#図書館の日常
古本市売上金の寄付先を決定
9月6日(金)の朝陽祭文化の部で図書委員会主催の古本市を実施しました。
今年の売上金は、41,100円でした。毎年恒例のこの古本市、今回もたくさんの人が足を運んでくれました。
本と人との新たな出会いがあちらこちらで生まれる楽しくホットな時間でした。
26日(水)の各種委員会で、売上金の寄付先を以下の二カ所に決めました。
一カ所は、令和6年度台風10号災害義援金として宮崎市へ。
もう一カ所は、公益財団法人宮崎県視覚障害者福祉協会へ。「読むこと」は、すべての人が公平に行える環境・状況
であることが大切です。「読書バリアフリー法」も施行され、まだまだ社会的に認知度は低いのですが、ハンディの
あるなしに関わらず、読書を楽しむ権利を保障する福祉のお手伝いを寄附をすることを通して、若い彼らの気づきの
一助になれば幸いだと思います。
それにしても、本校の図書委員会は、フレキシブルかつアグレッシブな頼もしき委員会なのです。
中学探究支援
9月20日(金)2,3時間目、中学3年生の探究の時間に情報収集レクチャーを行いました。
3年生は、来月種子島・屋久島研修に行きます。屋久島の「植生」について調べる事前授業の支援をしました。
情報収集をするにあたり、知っておくといい「技」の説明を行いました。
まずは研修目的を理解すること。与えられたテーマは「植生」:ここで該当する本の分類を伝えます。
参考図書コーナーには調べるための本がそろえてあること、事典や図鑑等で全体としての概説的なことを抑える。
これは見落とされがちなのですが、とても大切なポイントです。
そのうえで、自然科学分野の植物47から始まる分類、植物が生息する条件つまり環境(気候、地形等)を知るために
は地学45から始まる分類、また地理291も。
また、インターネット検索もどのようなキーワードを入力するかでヒットするサイトは変わること。その上で、
官公庁のサイトを活用するとよい(鹿児島県庁、林野庁内の九州森林管理局など)こと。
情報収集した本やサイトの参考文献を記録しておくことなどを説明し、活動へ移っていきました。
何より、調べる対象を絞り込む過程、あるいは絞り込んでから「どうして○○は、こんなに群生しているのだろう?」という「問い」を抱き続けることと、それに対する「仮説」をその時々の自分たちのなかに持つことが、調査を進める上で重要になっていきます。さらには調べたことを現地調査を通して実感する体験は、研究の小さな小さな芽が自分のなかで育つ貴重な機会になることでしょう。
9月13日(金)ビブリオバトル校内選考会を実施しました。
来月12日(土)に行われる第9回宮崎県高等学校ビブリオバトル大会の本校代表を決めるための
校内選考会を図書閲覧室で行いました。よびかけたところ、2人の参加希望がありました。
ビブリオバトルの公式ルールに則り、図書委員の進行で実施しました。
①5分間 本の紹介
②2~3分間 ディスカッションタイム(質疑応答)
③終了後、チャンプ本決定
当日は、オーディエンスとして参加してくれたみなさんを引き込むような2人のトークでした。
今回、チャンプ本になったのは伊坂幸太郎著『ゴールデンスランバー』(新潮社)。
惜しくも逃しましたが、もう1冊は中山七里著『総理にされた男』(宝島社)。
どちらの本も、政治の世界を舞台に展開していくストーリーをバトラーから導いてもらえたいい時間となりました。
参加してくれた2人のバトラーそして、オーディエンスのみなさん、有り難うございました。
10月12日(土)午後1時からの県大会でも『ゴールデンスランバー』の魅力を本に変わって伝えてください。
宮崎県立図書館と本校図書委員会の連携
県立図書館といえば、県民一人ひとりに寄り添うパブリックライブラリー。
6月に高校生と連携した企画展示コーナー作成の協力を依頼され実現しました。
多くの県民が利用するその空間で、10代の高校生たちが本を通して社会とつながる機会。
6月の図書館通信Victoryでも参加の呼びかけをしました。(Victory No.3を見て下さい)
コラボ企画に参加してくれたのは高校1,2年生の有志9名(うち8名は図書委員)です。
いつでもどんなときでも忙しい西高生ですが、それぞれが時間を見つけてアイデアを出し合い、企画、制作しました。
企画内容は、①西高生の心を掴んだ一冊~人生を変える一去るにあなたも会えるかも?~
②私の人生はココで変わった!~そんな一冊をあなたも一緒にのぞいてみませんか?(私の読書体験記)
③道の我を求めて 西高探究図書コーナー~あなたの「なぜ?」を一緒に解決してくれる本が待っている!
④西高図書委員はこんな活動をしています(委員会活動)
さまざまな工夫をこらした展示コーナーとなっています。
ぜひ、県立図書館へ足を運んで下さいね。
【展示期間】9月10日(火)~10月14日(月)
【展示場所】県立図書館1階閲覧室(企画展示コーナー)
高2保健:「社会生活と健康」授業支援①
この単元を通して、生徒たちは自分のテーマを設定し、情報収集し、情報の整理・分析を行い、まとめ(パワーポイントやA4レポートなど)、プレゼンテーションをし、評価するという探究学習の一連の流れに沿って学びを深めていきます。
図書館は、昨年度からこの単元の授業支援(協働)を行っています。
それまで、生徒の調べる活動は「WEB情報(インターネット)」一辺倒だったそうです。学校司書の常駐とともに、図書資料を活用させたいという担当教諭からの相談が
あり実現することができました。
2年目の今年度は、昨年度の生徒たちの様子から見えた課題をもとに担当教諭との事前の打ち合わせを密に行うことで新たな取り組みも取り入れました。
ところで、生徒の要求に応えうる資料の充実は、図書館の心臓(核)でもあります。
設定テーマから必要な情報源がどの程度本校蔵書にあるかという洗い出しから、不足分は宮崎県立図書館のマイラインサービスをフル活用し、補うことができました。
豊富な情報資源を借りることで、本校の蔵書コレクションに追加する資料の購入にもつながりました。
さて、今回図書館が行った新たな授業支援は「おためし読書(本の回転ずし)」と「点検読書」です。ざっくりとテーマ設定をしてはいますが、あらかじめ収集していた
関連図書を一人1冊(別のクラスは3冊)手元に用意し、5分間点検読書する。それから
ワークシートに出典(書名、著者名、出版社名)、NDC、評価(読みたい度5段階)を記入し、次の本を同じように点検読書するという内容です。
*50分の時間で少なくとも4,5冊の本と出会う
*その本の情報を短い時間のなかで少しでも読み取る方法を知る
*情報の出典を明らかにする
この3つの目的を生徒たちに達成してもらうのがねらいです。
授業を通して、日ごろ手にすることのない資料(情報)と出会い、知識を得ることは
もちろんですが、新たな世界の扉を開けることで自分の世界が広がることにもつながります。もしかしたら、そこで興味の種を拾うことになるかもしれません。
次回は、デジタルコンテンツの活用についてレクチャーする予定です。