PRINCIPAL'S OFFICE

2024年12月の記事一覧

【校長室】メリークリスマス

18日(木)の朝、担任の先生と一緒に一人の生徒が、校長室を訪ねてきた。調理実習で作ったおやつを持ってきてくれたのだ。今回で2回目。前回のポテトチップスは、塩味がしっかりきいてて、私の好みの味だった。今回はポテトチップスと芋天である。生まれ故郷の都城では「ガネ」というが、好物の一つである。感謝を述べつつ、話を聞くと

① 小麦粉を付けすぎないように注意した。

② 校長先生の体を気遣って、塩味をおさえた。

③ 油がはねないように、優しく揚げた。

とのことである。

確かに、塩味は薄めであったが、それ以上に、生徒の健気な心遣いに心を奪われてしまった。一足先にいただいた最高のクリスマスプレゼント。H君、ありがとう。

 

【校長室】感謝

生徒を預かる一人の教師として、中学生の訃報をきくと、胸が締め付けられる思いである。

感染症対策や自然災害への防災、そして不審者の学校侵入に対する防犯等、常に最悪のことを想定して、学校の危機管理に取り組んでいる。そういう自負はある。

年度当初、教職員向けに心肺蘇生法とエピペン使用の研修を行った。避難訓練を実施し、避難経路を確認した。夏には登下校中の避難について防災教室を行い、保護者への啓発を図った。9月には、県内弁護士による教職員への危機管理研修を実施した。危機管理マニュアルも担当に定期的に見直しをさせている。しかし、それが果たして最適かどうかは正直わからない。

12月18日(水)に、保護者迎えによる一斉下校を実施した。町教育委員会から連絡を受けたあとすぐに、教頭と生徒指導主事、各学年主任を集め、対応を協議した。前回の訓練で反省として出された、「校庭での車の渋滞」を回避するため、運動場での引き渡しとし、中学校近隣の生徒は、職員同伴による集団下校とした。危機管理においては、生徒の安全確保を最優先に対応することを強く意識しておく必要がある。たとえ事案が発生したとしても、被害を最小限にして、生徒を守ることに全力を注ぐ。全職員そういう気持ちであった。

連絡を受けてから、およそ2時間後が下校開始。一斉メールを送ることができたのは、下校開始まで30分をきったころである。保護者の混乱を招くおそれがあった。生徒も不安そうな顔をしていた。しかし、実際には冷静に行動してくれた。日頃から緊急時こそ「想定外を想定する」ようにと言い聞かせてきたことが功を奏した。すぐに保護者の第一陣が、来校した。副担任の先生を中心に車を運動場へ誘導し、生徒の受け渡しが始まった。保護者も、メールでの連絡事項をしっかり把握しており、大きな混乱はなかった。全生徒の生徒受け渡しによる一斉下校は、2年ぶりであるにもかかわらず、しっかりと対応できたのは、保護者の理解と協力のおかげである。時間にしておよそ3時間で全生徒の下校を完了することができた。ご理解とご協力をいただいた保護者の方々には本当に頭が下がる。学校と生徒・保護者との信頼関係づくりは、全教職員が行うべき危機管理に欠かすことのできない学校経営の一つとも言える。

今日までどれだけたくさんの人にお世話になり、助けられ、守られ、支えられて生きてきたか。生徒も私たち教職員も今回それを実感することができた。人は、こういう経験を通して、深い感謝を抱けるような人間に成長する。「ありがとう」という最高のことばで、あらゆることに感謝できる人間に私はなりたい。

【校長室】安全安心

令和6年も残りわずかとなった。今週から一段と気温が低くなり、通勤時の寒さが骨身にしみる(とは言っても、徒歩でたかだか5分程度であるが・・・)。週末からは、さらに寒さが厳しくなり、12月第3週は、気温が毎朝0℃を下回るとか。路面凍結時の安全確保のため、さっそくスタッドレスタイヤへの交換予約を入れた。

宮崎県では、12月1日(日)から10日(火)まで、「冬の交通安全県民総ぐるみ運動」が実施された。毎月10日は「県民交通安全の日」でもあるが、昨夜、女子高校生の乗った自転車が高齢者をはね、高齢者が命を失ったという痛ましい事故のニュースを知った。先月には、自転車に関する道路交通法が改正され、スマートフォン使用の罰則強化や飲酒時乗車の罰則が新たに追加された。本校の自転車通学生は5名ほどしかいないが、決して他人事ではない。10日(火)の朝には、PTAや高千穂警察署の方が、正門近くの横断歩道付近で交通指導をしてくだった。子供たちはいつものように元気よくあいさつをしながら登校しており、安心安全な日常を確認することができ、ほっと胸をなで下ろした。あいさつ運動をする場所は高台で、学校敷地より高い位置にある。そこから、警察の方が乗ってこられたパトカーを見た生徒が少々ざわついていた。パトカーを高いところから見ることはめったにない。パトカーの屋根に書かれた大きな文字に関心があるようだった。聞くところによると、ヘリコプター等、空からの捜索時、パトカーを誘導する際に活用するらしい。

さて、今回警察の方が交通指導に来られた目的は、もう一つあった。それは、自転車通学生への道路交通法改正についての啓発である。それは、警察官が自転車通学生を呼び止めて、直接説明する方法で行われた。全校生徒234名のうち、5名ほどの自転車通学生。およそ50名に一人の割合で声をかけられる。呼び止められた自転車通学生は、もちろん、純粋で素直な高千穂中生。「何故僕が・・・」と。明らかに表情がこわばっている。ひととおり説明を受け、通学を再開する生徒。警察官を見ると我々大人でさえ一瞬緊張が走ってしまう。それが子供なら無理もない。

令和6年度のめざす学校像の一つに、「生徒を守る安全・安心な学校」を掲げている。「高千穂の宝」として、地域の方々から愛され、大切に育てられている本校生徒。この日の交通指導中も、通勤途中であろう地域の方々があいさつをしてくださったり、快く車を停め、生徒の道路横断の時間を確保してくださったりと、生徒が大切に育てられていることをつくづく感じる。たった5名という自転車通学生に対しても、しっかりと説明してくださる高千穂警察署の方々の心の温かさに頭が下がる思いである。この横断歩道がある道路は、県道50号諸塚・高千穂線。高千穂神社前の交差点から南へ延びており、片道1車線で、整備されて間もない、きれいな道路である。途中、自然災害によりくずれた壁面があり、現在、復旧作業で地元の利用者や中学生に迷惑をかけているとのことで、西臼杵支庁が歩道に「歩行者注意」の赤いポールを立ててくださった。このように、多くの地域の方々が子供たちの安全確保に配慮してくださっていることに改めて感謝申し上げたい。12月は「師走」(しわす)と言われ、師さえも走り回るほど忙しい、せわしい月である。観光地として有名な高千穂町の年末は、観光客で賑わい車もさらに多くなる。交通安全県民総ぐるみ運動期間は終了したが、引き続き生徒の安全確保に努め、元日早々、発生した能登半島地震により不安な幕開けとなった令和6年を安全安心なうちに締めくくりたい。