学校長メッセージ

令和6年度 第1学期始業式

皆さん、おはようございます。春休みの生活は充実していたでしょうか。本日は新年度を迎えるにあたり、危機管理と組織の一員としての在り方について少しお話しをしたいと思います。

まず、昨日の午前10時25分頃に発生した地震についてです。この日南地区は震度5弱という大変強い揺れがありました。震度5弱でも恐怖を感じましたので、能登半島地震に見舞われた石川県民の皆さんの恐怖と復興への苦難は想像に難くありません。今日、もし地震が発生したら、直ちに机に下に身を隠し、放送があったら運動場へ避難することを心がけてください。率先避難者となって的確な避難行動をとることは、危機を意識していなければできることではありません。自分の命は自分で守ることが大切です。また、授業以外(休み時間、放課後、休日の部活動)における地震・津波等の発生については、的確な自己判断が求められますので、日頃からハザードマップ等を確認しておくことが必要だと思います。

さて、終業式には春休み期間中に、「しっかりと自分の目標を立てて、令和6年度の準備をしてください。」と話しましたが、目標を立てて本日臨めているでしょうか。また、「いい書物と巡り会えるといいですね。」という話もしました。何かよい本は見つかったでしょうか。来週からまた「朝読書」が始まりますので、好みの本を準備しておいてください。

ところで、3学期終業式では、「美しい心は美しい言葉から生まれる。」、「美しい言葉は読書から生まれる。」という、元アサヒビール会長「福地茂雄さん」の話しをしましました。今日は、この福地茂雄さんの話をもう一つ紹介したいと思います。福地さんは、「小さな歯車は組織を動かす原動力」だと言っています。組織は大きな歯車と小さな歯車がうまく噛み合った時に円滑に動きます。つまり、一つとして不要な歯車はないということです。

オートマチックの時計など、メカもそうです。小さい歯車が一つ外れると動きません。人も同じです。不要な人などいません。組織も同じです。レギュラーも必要ですが補欠(インパクトプレーヤー)も必要です。学校も同じです。不要な生徒などいません。458名全ての生徒がこの日南振徳高校には必要です。一つとして不要な歯車はないことを心に刻んで、自分の置かれた場所で、組織の一員として、自分の務めを精一杯果たしていきたいものです。

皆さんの令和6年度の活躍を心から期待し、始業式のあいさつとします。

 日南振徳高等学校長

令和6年度 新任式

つい先日、離任式にて10名の先生方をお送りしたところでありますが、本日11名の先生方をお迎えして令和6年度新学期を迎えることができました。碧い海と晴れ渡る空、風情豊かな飫肥城下町で育った元気な生徒たちとともに、11名の先生方をお迎えして共に学んでいけることを大変幸せに感じているところです。本校の校訓である「潔己・至道・振徳」のもと、「専門性を備え社会に貢献できる人材を育成するとともに、豊かな人間性を育み生き抜く力を身に付ける」という教育目標を掲げて全教職員で力をあわせて取り組んでまいりますので、令和6年度日南振徳高等学校をどうぞよろしくお願いいたします。

令和5年度 第3学期終業式

みなさん、おはようございます。今日は、インフルエンザ等の感染拡大防止のため、リモートでの話となりますが、少しだけ耳を傾けてください。

先ほど表彰しましたが、今年度は1年生と2年生で19名が多読賞を獲得しました。あらためておめでとうございます。受賞した皆さんは、おそらく多読賞のために本を読んでいるのではないと思います。読書が習慣となっていて、本を読むことで心が落ち着いたり、知識が豊富になったり、書かれている世界に入り込める面白さを知っているからだと思います。

アサヒビールの社長だった福地茂雄さんは、「美しい心は美しい言葉から生まれる」、そして「美しい言葉は読書から生まれる」と言っています。また、教育哲学者の森信三先生は、「書物というものは、ただ撫でるだけでも良い」とも言っています。食べ物が人の体をつくるように、読書が人の心をつくるのではないでしょうか。読書が心の栄養分だとすれば、読書をしないことで心がへばると思ってもいいと思います。

今年度の朝読の姿勢は、年間を通して良好だったと思います。これは、先生方も皆さんと一緒になって読書に臨んだ結果だと思っています。本当にありがとうございました。ぜひ、この姿勢を来年度も崩さずに、朝の読書に取り組んで欲しいと思います。

 さて、本日で令和5年度が終わります。春休みには是非、新年度に臨むにあたって目標(夢)を立てて欲しいと思います。成功するための秘訣は目標を立てること、夢を持つことです。皆さんにとって、有意義な春休みになること期待し、終業式のあいさつとします。1年間、ありがとうございました。

 日南振徳高等学校長

介護福祉士国家試験 全員合格!

1月28日(日)に実施された「第36回介護福祉士国家試験」の結果が発表され、令和5年度福祉科3年生の19名全員が合格しました。日南振徳高校としては、昨年度に引き続き2年連続で合格率100%を達成しました。生徒の努力と先生方の丁寧な指導が実を結んだ結果だと思います。3年連続合格率100%を目指して、2年生も頑張って欲しいと思います。

令和5年度 第13回卒業式「式辞」

春の到来を感じる弥生の今日の佳き日に、学校評議員の皆様をはじめ多くの御来賓の方々の御臨席を賜り、令和5年度宮崎県立日南振徳高等学校 第13回卒業証書授与式を挙行できますことを、心から感謝申し上げます。

卒業証書を授与された154名の卒業生の皆さん、御卒業おめでとうございます。また、この3年間人生の中で最も多感で著しい成長期にあるお子様を見守ってこられた保護者の皆様、本日は誠におめでとうございます。本校教育に対するこれまでの多大なる御理解と御協力に、全教職員を代表し衷心よりお礼申し上げます。

卒業生の皆さんにとっての高校生活は、新型コロナウイルスの影響により授業や学校行事、部活動の制限を受けることが多々ありました。しかしながら、昨年5月の新型コロナウイルス感染症の5類感染症への移行を受け、学校の日常が戻ってきました。失われた3年間の中で、学校のパソコンやデジタル技術を駆使した機材が導入されるとともに、生徒全員がタブレットを使った授業が展開できるようになり、新たに発展し生まれてきたものも数多くあります。

そのような中、生徒自身の主体的な取組によって、バレーボール部やヨット部のインターハイ出場をはじめ、多くの部活動ですばらしい活躍をしてくれました。また、各学科における日頃の学習の成果として、全国農業クラブ鑑定競技での最優秀賞やエコ電気自動車レース大会の特別賞、ものづくりコンテストの優良賞、そして、商業研究発表大会や情報処理競技大会、介護技術コンテストなどにおいて好成績を収めることができました。一人ひとりのたゆまぬ努力によって、「専門性を備え、生き抜く力を身に付けた、社会に貢献できる人材の育成」という本校の教育目標を見事に成し遂げてくれたと思っています。

京セラの創業者として知られる稲盛和夫氏は、人生で一番大事なものは何かと聞かれ、「一つは、どんな環境においても真面目に一生懸命に生きること。自分が自分を褒めるとすれば、どんな環境であろうと不平不満を言わず、慢心せず、目の前に与えられた仕事に、それがどんな些細な仕事でも、全身全霊で打ち込み努力してきたこと。もう一つは、利他の心。皆を幸せにしてあげたいと強く意識し、生きていくこと。」と答えています。これは、本校の校訓「潔己、至道、振徳」の中の至道(人の行うべき最高の道)にあたります。他を利する優しい思いやりの心があれば、きっと自分の周りに多くの人が集まり、自分を支えてくれるものと確信しています。そして、家族のため、会社のため、地域社会のため、ひいては国のために懸命に努力しながら生きていくことが、自分の人生を少しずつ形づくっていくことと思います。

もう一つ、卒業生に伝えたいことがあります。人生の選択に後悔しない方法です。まずは大人の話を聞くこと。多くの経験をしてきた大人の話を聞き、自分の選択の材料にしてください。ロック・バンド緑黄色社会の長屋晴子さんは、「先生に言われたとおりにしていたら今の自分はいません。ただ、先生に反発する必要はなく、一つの意見として聞き、自分で判断した方がいいということです。自分で考える力を付けることが大事です。」と言っています。これからの未来を創るのは皆さんです。予測困難な時代だからこそ、自分で決断する勇気を持って未来に突き進んで欲しいと思います。

新年に入り日本は能登半島地震に見舞われ、令和6年は大変厳しいスタートとなりました。一方、世界に目を向けるとパレスチナガザ地区で起こった軍事衝突やロシアによるウクライナ侵攻など厳しい情勢が依然として続いています。私たちは時として悲しみを直視して前へ進まなければなりません。他人に左右されず、今自分には何ができるかを考えられる人になって欲しいと願っています。

結びになりますが、卒業生の皆さんが、これからの長い人生、自信と誇りを持って自らを磨き続け、社会で活躍することを祈念し、式辞といたします。

 令和6年3月1日 

 宮崎県立日南振徳高等学校長