延岡高校SSH特例科目の概要

SSH校では文部科学省に定められた範囲内で、学習指導要領等の教育課程の基準によらない特別の教育課程の編成・実施が認められています。本校のSSH特例科目を紹介します。
 
Ⅰ期(令和2年度入学生から令和6年度入学生対象)
 

適用範囲・対象

 

開設科目

 

開設学年

 

単位数

 

 

全学科

 

 

SDGsフィールドワーク

 

 

1年

 

 

1単位

 

 

 

 

プレ課題研究

 

1

 

1単位

 

 

課題研究プレゼンテーション

 

3

 

1単位

 

 

普通科

 

SDGs課題研究

 

2

 

2単位のうち1単位

 

 

MS

 

 

STI課題研究

 

 

 

2

 

 

 

2単位

 

 

 
 

 

 

 

 

Ⅱ期(令和7年度1年生から)

 

学科・コース

開設する教科・科目等

単位数
全学科1年次 SS課題研究Ⅰ 1
全学科1年次 プレゼンテーション英語Ⅰ 1
普通科2年次 GS課題研究Ⅱ 2
MS科2年次 MS課題研究Ⅱ 2
全学科3年次 プレゼンテーション英語Ⅱ 1
SS課題研究Ⅰ(令和7年度1年生~)

<目的>

地域の専門家や大人たちといっしょに、地域の問題について科学的な視点から学ぶ活動を、これからも続けてさらに良くしていきます。こうした活動を通して、生徒が「自分から進んで調べてみたい」という気持ちを持てるようにします。

また、科学や技術、環境、社会のことなどについて、広い分野の基本的な知識を学び、研究のやり方も身につけていきます。

さらに、1期(これまでの活動)をふり返りながら、地域の問題を自分ごととしてしっかり感じとれるようにし、それをもとに2年生で行う課題研究のテーマを考えやすくします。

 

 

<期待される成果>

  • 新しい科学的な見方を学ぶことで、科学に対して前向きな気持ちを持てるようになる。

  • 生徒たちが自分で課題を見つけたいと思う気持ちが高まり、科学に対する興味や関心も強くなる。

  • 目の前で起こっていることを科学的に説明したり、データや証拠をもとに考える力が伸びる。

  • 普段の授業の中でも、「なぜ?」「どうして?」と考えるような探究的な学びが増えていく。

 

<内容>

Ⅰ期で行っていた「プレ課題研究(研究の準備)」を見直し、週1回の授業として行います。また、これまで授業として行っていた「フィールドワーク(現地調査)」は、学校行事の「のべたかSALK」として実施します。これによって授業の時間は少し減りましたが、内容はほとんど変わらずに続けられます。

さらに、「のべたかSALK」が終わったあとすぐに、「SS課題研究Ⅰ」の授業でふり返りを行うことで、地域の課題についてより深く理解し、自分なりの課題を見つけることにつながります。

 

Ⅱ期では以下のように進めていきます:

 

  • 1学期:小さな研究「ミニ課題研究」で、研究のやり方を学ぶ

  • 2学期:「のべたかSALK」に関する準備や終わったあとのふり返りを行う

  • 3学期:アイディアを出すトレーニングをして、自分の研究テーマを決める
    その後、似たテーマを持つ人どうしでグループを作ります。

 

Ⅰ期では、フィールドワークがまだ終わっていないうちにテーマを決めていたため、現地調査と研究テーマがうまくつながらないことがありました。Ⅱ期では、テーマ決めを3学期に行うことで、実際に見たり聞いたりしたことと、自分の研究をしっかり結びつけることができると考えています。そうすることで、「のべたかSALK」で学んだことを活かした研究テーマが、2年生でより多く生まれることが期待されます。

 

<実施内容>

ア ミニ課題研究

全ての学科・全ての生徒を、数学・物理・化学・生物の4つのグループに分けて、探究活動に必要な「研究の基本的なやり方」を6時間かけて学びます。

ミニ課題研究では、先生たちがあらかじめ用意したテーマや進め方にそって、同じテーマに興味を持つ生徒どうしで班を作って研究を進めます。

班のメンバーと協力しながら研究を行い、最後にはポスターを作って研究内容を発表します。

 

イ 学校行事「のべたかSALK」に関する事前・事後学習

これまで普通科とMS科の授業の中で行っていたフィールドワーク(現地調査)を、今後は学校行事として実施することにしました。

それに合わせて、「SS課題研究Ⅰ」の授業では、行事の前に「工業の町・延岡」で働く企業や団体がどんな問題をかかえているかを考えます。そして、行事が終わったあとは「のべたかSALK」のふり返りを行い、その経験をもとに、2年生で行う課題研究のテーマ決めに活かせるようにします。


 

 

プレゼンテーション英語Ⅰ(令和7年度1年生~)

<目的>

「工業の町・延岡(のべおか)」について科学的に学びながら、地域の人たちと協力して、自分たちで未来を切りひらいていける力を持つ人を育てることを目指しています。その中でも、「延岡から世界に向けて情報を発信し、交流し、新しいものを生み出せる科学技術の人材」を育てることを大きな目標としています。

そのために、生徒たちがとくに身につけたいと考えている「英語でのコミュニケーション力」や「発表する力(プレゼン力)」をしっかり伸ばしていきます。これらの力を自信をもって使えるようになると、外国の生徒たちと行う発表会などにも、すすんで参加できるようになります。こうした経験を通して、「国際的な感覚(グローバルな視野)」を育てていきます。

Ⅰ期(過去の5年間)では、3年生に「課題研究プレゼンテーション」の授業を行い、英語で研究を発表する方法を教えました。その結果、生徒の英語プレゼンは大きく成長し、大学の先生からも高く評価されました。ただし、質疑応答(質問と答えのやりとり)では、その場で話すことになるため、考え方の筋道が少しわかりにくくなるという指摘もありました。

これからのⅡ期では、1年生のときから生徒一人ひとりの理解度に合わせて、長い時間をかけてじっくりと教えていくことで、英語でのプレゼン力をさらに伸ばしていく予定です。

 

<期待される成果>

英語でプレゼンテーションをする機会をたくさん持ち、その内容のレベルを上げていくことで、生徒たちは自信をつけていきます。その自信をもとに、外国の生徒との発表や交流の場にも、自分から積極的に参加できるようになります。

また、国際的な学会やシンポジウムを「見に行くだけ」でなく、「自分も発表してみたい」という気持ちや関心も高まっていきます。

こうした経験を通して、「海外で学びたい」「海外で働いてみたい」と思う生徒が増え、世界で活やくできる科学技術の力をもった人材を育てていくことができます。

 

MS科SDGsフィールドワーク 1年次1単位

目的

SDGsに対する地域の企業や団体の取り組みを知り,SDGsを達成するためには特定の教科・科目だけでなく,それらを組み合わせる必要性を学び,将来的な精緻化方略の重要性を認識することを目標としています。


授業内容

日付(令和2年~3年)

 

内容(太字の番号は次項以降と対応)

 

4月20日()

 

オリエンテーション

 

5月18日()

 

本校運営指導委員の水永様による講演

 

5月25日()

 

本校運営指導委員の大爺様による講演

 

6月8日(),15日()

 

22日(),29日()

 

SDGsについての授業

 

7月13日()

 

東郷メディキット中島様による講演

 

9月14日()

 

メンターの方との顔合わせ

 

9月28日(),10月5日()

 

探究活動(計画作成)

 

10月14日()

 

メンターの方による指導日

 

10月19日(),26日()

 

11月2日(),6日()(2時間分),

 

9日(),16日()

 

探究活動(実験等開始)

 

11月30日()

 

メンターの方による指導日

 

12月4日(金)

 

ポスター作成および発表についての説明会

 

12月7日()

 

探究活動

 

12月21日()(2時間分)

 

探究活動or 清本鐵工訪問

 

1月18日(),25日()

 

2月1日()

 

ポスター作成

 

2月5日()(4時間分)

 

ポスター発表会

 

2月15日(),22日()

 

3月8日()

 

ポスター発表会および年間の振り返り(予定)

 




清本鐵工でのフィールドワーク


メンターによる指導

普通科SDGsフィールドワーク 1年次1単位

普通科
SDGsに取り組む団体や企業を3コースに分け,各コースを1日(7時間換算)かけて1年普通科生徒全員で訪問するフィールドワークを3日間行っています。

内容

 

配当時間

 

オリエンテーション

 

2

 

Natural Science コースでのフィールドワーク

 

7

 

Medical Science コースでのフィールドワーク

 

7

 

Engineering コースでのフィールドワーク

 

7

 

各コースに対する事前学習

 

1×3

 

各コースに対する振り返り

 

1×3

 

ポスター作成

 

3

 

発表

 

3

 



家田湿原でのナチュラルサイエンスコース


九州保健福祉大学でのメディカルサイエンスコース


旭化成株式会社様による実習(エンジニアリングコース)

プレ課題研究 1年次1単位

目的
自ら問いを立て,研究テーマを設定し,教員からのフィードバックによって科学的な態度を身につけています

内容

時期 内容
4月 オリエンテーション
4月~ 6月 ミニ課題研究(6時間)
6月~ 7月 アイデア捻出トレーニング(3時間)
9月~ 12月

研究計画

 ・研究テーマの強化

 ・科目への割り振り

 ・研究班編制

 ・研究テーマ設定

 ・研究計画立案

12月~ 2月

研究計画プレゼン作成・発表練習

2月

研究計画プレゼン予選

研究計画プレゼン

3月 企業人による講話


ミニ課題研究の様子








SDGs課題研究 普通科2年次2単位

令和3年度開始

1年次に決定した研究テーマおよび研究計画に従い,SDGsの視座から地域の課題解決に取り組む。その活動の中で論理的な思考力や広い視野を育成しています。研究テーマは自然科学に加えて、社会科学や人文科学に関するものも含まれます。

ポスターセッションの様子


研究テーマ

 

科目 研究タイトル
物理 目指せ、最強キッカーへの道
物理 1/f ゆらぎ
物理 紙飛行機が一番飛ぶ条件とは?
物理 摩擦で火を起こそう
物理 紙飛行機
物理 パンチングマスター
化学 CM
化学 透明な氷を作ろう
化学 バター・マーガリン作り方
化学 カイロを作ろう
化学 これからの寒い季節にWITH KAIRO
化学 炎彩絵具
化学 目指せ!割れないシャボン玉
化学 iPhone充電
生物 アリの不思議
生物 水を使わずに植物を育てることができるのか!?
生物 花の色の違いについて
生物 海洋生物と薬
生物 三つ葉を変身させよう!
生物 日焼けのしくみについて知ろう!
生物 外来種は何しに日本へ?
生物 昆虫食
生物 めざせ!コンビニスイーツ
数学 効率の良い清掃法
数学 占い師
数学 エチケット攻略法
数学 最速登校術
数学 ○×ゲーム不敗法
数学 COMFORTABLE and CONVENIENT LIFE
数学 美人
その他 睡眠と記憶力
その他 明治~昭和にかけての言葉の移り変わり
その他 図書館を建築しよう
その他 宗教の歴史
その他 構造的 力について
その他 経済の動向を予測しよう
その他 Origin of Alphabet(英語)
その他 発電×異常気象
その他 心理学 ~獲得的セルフハンディキャッピングについて~
その他 ヨーロピアンフード
その他 Emotional melody
その他 平和をつくる心理学
その他 欧米の観光と延岡の観光
STI課題研究 MS科2年次2単位

令和3年度開始

1年次に決定した研究テーマおよび研究計画に従い,STI for SDGs 人材」にふさわしい自然科学をテーマとして課題研究を行い,その活動の中で論理的な思考力や広い視野を育成しています。

ポスターセッションの様子


研究テーマ

 

科目 研究タイトル
物理 テーブルクロス引きを成功させるには
物理 夢を叶えて ドラえもん
物理 最強のゴム鉄砲を作りたい
物理 ペットボトルロケット
物理 斜方投射を使った実験
化学 この水、温めますか
化学 あたためスイッチON! ~最高のエコカイロを求めて~
化学 日焼け止めをつくろう
化学 スクイズボトル
化学 二次電池をもっと身近に
化学 豆腐はどこまで硬くできるのか
化学 メイラード反応 ~おいしさの探究~
生物 微生物と水質
生物 植物の植物による植物のため感染対策
生物 虫zero防虫剤をつくろう
生物 昆虫に苦手意識のある人でも食べられる昆虫食を作る!
数学 Black board
数学 できるだけ瞬間移動
数学 PKせん?
数学 ジェンダー平等による人口の推移
数学 グラフアート ~歴史を数学する~
数学 あなたは何本の木を救えますか?
課題研究プレゼンテーション 3年次1単位

令和4年度開始

1・2年次に行った研究を,県内大会(MSEC(みやざきSDGs教育コンソーシアム)フォーラム)で発表します。最終的には,県外や海外の大会で発表できる研究発表を目指しています。日本語による論文及び英語による要約を完成させ,研究内容を地元の多くの人に知ってもらい評価を受けることによって,研究活動のまとめとします。


令和2年度MSECフォーラム(オンライン開催)の様子

 



生徒が作成した英文でのポスター(令和2年度全国SSH研究発表大会出品)