部活動

2015年10月の記事一覧

非同期(asynchronous)

 先週末は県内の多くの中学校が文化発表会のため県選抜チームの練習がなく、約2ヶ月ぶりに週末にチームの練習や練習試合を見ることができました。

 土曜日の練習では、平日行っているメニューをどのような意識で行うのか、何がポイントなのか、これができるようになると個人としてチームとしてどのようにプレーの幅が広がるのかなどについて話をしながらじっくりと行いました。この単調な基本練習を地道に行うことが一番大切で、そして一番難しいことなので、一つ一つ丁寧に取り組んでほしいと思います。
 また、秋の県大会までに目指すバレーとJA杯までに目指すバレー、夏の県大会までに目指すバレーを具体的に提示し、秋の県大会に向けて必要なスパイクのテンポをシンクロさせる練習に多くの時間を費やしました。最近まったくスパイクが打ち込めておらず、レシーブの上手なチームと対戦するとディグから切り替えされています。セッターを中心に、しっかりとしたサーブ・ブロック・レシーブからスパイカーが100%の力で打ち込む場面を多く作ることで、チームとしての一体感や盛り上がりを高め、少しでも攻めのバレーを展開するという気持ちを高めてくれることを期待しています。

 そのことを意識しての日曜日の本郷中との練習試合でしたが・・・。

 とりあえず最初の1セット目は、普段どのようにいつも練習試合に臨んでいるのかを観察しながら何も言わずに見ていました。その結果、25-19というスコアで、昨日意識したはずのシンクロ攻撃はたったの1回のみ!という内容でした。自分たちのバレーをしようとしている本郷中に対して、榎原中はただ勝っただけというまったく次につながらないゲームをしていました。
 シンクロ攻撃の要はやはりセッターである⑦です。しかしチームの求めるトスと⑦の感覚がまったくシンクロしません。セット間の練習でも弱気なままだったので、2セット目は4月以降初めてセッターを外して、それまでセッターをしたことがない選手と控えのレシーバーを入れてゲームをしました。当然オープンバレーしかできず、さらにトスも安定しないので出だしに大きく点差を離されたのですが、最終的には25-21でした。つまり、正セッターを中心としたシンクロバレーと今日初めてセッターをした選手のオープンバレーとでは、たったの2点の差しかなかったわけです。この状況を目の当たりにして、⑦はいったい何を思ったのでしょうか。この半年間⑦は何を練習してきたのでしょうか。⑦に榎原中のセッターとしてのプライドはないのでしょうか。
 以上のような話をして3・4セットに臨ませ、今度はできていないところを逐一指導しながらゲームを進めたところ、たくさんのシンクロ攻撃をしかけ、25-14、25-11で勝つことができました。できないことは問題ではなく、しないことが問題なのです。自分たちが目指すシンクロバレーの難しさをこれまでいかに甘く考えていたかが大きく現れた午前中でした。

 これでさすがに意識して取り組むだろうと思い、再度自分たちにすべてを任せた結果、昼休みを挟んだ午後のはじめは24-26でセットを落としました。内容も散々で、1-7からスタートし9-18となり、そこから帳尻あわせのように24-24で追いついて、最後はミスで終わるといったおきまりの感じです。当然シンクロ攻撃は全くできていません。
 その後少しは盛り返したものの、最後もピリッとしない内容で全10セットを終えました。結局この日は9勝1敗でしたが、内容が良かったセットはすべて細かい指導を受けていたセットでした。ぱっと見、8名ともとても一生懸命にやっているように見えます。しかし細かいところで構えをサボったり、声が出ていなかったり、サインミスをしたり、ポジションがずれていたりとまったくチームの約束事を徹底できていません。この少しずつのほころびが、連続失点と失セットにつながっているわけです。

 以上のような感じで、この週末は、平日の練習で意識させていたはずのことが、週末の練習や練習試合ではまったく意識できていない、意識していないことを再確認することができました。非常に残念で情けなく、またしても自分の指導力のなさを痛感させられました。
 下北沢成徳高校の小川先生の本に、叱ってばかりいると叱られないとできない選手になってしまうということが書いてありましたが、叱らないとやれない・やらないので、結局叱られることでしかギアを上げられない心の弱さを感じた一日となりました。

 
 本日には県大会の組み合わせも決まります。現在のこの非同期(asynchronous)な状態の榎原中としては、どこと対戦しても勝てる保証はまったくありません。とにかく最後のボールが落ちるまで、練習でやってきていることを、自分に甘えずにどこまで徹底できるか、チームのためにどこまで徹底できるか。8+2名の気持ちを少しでも同期(synchronous)させて、残り12日、気持ちを入れかえて練習に励んでほしいと思います。

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