深い話ができるでしょうか。気になるところです。それでは失礼します。

ハラスメント&人権小話(笑えませんが)

 年の瀬になりました。
 「じんけん通信」第4号ではハラスメントを特集しました。聞きなれない言葉もあったと思います。全部ではありませんが、その一部を紹介します。
 ○セカンドハラスメント
    セクシャルハラスメントを受けた被害者が、その事実を伝えることで、
    逆に会社側から圧力などの二次的被害を受けること。
 ○モラルハラスメント
    肉体的ではなく、言葉や態度といった精神的による継続的な差別。
 ○エイジハラスメント
    家庭内の父親や、介護施設の利用者である高齢者に対する差別。
 ○アカデミックハラスメント
    大学教授がその立場を利用して行う、学生に対する差別。
 ○就活終われハラスメント
    企業が学生に、内定と引き換えにして就活を終わるように迫ること。
 ○ゼクシャルハラスメント
    交際している男女のうち、女性が男性に対して結婚を迫ること。
 ○レイシェルハラスメント
    人種差別、外国人やハーフに対する差別。
                   (HP「社会人の教科書」より)

 最後に人権小話を一つ。
 オランダ人と日本人が話しています。
 日本人  「オランダの学校でもいじめはあるでしょ?」
 オランダ人「いじめって何ですか?」
 日本人  「いじめって、なぐったりとか」
 オランダ人「それは犯罪でしょ」
 日本人  「ものを盗ったり、隠したりとか」
 オランダ人「それも普通は犯罪でしょ」
 日本人  「集団で圧力を…」
 オランダ人「不当な内容だったら犯罪でしょ、それって」
 ……日本人は、だまって頭を下げました。(HP「常識的に非常識」より)
 
 外国の人から見ると、日本のいじめはやはり異常な状態のようです。ハラスメントと同様に、考え続けなければならない問題です。誰もがいじめの加害者になり、被害者になりえます。2019年は周りをもっと気遣えるようになりたいなと切に思います。
 それでは、よいお年をお迎えください。失礼します。

人権週間ですね!

 明日から人権週間です。人権週間は、1948年12月10日に世界人権宣言が制定されたことを記念して12月10日を「人権デー」、その前の1週間を国内では「人権週間」と定めています。
 この時期、延岡地区では「人権作品展」を開催しています。

   期間  12月4日(火)~9日(日)9時~17時
   場所  カルチャープラザ2階アートギャラリー

 岡富中からは人権標語を出品しました。
 また、「あなたの大切な人に伝えたい『心のメッセージ』」も同時に開催しています。今年度は、4700を超える応募作が寄せられました。そのうちの100編を同会場で展示しています。その中に岡富中生の6作品も展示されています。
 9日はバザーもあります。そのお帰りにでも立ち寄ってみてはいかがでしょうか。それでは失礼します。