学校長メッセージ

令和5年度 3学期始業式

 皆さん、新年明けましておめでとうございます。
 2学期終業式では、新年を迎えるにあたり「新たな目標を立てましょう。」という話をしましたが、新年の目標は立てたでしょうか。1年の計は元旦にありと言います。今年こそインターハイに出場するとか、簿記検定2級・電気工事士1種・危険物取扱者乙種にチャレンジするとか、必ず介護福祉士国家試験に合格するとか、是非、具体的な目標を立てて3学期に臨んで欲しいと思います。

 さて、今年はお正月から能登半島地震、日航機と海保機との衝突事故、北九州市飲食店街火災と、日本全体としては大変厳しいスタートとなりました。亡くなられた方々へのご冥福をお祈りするとともに、被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。
 能登半島地震では、これまでに知られている活断層のずれによる地震ではないと言われています。まさに想定外です。また、航空機の衝突事故についても、これだけITが発達しても最終的にはパイロットが視認しなければならないというアナログの現実。おそらく被害に遭われた方々は皆、想定外の出来事と思ったに違いありません。私たちは、これらの経験を自分事として捉え、災害に備える必要があります。想定外も想定内として捉える必要があると言うことです。

 スポーツも一緒だと思います。箱根駅伝では記録的に見ても我々は絶対に超えられないと自負していた駒澤大学は、3区の大学№1と言われたエース佐藤選手が青山学院大学の太田選手に追い抜かれ、チーム全体が精神的にダメージを受けて後退してしまいました。「もしエースにブレーキがかかったら・・・。」という最悪を想定していたら結果は変わっていたかもしれません。想定を超えたところでチームをどのように立て直すかという準備もしておく必要があると言うことです。
 また勉強も一緒です。「まさかこの問題がでるとは思いもしなかった。」という経験をした人も多数いると思います。わずか40問の問題でも1問も落とさないという強い気持ちを持って、1年間かけて何千問も何万問も問題を解いた結果が、山﨑君の文部科学大臣賞(農業クラブ全国大会・農業鑑定競技会「最優秀賞」)ではなかったかと思います。まさに想定を超えた努力の賜だったと思います。
 防災でもスポーツでも勉強でも危機意識をしっかりと持って、万事に備えることが大切です。皆さんも日頃から想定外に備える対策を怠らないようにしておいてください。

 最後に、3学期は1年間の集大成となる学期であるとともに、次の年度へ向けた大切な準備期間となります。将来の自分のあるべき姿をイメージしながら、これまでの高校生活を振り返り、将来のために、今、何に取り組むべきかを考え、大切な時間を有効に使って欲しいと思います。戦後活躍した日本の教育者・哲学者である安岡正篤が、「縁尋機妙(えんじんきみょう)」、「多逢聖因(たほうしょういん)」という言葉を残しました。「良い縁が良い縁を尋ねて発展していく。」、「いい人と交わっていると良い結果に恵まれる。」という意味です。3年生はこの3年間で得た出会いや縁を大切にし、残された学校生活を1日1日を大切に過ごしてください。また、1,2年生も来年度につながる充実した学期となるよう期待しています。


令和6年1月9日 日南振徳高等学校長