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前回の事前学習に引き続き、今回も7月に行われるフィールドワーク(テーマ:御池周辺を舞台に生物の多様性を知り、観察の手法や探究のプロセスを身につける)の事前学習を6月24日(水)に行いました。
今回は霧島ジオパークガイド養成講座アドバイザーであり宮崎県環境保全アドバイザーでもある奥村健一郎先生をお招きし、特別講義を行っていただきました 。
■大地の変化:マグマと水が出会って生まれた「御池」
霧島火山の最南端に位置する火口湖「御池」。奥村先生はまず、この美しい湖がどのようにして形成されたのか、地球のプレートの動きという壮大なスケールから紐解いてくださいました。御池の原型ができたのは、今から約4700年前。地下のマグマが激しい水蒸気爆発を起こした「マグマ水蒸気噴火」によって、この深い火口湖が誕生しました。周辺には、幾度もの火山活動によって降り積もった、さまざまな時代の火山灰やスコリアの層が今も残されています。
■地理的・気候的要因:豊かな雨が育む環境
御池の豊かな自然には、九州の気候も深く関係しています。南国宮崎は、黒潮(暖流)の影響や温帯モンスーン気候により、年間を通じて温暖で水蒸気を多く含んだ風が吹き込みます。これが九州の山々にぶつかることで、梅雨の時期をはじめとする多くの「雨」をもたらします。
■植物生態:命を育む日本屈指の「照葉樹林」
「火山による特殊な大地」と「温暖多雨な気候」。この2つの環境因子が奇跡的に組み合わさることで、御池の周りには人手が加えられていない見事な天然林(照葉樹林)が広がりました。ツバキやカシなど、ツヤのある濃い緑の葉を持つ樹木が鬱蒼と茂る森は、多くの生き物たちに最高の住処を提供しています。御池周辺が「国指定御池野鳥の森」として大切に守られているのも、こうした生き物たちの見事な環境適応と進化の歴史があるからなのです。
■フィールドワークに向けて
奥村先生の講義を通して、ただ「緑豊かで綺麗な湖」というだけでなく、【火山(大地)× 気候(水・風)× 生物(多様性)】がすべて繋がって現在の姿があることを学びました。今回の事前学習で得た知識をベースに、当日はただ景色を眺めるだけでなく、独自の「問い」を立てて探究のプロセスを実践してきてほしいと思います。
6月16日(火)、普通科2年生「郷土探究」分野別講演会が開催されました。普通科2・3年生の探究活動、通称「郷土探究」は、令和元年度2年生から都城市役所のバックアップを受けながら実施されている探究活動です。地域の課題を生徒目線で探究し、最終的には都城市に向けてプレゼンテーションを行う、課題解決型探究活動です。
4月から、市役所からご提示いただいた9つの分野について学びを深め、5月には探究分野を決定、その後分野別に課題や疑問点などを整理する活動を行い、本日、「分野別講演会」に臨みました。
市役所担当者様からのスライドを使用した説明を受け、市も自分たちと同じ課題を感じているという事柄もあれば、全く異なる次元の課題解決に挑んでいる実態等を知ることができ、新たな気づきをたくさんいただきました。
生徒は今後、4名を上限としたグループに分かれて探究活動をスタートさせます。自分たちのアイディアで、誰かの暮らしが良くなるかもしれない、都城市がより住みやすくなるかもしれない、という思いを胸に、探究活動に励んでもらいたいと思います。都城市役所の皆様、本日はありがとうございました。
本校では7月に、えびの市の「月の木川橋(めがね橋)」や「享保太鼓橋」などを訪れるフィールドワーク(テーマ:加久藤カルデラ噴火の痕跡、橋の構造、用水路と農業について知る)を予定しています。
この事前学習として、6月12日(金)に宮崎大学農学部の竹下伸一先生をお招きし、『地質が造る水路の景色 ~高千穂・えびの・都城~』と題した特別講義を行っていただきました。
■巨大噴火がもたらした「シラス台地」と水利用の課題
高千穂、えびの、都城には、過去の巨大なカルデラ噴火(破局噴火)によってできた「シラス台地(火砕流台地)」という共通の地質環境があります。
えびの市(加久藤盆地)は約33〜34万年前の噴火による陥没地形であり、複雑な火砕流堆積物で構成されています。この地質は豊かな温泉などの恵みをもたらした一方、台地上は「水がたまりにくく、農業用水の確保が極めて困難」という大きな課題を先人たちに突きつけました。
■用水路愛あふれる先生が紐解く、先人の知恵「享保用水」
この困難を克服するため、江戸時代の1732年に開削されたのが「享保(きょうほう)用水」です。
用水路を知り尽くした竹下先生からは、フィールドワークに向けた見どころとして「高低差がほとんどない平坦な台地に水を届けるため、用水路があえて大きく迂回しながら造られていること」を教えていただきました。非効率に見えるルートにこそ、先人たちの緻密な計算と知恵が詰まっています。
そして、その水路を渡すために造られた石造りの美しいアーチ橋が、今回私たちが訪れる国の登録有形文化財「月の木川橋」と「享保太鼓橋」です。
■フィールドワークに向けて
ただの「古い橋や水路」に見える景色も、地球のダイナミックな歴史と先人の情熱、そして先生のようなマニアを虜にする魅力が詰まった最高の教材です。今回の学びを胸に、現地でたくさんの「なぜ?」を発見してきてほしいと思います。
■最後に
第36回宮日出版文化賞を受賞された先生の著書『高千穂山腹用水路 探訪ガイドブック』もご紹介いただき、地域の新しい魅力に触れる時間となりました。
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5月30日、本校の生徒チームがオンラインで開催された「SDGs QUEST みらい甲子園 全国交流会2026」に出場しました。この交流会は、全国2,816チームのエントリーの中から各エリアの最優秀賞に選ばれた22チームのみが集う貴重な舞台です。
本校チームは、「ダイラタンシー」の研究を社会課題解決に繋げるアイデアについて、2分間の「弾丸ショートプレゼン」を情熱的に行いました。その後のワークショップでは、専門家や全国の仲間からアドバイスを受け、探究を深めるための大きな刺激を得ることができました。
生徒たちは、6月27日に東京・渋谷で開催される対面イベント「Future Session 2026」に向けて、さらにアイデアを磨いています。未来を創るリーダーとして躍動する彼らの応援を、引き続きよろしくお願いいたします。
5月19日(火)、理数科1年生を対象にフィールドワークを実施しました。
今回は、霧島ジオパーク推進連絡協議会事務局の石川徹様を講師にお迎えし、都城盆地の成り立ちや地質・地形と、私たちの現在の暮らしとの関わりについて深く学びました。
今回のフィールドワークの目的は以下の2点です。
①科学者に必要な資質・能力や「科学的探究プロセス(テーマ設定→仮説→実験・観察→考察)」を体験を通して身につけること。
②次年度から本格化する課題研究「SSR(スーパーサイエンスリサーチ)」を見据え、霧島ジオパークを舞台に地元発信の「科学の種」を獲得すること。
生徒たちは1日をかけて4つのスポットを巡り、熱心に観察を行いました。
■ 金御岳公園:都城盆地を見渡し、大地の歴史を推理する
金御岳(かねみだけ)公園では、眼下に広がる都城盆地の地形・地質の特徴を確認しました。駐車場付近にある約4000万年前の砂岩でできた地層を観察した生徒たちからは、「昔はここが海だったのではないか?」「どのようにして隆起したのだろう?」といった、鋭い疑問が次々と生まれていました。
■ 母智丘神社:広大なシラス台地と、先人の知恵を学ぶ
母智丘(もちお)神社では、かつて湖だった都城盆地が、火山の噴火による火砕流堆積物(シラス)によって埋め尽くされた歴史を学びました。また、その厄介ものとも言われるシラスをうまく活用して農業が行われていることも知りました。生徒たちは、目の前の広大な土地を埋め尽くすほどの火砕流の規模に圧倒されながら、自然の迫力と先人の知恵を実感していました。
■ 関之尾滝:壮大な自然の造形美と、用水路への問いを立てる
関之尾滝では、加久藤(かくとう)カルデラの噴出物が固まった「溶結凝灰岩」が、長い年月をかけて水に浸食された様子を観察しました。上流にある世界最大級の甌穴(おうけつ)群(国指定天然記念物)を目の当たりにし、自然の力の壮大さを体感。さらに、その傍ら(かたわら)にある用水路にも目を向け、「なぜこの場所に用水路があるのか?」「どのように使われていたのか?」といった、新たな問いを自分たちで立てていました。
■ 溝ノ口洞穴:ミステリアスな洞穴で、仮説をぶつけ合う
最後に訪れた溝ノ口洞穴では、シラス層が地下水によって浸食されてできた神秘的な空間を観察しました。洞穴の内部に見られる正体不明の穴を発見した生徒たちは、「どうやってできたのか?」「もしかしてこうではないか?」など、講師の石川様に積極的に質問しながら、自分なりの疑問や仮説を膨らませていました。
今回のフィールドワークを通して生徒たちは、普段見慣れている景色でも「見方を変える」ことで様々な事実が見えてきたり、新しい疑問が湧いたりすることを肌で体験しました。また、大自然の営みと私たちの日常生活が密接に関わっていることを考える、貴重な機会となりました。
ここで得たたくさんの「科学の種」をもとに、これからのSSR(スーパーサイエンスリサーチ)をはじめとする探究活動がどのように発展していくのか、今後の活躍を楽しみにしています。
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令和7年度第12回「宮崎県高等学校理数科課題研究発表大会」が、宮崎西高校にて開催されました。
本校からは、理数科2年生SSR校内代表選考会で選出された、数学分野「パスカルの三角形の発展」と、生物分野「ヤマビルの吸血可能な部位の選定方法」の2班が発表しました。
審査員からは、数学分野では研究に取り組んだきっかけや研究過程で見いだした規則性、今後の発展可能性について、生物分野では吸血行動のきっかけ(トリガー)となる刺激や条件について質問がありました。両班とも落ち着いて堂々と発表し、質疑にも的確に対応することができました。
審査結果は以下の通りです
カテゴリーA 最優秀賞「パスカルの三角形の発展」班
カテゴリーB 優秀賞 「ヤマビルの吸血可能な部位の選定方法」班
なお、「パスカルの三角形の発展」班は、来年度8月に沖縄で開催される中国四国九州理数科課題研究発表大会に、プレゼンテーション発表として参加します。