学校長メッセージ

進路壮行会

9月16日からいよいよ就職試験が解禁となります。就職試験はもとより、大学・専門学校の推薦入試等も併せて実施されます。

不安な気持ちで押しつぶされそうになるかもしれませんが、これまで取り組んできたことを平常心でやりきることが大切だと思います。これまで多くの推薦書や調査書を見せていただきました。君たちの3年間の頑張りを確認することができ、合格して欲しいという願いを込めて印鑑を押しました。

校長先生から、受験の心得として3つお話しします。一つめは、マイナスをプラスに変えることです。声が小さい人は、「声は小さいですが、粘り強く根性は誰にも負けません」と言えば、寡黙で頑張り屋と捉えてくれるでしょう。資格の数が少なければ、「3年間部活に没頭しました」と答えれば、部活動に熱中するあまり時間がなかったんだと捉えてくれるでしょう。二つめは、この会社で働きたい(この大学で学びたい)という意思を精一杯アピールすることです。「この道以外、自分を生かす道はない」という強い思いを相手に伝えることが重要です。三つめは、「今から試験までやれることはやる」ということです。今からやっても一緒と思っている生徒もいるかもしれませんが、そうではありません。何か一つでも覚え、体調を整え、心を整え、試験が終了するまでのシミュレーションを描くことが大切です。試験日までの一日一日を大切にして欲しいと思います。

校長先生の激励のことばを受け、3年機械科の栗原拓己君が、「これまで指導してくださった先生方や応援してくれた保護者に感謝し、精一杯頑張ってきます」と決意を述べました。素晴らしい挨拶でした。3年生全員の健闘を心から祈念いたします。

令和6年度 第2学期始業式(式辞)

全校生徒の皆さん、おはようございます。夏休みの生活はいかがだってでしょうか。部活動、各種大会をはじめ、3年生においては履歴書作成等大変忙しかったことと思います。また、8月8日には震度6弱を観測する大地震が発生しました。この校舎も大きく揺れ、至る所にひび割れが発生しています。授業中にこのレベルの地震が発生した場合、「皆さんを安全に自宅へ帰すことができただろうか。」と毎日考えているところです。日頃から、自分の命は自分で守ることを心がけて生活して欲しいと思います。なお、災害時における皆さんの安否確認のマニュアルも近日中に作成したいと考えているところです。

さて、今日は皆さんにパリオリンピックについてお話ししたいと思います。終業式で4年に一度のオリンピックを観戦して、何かを感じて欲しいと言いました。皆さんは何の競技に夢中になったでしょうか?ところで、新聞を読まなくなったと言われて久しいですが、最近はテレビも観ないというようなことを耳にするようになりました・・・。リアルタイムでないと感動を味わえないものについては、是非、直接会場で応援したりテレビを観て応援して欲しいと思います。話を元に戻しますが、本校OBの甲斐優斗選手が出場した男子バレーボールは、残念ながらメダルに手が届きませんでした。しかしながら、世界の舞台で本校の卒業生が活躍する姿は大変頼もしく感じました。

校長先生は個人的には、クライミングで銀メダルを獲得した高校2年生の安楽宙斗選手の振る舞いに感動しました。彼は銀メダル獲得後のコメントで「努力は必ずしも目指しているものにはつながらないかもしれないけど、絶対に自分を成長させてくれるものだと思います。」と答えています。高校生とは思えないコメントでもあり、努力してきたたからこそ見える景色があるんだと思いました。

その反面、今回のオリンピックでは選手を中傷するSNSのコメントの多さに愕然としました。感想については、個人の主観なのでとやかく言うつもりはありません。しかし、選手の頑張りをSNSで中傷するコメントは見ていて気持ちのよいものではありません。激励のコメントはまだしも、批判や中傷といったコメントは個人で感じていればよいことだと思っています。このような情報が錯綜する社会を私たちは生き抜いていかなければなりません。私たちは相手に対する思いやりも含めて、これらの情報に対して対処法を正しく身に付けていく必要があります。その結果、お互いを認め合える社会になっていくことを強く望んでいます。

最後になりますが、2学期は、高文祭・新人大会・体育祭・文化祭・修学旅行に加え、3年生は就職・進学試験を控えています。それぞれに良い結果が出るよう最高の準備をし、仲間と感動を分かち合えることを期待しております。下級生の皆さんは、就職・進学試験を控えている3年生に精一杯のエールを送ってください。私たち職職員も一丸となって3年生をサポートしたいと思います。日南振徳高校全員にとって素晴らしい学期となることを祈念し、始業式の挨拶といたします。

令和6年度 第1学期終業式

本日は熱中症予防と感染防止対策のため、オンラインでの終業式となりましたが、ご理解いただきたいと思います。このあとの学科別集会においては、自主的にマスクを着用するなど、場面に応じて感染対策を取ってください。

さて、先ほど壮行式を行いましたが、1学期には、部活動をはじめとする色々な活躍がありました。運動部ではヨット部、文化部ではコンピュータ部、ワープロ部、珠算電卓簿記部、学科等においては農業クラブや商業英語スピーチコンテストといった部活動の活躍がめざましく、なかでも先日行われました「全国情報処理競技大会」において、3年生の細川君が見事全国入賞を果たすなど、専門高校ならではの競技力をいかんなく発揮してくれました。これから全国大会を控えている部活動については、さらなる活躍を期待しているところです。

さて、今日は皆さんに4点ほどお話ししたいと思います。
1つめは、今後、日本社会において求められている人間像についてお話ししたいと思います。私たちの世代においては、どれだけ多くの知識・技能を有しているか、そしてどれだけ世の中の常識や規範意識を有しているかで、社会から評価されてきました。しかし、生徒の皆さんたちは、先行き不透明な予測困難な時代、情報社会を生き抜く上で一方向だけの学びではなく、他者と向き合ったり、協働的に学びながら自分の意見を伝えるという「プレゼン能力」が求められています。つまり主体性が求められているということです。質問にしても、「これはどうしたらいいですか。」ではなく、「私はこう考えましたがいかがですか。」という考え方が大切になってきます。我々大人の生きてきた時代とは異なる大変な社会を、自らの力でしっかりと生き抜いていくために「何が必要か」を考えて生活して欲しいと思っています。

2つめは、この夏、4年に一度のオリンピックが開催されます。選手たちが何を思い、どんな気持ちで、どう戦っているのか。なぜそこまで自分の人生をかけられるのか。感動・涙・喜びなど、テレビ観戦を通して何かを感じてくれたら幸いです。

3つめは、3年生にとって進路実現に向けた勝負の時がきました。この夏休みの準備・生活がとても大切になってきます。採用試験や大学入試等に向け、日頃できない勉強や対策をしっかりと行って欲しいと思います。

最後に、「いのち」を大切にすること。私たちのいのちは、病気、事故、事件、いじめ等、いろんな形で突然奪われる可能性があります。自分を支える全ての人に感謝し、「自分のいのち」、そして「他人のいのち」も大切にしてください。自分のいのちは自分のものだけではありません。

それでは暑い夏が続きますが、健康に気をつけて充実した夏休みを送ってください。元気な姿で始業式に再開できることを楽しみにしています。以上で、1学期終業式の話を終わります。ありがとうございました。

日南振徳高校「壮行式」

「ヨット部」「レスリング部」「珠算電卓簿記部」「ワープロ部」の全国大会出場、誠におめでとうございます。そして、県吹奏楽コンクールに出場する吹奏楽部を含めた壮行会に際し、一言激励の言葉を述べたいと思います。

それぞれ全国大会に出場する部活動の皆さんは、日々、自分の限界に挑戦して、つかみ取った全国切符だと思います。今日の宮日新聞には、見開き全面にインターハイ特集が組まれ、本校ヨット部が大々的に掲載されていました。プレッシャーをかける訳ではありませんが、全国で勝ち上がっていくためには期待を力に変えることも大事な要素だと思います。

また、勝つことは勿論ですが、全国大会でしか味わえない「緊張感」や「レベルの高さ」、そして「他校との交流」を通して多くのことを学び、しっかりと自分の成長につなげて欲しいと思います。ヨット部は和歌山、レスリング部は滋賀、珠算電卓簿記部は沖縄・東京、ワープロ部は久留米・東京で開催されます。また、吹奏楽部は大きなコンサート会場での発表となりますが、日頃と異なった環境の変化に対応しながら、練習どおりのパフォーマンスを発揮できるかが上位進出のカギだと思っています。

また、10月には農業鑑定の分野「草花」で全国農業クラブ連盟大会に古里さんが出場すると聞いております。こちらのほうも学科で学んだ知識と技術をいかんなく発揮し、全国の頂点を目指して頑張って欲しいと思います。卒業生の活躍や学校・友だち・家族の応援を力に変えて精一杯頑張ってきてください。皆さんの活躍を心から祈念いたしまして、壮行式・激励の言葉といたします。

ビジネス計算競技大会 個人3位

先日、都城商業高校で開催された全国高校ビジネス計算競技大会宮崎県予選会並びに全九州高校ビジネス計算競技大会宮崎県予選会において、本校商業マネジメント科2年の橋本一葉さんが、電卓競技部門において個人3位となり、7月末に沖縄県で開催される九州大会と横浜市で開催される全国大会に出場することになりました。橋本さんの更なる活躍を期待しております。なお、団体の部においては2位となり九州大会・全国大会出場を惜しくも逃しましたが、次年度は、団体の部でも全国大会に出場できるよう頑張って欲しいと思います。

九州高校総体出場

今回、県高校総体で好成績を収めた三つの部活動が、九州高校総体に出場します。九州大会に出場するのは、個人競技では水泳競技の女子400m自由形で4位、200m自由形で5位に入賞した1C山倉伊織さんとレスリング競技125㎏級の3A大鶴光輝さん。団体競技ではヨット競技の420級に出場する3M倉永航志さん・3W中尾輝聖さん・3M加川和輝さん・3E細田義経さんとレーザーラジアル級に出場する3A金丸洸喜さん・2M倉永瞭さん・2E土田陽仁さんです。九州大会での活躍を期待しています。

バレーボール「ネーションズリーグ」

バレーボールの世界三大大会の一つでもあるネーションズリーグ。オリンピック、ワールドカップに次ぐ大会であるネーションズリーグに、日南振徳OBの甲斐優斗(かいまさと)選手が現在活躍中です。

ポジションはアウトサイドヒッター。石川祐希選手や高橋藍選手など強力な選手がひしめくポジションですが、今大会で更にアピールしオリンピック代表メンバーに食い込んでほしいと思います。第1週を終えて現在3勝1敗。6月4日から福岡県にて第2週が始まります。甲斐選手の更なる活躍に期待したいと思います。

写真は昨年、校長室に挨拶に来てくださった時のものです。(専修大学3年、身長200㎝)

見る処、花にあらずといふ事なし

松尾芭蕉の旅行記「笈の小文」の序文に、「見る処、花にあらずといふ事なし。思ふ所、月にあらずといふ事なし。像(かたち)花にあらざる時は、夷狄(いてき)にひとし。心花にあらざる時は、鳥獣に類(るい)す。夷狄(いてき)を出(いで)、鳥獣を離れて、造化にしたがひ、造化にかへれとなり。」という一節があります。

現代語訳すれば、「見る目さえあるならば見るものすべてが花はでないことがなく、思う所すべてが月ではないことがない・・・。」というところでしょうか。さて、先日、管理棟校長室前の花壇に地域農業科の生徒が、真っ赤なサルビアとオレンジ色のマリーゴールドを植えてくれました。登下校の際に眺めると気持ちが落ち着くと思います。見る処、花にあらずといふ事なし・・・。是非、ご覧ください。

高校総体総括

本年度の高校総体も水泳競技を残すだけとなり、ほとんどの競技を終えました。本校からは、ヨット競技やバレーボール競技をはじめ、12競技で高校総体へ参加しました。特に3年生にとっては、今大会を最後に引退する選手もいたのではないかと思います。

校長先生もできる範囲で応援に行かせていただきました。男子バレーボールでは、3位決定戦で相手のマッチポイントを何度も防ぎ見事に逆転勝ちしました。女子バレーボールは、飯野高校との合同チームながら決勝トーナメント1回戦で接戦を演じました。また男子バスケットボールは、キャプテンを中心に果敢に攻めて3回戦へ進出。サッカーは1回戦で延長戦を制し、バドミントン男子シングルスでは磯崎選手が見事ベスト16へ。ヨットは420級で上位独占し、九州大会での上位進出が期待されます。レスリング125㎏級で準優勝した大鶴選手は九州大会での活躍が期待されます。

その他、陸上競技、卓球、ソフトテニス、ラグビー、弓道も持てる力を精一杯出し切り、正々堂々と戦っていました。夏には1年生大会や秋には選手権や新人戦があります。今大会を振り返り、次の大会に生かせるよう練習にしっかりと励んで欲しいと思います。

令和6年度 競技力強化指定校

令和6年度宮崎県高等学校競技力強化指定校に本校から「男子バレーボール部」と「ヨット部」が指定されました。3年後に本県で開催される国民スポーツ大会における強化の一環として指定されたものです。本校の競技力向上はもとより、本県の競技力向上及び天皇杯獲得に向けて期待に応えられるよう、精一杯頑張って欲しいと思います。ちなみに日南市では、正式競技・特別競技でバレーボール成年男子、レスリング、ヨット(セーリング)、高校野球(硬式・軟式)が開催されます。また、公開競技として綱引き、デモンストレーション競技でターゲット・バードゴルフが、そして障害者スポーツ大会の正式競技としてバレーボール(知的)が開催されることとなっています。

読書の学び

本校は毎朝、午前8時20分過ぎから約10分弱の朝読書の時間を設定しています。

東京大学の 佐藤 学 名誉教授は、「生成AI時代における読書の学び」と題して「生成AI(人工知能)時代の到来によってデジタルリテラシーの重要性が叫ばれているが、それ以上に重要なのが読書の学びではないだろうか」と問題提起している。2023年の「学校読書調査」によると、1か月に1冊も本を読まない不読率は、高校生で43.5%だとか。

本校生徒は、少なくとも不読者はいない。朝の立腰黙想からはじまり朝読に取り組む。落ち着いた環境から1時間目の授業に入る。これも、本校全教職員の協力と取組のお陰であると考えています。

また、佐藤 学 名誉教授は、「生きる世界を豊にする教養は読書の学びによってでしか形成することはできない。教師たちは読書の学びこそが教育の根幹であることを認識すべきであろう。読書の喜びと習慣を子どもたちに育まない限り、子どもたちの将来も日本社会の未来もない」と言っています。

少々過激かと思われる発言ではあるが、読書とはそれほどまでに人間形成に役立つものであるということを訴えているのだと思う。「美しい心は美しい言葉から生まれる」、「美しい言葉は読書から生まれる」、元アサヒビールの 福地 茂雄 会長の言葉である。毎日の読書を大切にしたいと改めて思う一日でした。

令和6年度 第16回入学式「式辞」

満開の桜もいつしか新緑となり、吹き抜ける爽やかな春風に生命の息吹を感じるこの佳き日に、PTA会長並びに日南市立中学校長の皆様の御臨席を賜り、第16回入学式を挙行できますことは、本校にとりましてこの上ない喜びであります。

ただ今、入学を許可されました145名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。皆さんは名実ともに、この宮崎県立日南振徳高等学校の生徒となりました。その晴れ晴れとした気持ちを大切にしながら3年間の高校生活を送って欲しいと思います。また、お子様の成長を見守り、励まし、この日を楽しみにして来られた保護者の皆様方にも、本校職員を代表いたしまして、心よりお祝いを申し上げます。

新型コロナウイルスにより世界が一変し、私たちの生活様式も大きく変わりしましたが、5類感染症移行後は日常の生活を取り戻し、ほぼ全ての学校行事を滞りなく実施してまいりました。本年度も新入生が心待ちにしている高校生活をしっかりとサポートしていきたいと考えております。

さて、本校は県南地区において農業・工業・商業、そして福祉に関する専門教育を担ってきた3つの高校を統合・再編した総合制専門高校です。飫肥藩の藩校「振徳堂」の精神を教育理念として受け継ぐとともに、「広く社会に貢献し、心豊かで思いやりのある生徒の育成を目指す学校であれ」という県民からの期待を背負い、今年で16年目を迎えました。かつて、「振徳堂」で学んだ若者たちが読んでいたとされる書物のうちの「論語」、「礼記」、「孟子」の教えから引用した校訓、「潔己・至道・振徳」の下で学んだ卒業生は2,400名を超え、県内外において産業や経済を支える人材として活躍しています。

本校は、社会で活躍するために必要な知識や技術・技能を身に付けさせる教育に力を入れています。しかしながら、社会に出て仕事をするためには、知識や技術だけではなく、周囲に対する思いやりやコミュニケーション能力も大切になってきます。変化の著しい現代社会は予測困難な課題が山積しています。その解決には、様々な情報を集め、比較し、他者と議論を交わすことが必要となりますので、高校ではぜひ学校行事や部活動等にも積極的に参加し、集団生活に相応しい言動を身に付けて欲しいと思います。

今、学校現場では、新型コロナウイルス感染症の影響も相まって、DXハイスクールという文部科学省の事業で急速にデジタル化が進み、タブレットやオンラインで授業ができるようになりました。しかし、デジタル化すれば何でもできると思ってはいけません。デジタルに関わる技術者はそれ相応の幅広い知識と技能が求められます。スマートフォン一つにしても、相手を傷つけない最低限のマナーが私たちには求められます。世の中のほとんどのミスや事故はヒューマンエラーだと言われています。人間力で物事を前に進めていく「アナログ力」を決して忘れてはいけません。

1月29日に亡くなられた元アサヒビール会長の福地茂雄さんは、「小さな歯車は組織を動かす原動力であり、組織は大きな歯車と小さな歯車がうまく噛み合った時、円滑に動く」と言っています。つまり、一つとして不要な歯車はないということです。学校や社会でも同じことが言えると思います。自分の利益だけを考えずに、どうか友だちや家族、ひいては隣に座っている人を気遣い、他人の幸せを願う「利他の心」を持って生活して欲しいと思います。

最後になりますが、ここにいる生徒たちは、将来の日本を支える宝です。私たち教職員は、145名の新入生を責任を持って育ててまいります。ご家庭におかれましては、ぜひとも本校の教育方針をご理解いただきますとともに、これからの社会を担う貴重な人材として育てていくため、学校と連携しながらご協力を賜りますようお願い申し上げます。新入生一人ひとりの進路実現に向け、3年後に、成長した姿で社会に送り出すことをお約束し、式辞といたします。

 令和6年4月10日 日南振徳高等学校長 

令和6年度 第1学期始業式

皆さん、おはようございます。春休みの生活は充実していたでしょうか。本日は新年度を迎えるにあたり、危機管理と組織の一員としての在り方について少しお話しをしたいと思います。

まず、昨日の午前10時25分頃に発生した地震についてです。この日南地区は震度5弱という大変強い揺れがありました。震度5弱でも恐怖を感じましたので、能登半島地震に見舞われた石川県民の皆さんの恐怖と復興への苦難は想像に難くありません。今日、もし地震が発生したら、直ちに机に下に身を隠し、放送があったら運動場へ避難することを心がけてください。率先避難者となって的確な避難行動をとることは、危機を意識していなければできることではありません。自分の命は自分で守ることが大切です。また、授業以外(休み時間、放課後、休日の部活動)における地震・津波等の発生については、的確な自己判断が求められますので、日頃からハザードマップ等を確認しておくことが必要だと思います。

さて、終業式には春休み期間中に、「しっかりと自分の目標を立てて、令和6年度の準備をしてください。」と話しましたが、目標を立てて本日臨めているでしょうか。また、「いい書物と巡り会えるといいですね。」という話もしました。何かよい本は見つかったでしょうか。来週からまた「朝読書」が始まりますので、好みの本を準備しておいてください。

ところで、3学期終業式では、「美しい心は美しい言葉から生まれる。」、「美しい言葉は読書から生まれる。」という、元アサヒビール会長「福地茂雄さん」の話しをしましました。今日は、この福地茂雄さんの話をもう一つ紹介したいと思います。福地さんは、「小さな歯車は組織を動かす原動力」だと言っています。組織は大きな歯車と小さな歯車がうまく噛み合った時に円滑に動きます。つまり、一つとして不要な歯車はないということです。

オートマチックの時計など、メカもそうです。小さい歯車が一つ外れると動きません。人も同じです。不要な人などいません。組織も同じです。レギュラーも必要ですが補欠(インパクトプレーヤー)も必要です。学校も同じです。不要な生徒などいません。458名全ての生徒がこの日南振徳高校には必要です。一つとして不要な歯車はないことを心に刻んで、自分の置かれた場所で、組織の一員として、自分の務めを精一杯果たしていきたいものです。

皆さんの令和6年度の活躍を心から期待し、始業式のあいさつとします。

 日南振徳高等学校長

令和6年度 新任式

つい先日、離任式にて10名の先生方をお送りしたところでありますが、本日11名の先生方をお迎えして令和6年度新学期を迎えることができました。碧い海と晴れ渡る空、風情豊かな飫肥城下町で育った元気な生徒たちとともに、11名の先生方をお迎えして共に学んでいけることを大変幸せに感じているところです。本校の校訓である「潔己・至道・振徳」のもと、「専門性を備え社会に貢献できる人材を育成するとともに、豊かな人間性を育み生き抜く力を身に付ける」という教育目標を掲げて全教職員で力をあわせて取り組んでまいりますので、令和6年度日南振徳高等学校をどうぞよろしくお願いいたします。

令和5年度 第3学期終業式

みなさん、おはようございます。今日は、インフルエンザ等の感染拡大防止のため、リモートでの話となりますが、少しだけ耳を傾けてください。

先ほど表彰しましたが、今年度は1年生と2年生で19名が多読賞を獲得しました。あらためておめでとうございます。受賞した皆さんは、おそらく多読賞のために本を読んでいるのではないと思います。読書が習慣となっていて、本を読むことで心が落ち着いたり、知識が豊富になったり、書かれている世界に入り込める面白さを知っているからだと思います。

アサヒビールの社長だった福地茂雄さんは、「美しい心は美しい言葉から生まれる」、そして「美しい言葉は読書から生まれる」と言っています。また、教育哲学者の森信三先生は、「書物というものは、ただ撫でるだけでも良い」とも言っています。食べ物が人の体をつくるように、読書が人の心をつくるのではないでしょうか。読書が心の栄養分だとすれば、読書をしないことで心がへばると思ってもいいと思います。

今年度の朝読の姿勢は、年間を通して良好だったと思います。これは、先生方も皆さんと一緒になって読書に臨んだ結果だと思っています。本当にありがとうございました。ぜひ、この姿勢を来年度も崩さずに、朝の読書に取り組んで欲しいと思います。

 さて、本日で令和5年度が終わります。春休みには是非、新年度に臨むにあたって目標(夢)を立てて欲しいと思います。成功するための秘訣は目標を立てること、夢を持つことです。皆さんにとって、有意義な春休みになること期待し、終業式のあいさつとします。1年間、ありがとうございました。

 日南振徳高等学校長

介護福祉士国家試験 全員合格!

1月28日(日)に実施された「第36回介護福祉士国家試験」の結果が発表され、令和5年度福祉科3年生の19名全員が合格しました。日南振徳高校としては、昨年度に引き続き2年連続で合格率100%を達成しました。生徒の努力と先生方の丁寧な指導が実を結んだ結果だと思います。3年連続合格率100%を目指して、2年生も頑張って欲しいと思います。

令和5年度 第13回卒業式「式辞」

春の到来を感じる弥生の今日の佳き日に、学校評議員の皆様をはじめ多くの御来賓の方々の御臨席を賜り、令和5年度宮崎県立日南振徳高等学校 第13回卒業証書授与式を挙行できますことを、心から感謝申し上げます。

卒業証書を授与された154名の卒業生の皆さん、御卒業おめでとうございます。また、この3年間人生の中で最も多感で著しい成長期にあるお子様を見守ってこられた保護者の皆様、本日は誠におめでとうございます。本校教育に対するこれまでの多大なる御理解と御協力に、全教職員を代表し衷心よりお礼申し上げます。

卒業生の皆さんにとっての高校生活は、新型コロナウイルスの影響により授業や学校行事、部活動の制限を受けることが多々ありました。しかしながら、昨年5月の新型コロナウイルス感染症の5類感染症への移行を受け、学校の日常が戻ってきました。失われた3年間の中で、学校のパソコンやデジタル技術を駆使した機材が導入されるとともに、生徒全員がタブレットを使った授業が展開できるようになり、新たに発展し生まれてきたものも数多くあります。

そのような中、生徒自身の主体的な取組によって、バレーボール部やヨット部のインターハイ出場をはじめ、多くの部活動ですばらしい活躍をしてくれました。また、各学科における日頃の学習の成果として、全国農業クラブ鑑定競技での最優秀賞やエコ電気自動車レース大会の特別賞、ものづくりコンテストの優良賞、そして、商業研究発表大会や情報処理競技大会、介護技術コンテストなどにおいて好成績を収めることができました。一人ひとりのたゆまぬ努力によって、「専門性を備え、生き抜く力を身に付けた、社会に貢献できる人材の育成」という本校の教育目標を見事に成し遂げてくれたと思っています。

京セラの創業者として知られる稲盛和夫氏は、人生で一番大事なものは何かと聞かれ、「一つは、どんな環境においても真面目に一生懸命に生きること。自分が自分を褒めるとすれば、どんな環境であろうと不平不満を言わず、慢心せず、目の前に与えられた仕事に、それがどんな些細な仕事でも、全身全霊で打ち込み努力してきたこと。もう一つは、利他の心。皆を幸せにしてあげたいと強く意識し、生きていくこと。」と答えています。これは、本校の校訓「潔己、至道、振徳」の中の至道(人の行うべき最高の道)にあたります。他を利する優しい思いやりの心があれば、きっと自分の周りに多くの人が集まり、自分を支えてくれるものと確信しています。そして、家族のため、会社のため、地域社会のため、ひいては国のために懸命に努力しながら生きていくことが、自分の人生を少しずつ形づくっていくことと思います。

もう一つ、卒業生に伝えたいことがあります。人生の選択に後悔しない方法です。まずは大人の話を聞くこと。多くの経験をしてきた大人の話を聞き、自分の選択の材料にしてください。ロック・バンド緑黄色社会の長屋晴子さんは、「先生に言われたとおりにしていたら今の自分はいません。ただ、先生に反発する必要はなく、一つの意見として聞き、自分で判断した方がいいということです。自分で考える力を付けることが大事です。」と言っています。これからの未来を創るのは皆さんです。予測困難な時代だからこそ、自分で決断する勇気を持って未来に突き進んで欲しいと思います。

新年に入り日本は能登半島地震に見舞われ、令和6年は大変厳しいスタートとなりました。一方、世界に目を向けるとパレスチナガザ地区で起こった軍事衝突やロシアによるウクライナ侵攻など厳しい情勢が依然として続いています。私たちは時として悲しみを直視して前へ進まなければなりません。他人に左右されず、今自分には何ができるかを考えられる人になって欲しいと願っています。

結びになりますが、卒業生の皆さんが、これからの長い人生、自信と誇りを持って自らを磨き続け、社会で活躍することを祈念し、式辞といたします。

 令和6年3月1日 

 宮崎県立日南振徳高等学校長 

介護福祉士国家試験激励会

福祉科の皆さんにとっては、高校生活の集大成とも言える介護福祉士国家試験がいよいよ今月28日に実施されます。

私もいくつかの資格を持っていますが、職業に直接つながる国家資格は持っていません。国家試験を受験したという経験はないので、18歳で受験する生徒諸君を誇りに思います。資格取得に向けて、ここまで真剣に取り組んできたことを誇りに思ってください。

校長先生の経験を少しお話しします。校長先生は大学には推薦入試で受験したので皆さんほど勉強した記憶はありません。しかし、教員採用試験を受験したときには、わずか数人の採用予定に対し150人以上が受験しましたので、どんな問題が出題されても答えられるように、端から端まで必死に勉強したことを思い出します。

この試験には君たちだけではなく、先生たちも並々ならぬ思いで取り組んできました。不安があるのは生徒も先生も一緒ですので、過剰に心配する必要はありません。あとは試験当日までにできることを何度も何度も復習し、覚えた情報を引き出しやすくしておくことが大切だと思います。試験まであと10日ありますので、最後まで諦めずに試験対策をしてください。体調が良い方が頭はよく働くと思いますので、体調管理にも十分気をつけることが大切です。

最後に国家試験まで、夏の暑い日も冬の寒い日も、そして他学科が下校したあとの放課後も、熱心に指導してくださった先生方に心からお礼申し上げ、激励の挨拶といたします。皆さん頑張ってください。

令和6年1月18日 日南振徳高等学校長

令和5年度 3学期始業式

 皆さん、新年明けましておめでとうございます。
 2学期終業式では、新年を迎えるにあたり「新たな目標を立てましょう。」という話をしましたが、新年の目標は立てたでしょうか。1年の計は元旦にありと言います。今年こそインターハイに出場するとか、簿記検定2級・電気工事士1種・危険物取扱者乙種にチャレンジするとか、必ず介護福祉士国家試験に合格するとか、是非、具体的な目標を立てて3学期に臨んで欲しいと思います。

 さて、今年はお正月から能登半島地震、日航機と海保機との衝突事故、北九州市飲食店街火災と、日本全体としては大変厳しいスタートとなりました。亡くなられた方々へのご冥福をお祈りするとともに、被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。
 能登半島地震では、これまでに知られている活断層のずれによる地震ではないと言われています。まさに想定外です。また、航空機の衝突事故についても、これだけITが発達しても最終的にはパイロットが視認しなければならないというアナログの現実。おそらく被害に遭われた方々は皆、想定外の出来事と思ったに違いありません。私たちは、これらの経験を自分事として捉え、災害に備える必要があります。想定外も想定内として捉える必要があると言うことです。

 スポーツも一緒だと思います。箱根駅伝では記録的に見ても我々は絶対に超えられないと自負していた駒澤大学は、3区の大学№1と言われたエース佐藤選手が青山学院大学の太田選手に追い抜かれ、チーム全体が精神的にダメージを受けて後退してしまいました。「もしエースにブレーキがかかったら・・・。」という最悪を想定していたら結果は変わっていたかもしれません。想定を超えたところでチームをどのように立て直すかという準備もしておく必要があると言うことです。
 また勉強も一緒です。「まさかこの問題がでるとは思いもしなかった。」という経験をした人も多数いると思います。わずか40問の問題でも1問も落とさないという強い気持ちを持って、1年間かけて何千問も何万問も問題を解いた結果が、山﨑君の文部科学大臣賞(農業クラブ全国大会・農業鑑定競技会「最優秀賞」)ではなかったかと思います。まさに想定を超えた努力の賜だったと思います。
 防災でもスポーツでも勉強でも危機意識をしっかりと持って、万事に備えることが大切です。皆さんも日頃から想定外に備える対策を怠らないようにしておいてください。

 最後に、3学期は1年間の集大成となる学期であるとともに、次の年度へ向けた大切な準備期間となります。将来の自分のあるべき姿をイメージしながら、これまでの高校生活を振り返り、将来のために、今、何に取り組むべきかを考え、大切な時間を有効に使って欲しいと思います。戦後活躍した日本の教育者・哲学者である安岡正篤が、「縁尋機妙(えんじんきみょう)」、「多逢聖因(たほうしょういん)」という言葉を残しました。「良い縁が良い縁を尋ねて発展していく。」、「いい人と交わっていると良い結果に恵まれる。」という意味です。3年生はこの3年間で得た出会いや縁を大切にし、残された学校生活を1日1日を大切に過ごしてください。また、1,2年生も来年度につながる充実した学期となるよう期待しています。


令和6年1月9日 日南振徳高等学校長

令和5年度 2学期終業式

生徒の皆さん、2学期は充実した学校生活を過ごせたでしょうか。

2学期始業式では、体育祭や文化祭などの学校行事や新人大会等の各種大会に精一杯頑張って欲しいと言いました。先ほど、多くの生徒の活躍を表彰しましたが、特に日本学校農業クラブ全国大会における農業鑑定競技会において最優秀賞を獲得した山﨑さんの表彰は格別なものでした。そして、生徒諸君の学校行事に取り組む姿勢や迫力に感動した2学期でもありました。また、就職試験・進学試験にはしっかりと準備をして臨むように話しましたが、内定・合格が現在のところ95%で、あとは結果待ちとなっています。2年生も年が明けるといよいよ進路実現に向けた取組が始まりますので、しっかりと準備をして欲しいと思っています。

今日は、校長先生のことについて少しお話ししたいと思います。現在、見てのとおり松葉杖を突いておりますが、膝を捻ってしまいました。傷病名から言うと変形性膝関節症。ラグビーの後遺症からくるスポーツ障害で膝関節の変形速度はかなり速く、治療方法は人工関節置換法しかないと診断されているところです。校長先生から部活動をしている生徒へ一言。無理はいいけど無茶はしないほうがいいと思います。今58歳ですが、人生80年とすれば、余命はあと22年です。1年1年、1日1日、1分1分を大切に生きなければならないと痛感しているところです。時間は命です。

次に、「自分の生い立ちと性格等」について少しお話します。
父は身体障害者、82歳で他界しています。家庭は非常に貧しく、幼少の頃はカラーテレビもなく、お米がないときには唐芋を食べて生活していました。そして、兄との死別。不良少年だった兄と障害者だった父との取っ組み合いには衝撃を受けました。当時中学生だった私は、「これでも学校に行かなくてはいけないのか」と心中穏やかではありませんでした。交通事故による突然の死。とにかく、「今に見てろ!」という心境でした。決して友達は多くありません。ただ、一人で居れる力はあります。

不安や弱さは誰しも持っています。当然、私も持っています。それを自己認識・自己開示できるかが大事だと思っています。そして、私はそれができる性格です。何が言いたいかというと強く生きることも当然必要です。しかしながら、自分の弱さを自己認識できることも強さの一つではないかと思います。我慢することも大事ですが、自分の気持ちに蓋をするだけでなく、「泣ける場所がある」、「怒る場所がある」、「相談できる人が居る」、このことも生きていく上では非常に大切なことだと思います。

私は、父が死ぬ前に人生80年生きてきた感想を聞いてみました。すると、父は「80年はあっという間だった」と言いました。そして、「争いはいかん」、「みんな仲良く」と言い残して亡くなりました。80年生きてきた人にしか分からない心境を聞くことができ、感謝の気持ちでいっぱいでした。皆さんも、両親をはじめとする家族の教えにはしっかりと耳を傾けて欲しいと思っています。

最後になりますが、冬休みを元気に過ごし、新年を迎えるにあたり、新たな目標を立てて3学期を迎えて欲しいと思います。