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全校道徳の授業を行いました。

 先日、延岡の語り部「萌ぎの会」の山内文代さんから、一冊の本を寄贈していただきました。その本の題名は、「うちの母ちゃん 手が無(ね)っちゃが ~神様、母ちゃんの手が生えてきますように~」

 著者の山内文代さんとは、・・・


 昭和24年、宮崎県東臼杵郡北方町に生まれる。学校卒業後、マラソンなどで有名な旭化成延岡工場に就職。18歳の春、就労中に右腕を機械のローラーに挟まれ、肩から切断する大事故に遭う。一時は自殺まで考えたが、周囲の励ましもあり見事職場復帰を果たし、健常者に混じっての電話対応コンクールで優勝するなどの活躍を見せる。29歳で結婚し、2人の男の子に恵まれた。平成12年からは、「障害者の自分を温かく見守ってくれた社会に恩返しがしたい」との考えからボランティア活動に専念。現在、人生講話講師として、自らの経験を子供たちに伝えることにより、障害者と健常者の架け橋になるべく、県内の学校を中心に精力的な講話活動を行っている。(山内文代オフィシャルブログより)


 2月28日(火)の4時間目、この本を題材にして、全校生徒で学ぶ道徳の時間を実施しました。生徒たちは、実際に利き手と反対の手で名前を書いたり、折り紙で鶴を折ったりする体験を行い、その不便さ、苦労を実感していました。そして、山内さんの書かれた文章を通してその人生をたどり、その時々の山内さんの心情を自分に重ねながら深く考えていました。生徒の感想を一部抜粋で紹介します。


「一番つらかったことが、『我が子を両手で抱きしめられないこと』というところが、心に残りました。」

「自分だったら絶望してしまうような状況でも、仕事や家事なども頑張っていて、とてもすごいと思いました。」

「私は、当たり前のことにこそ感謝をし、大切にしたいと思いました。」

「常にあきらめず、前向きにチャレンジをする姿に感動しました。これから、『やればできる』と思って、あきらめずに何事も取り組みたいです。」


 生徒たちがこれから歩んでいく人生には、様々な困難が立ちふさがることと思います。その時、今回の授業で学んだことを生かして、前向きに、そしてたくましく歩んでいってほしいと思います。貴重な学びの機会を与えていただいた山内様に感謝申し上げます。本当にありがとうございました。