部活動

2016年10月の記事一覧

声だしの効果

 2学期が始まって1ヶ月が経ちましたが、今年は私がJOC宮崎県選抜チームの監督を務めさせていただくことになり、その他の業務も含めて、非常に慌ただしい毎日が続いています。今回の“声だしの効果”という内容も、1ヶ月前に途中まで書いていたのですが、今回やっとアップすることができるというような状況です。

 榎原中の場合は、日々の生活からほとんど一緒に生活していますので、様々な場面でそろえたり、まとまったりする場面が多く、そのことがバレーボールにも大きく繋がっています。当然、逆に学校生活の中でこのようなことができていないと、その影響もとても大きなものになります。気持ちをそろえるためには、まずは形からと言うことで、あいさつや礼儀作法なども当然そろえますが、一番口を酸っぱくして言っていることが声を出すことです。声を出しさえすれば試合に勝てるのかというと、もちろんそうではありません。しかし、声を効果的に出すことで、試合の流れが大きく変わったり、自分やチームのプレーが良くなったりすることは事実です。では声だしにはどのような科学的な効果があるのかということについて、調べてみました。

 スポーツにおいて声を出すことによる効果は非常に大きいということです。大きいどころか、声を出さないプレーヤーが上達することはない、といってもいいほどです。これには、スポーツ心理学や運動生理学から見た「科学的効果」、「精神的効果」に加え、「実質的効果」までの根拠があるのです。

『科学的効果』

 ・大きな声(特にシャウト)を出すことで、神経系における運動制御の抑制レベルをはずし、筋肉の限界値まで力を発揮させる効果、つまり声を出すことによって自分のパフォーマンスを最大限に近づける効果が期待できる(声はもう1つの筋肉、と言われています)

・声を出すことによって、一時的に呼吸が深くなり断続的な深呼吸をしているのと同じ状態になる、つまり心肺機能を高め、集中力、ネバリ、持続力が向上する

 

『精神的効果』

・やる気、気合い、意気込みを高める

・励まし効果(自分、仲間)

・セルフトークによる自己暗示効果

→自分自身に声をかけることで、”勇気づける”、”精神的なゆとりを与える”、”理想的なパフォーマンスを実現させる”などプラスの効果が期待できる

 

『実質的効果』

・チームプレーにおける意思疎通(リズム・タイミング)

・危険防止(存在認知、接触の回避)

・声を出すことによって、自分たち独自の空間(空気)を創り上げる(一体感)

 このように、声だしには以上のような科学的効果があります。私が伝えていたことは、①自分がこれから何をするのか、今何を考えているのかを確認する ②相手情報の確認をすることで、相手チームにプレッシャーを与え、自分たちがやるべきことを共有する ③自分やチームの気持ちを高めてパフォーマンスを上げる ということですが、声だしの効果が学術的にも実証されているということなので、高さやパワー、技術は他チームに劣っている榎原中は、この誰でもやろうと思えばできる声だしだけは最低でも県トップでなければ、目標である全国大会出場は夢のまた夢となります。

 地区大会もすべて終了し、県大会に出場するチームはこれからが本番ということで練習にも熱が入っているところだと思います。榎原中もそのチーム以上の気持ちで練習に取り組んでほしいと思います。

0

第11回南那珂地区中学校秋季体育大会

 明日から10月に入り、今年度も本日で半分が過ぎましたが、先週末、第11回南那珂地区中学校秋季体育大会が行われました。男子は4チームの参加だったので、2日間に分けて総当たりで試合が行われました。結果は以下の通りです。

1勝2敗(3位)
榎原中 2(25-12,25-8)0 北郷小中
榎原中 1(25-19,17-25,18-25)2 吾田中
榎原中 0(23-25,20-25)2 福島中

 というわけで、残念ながら3位となり、県大会出場権を逃すという、とても残念な結果となってしまいました。

 この代の南那珂地区は、2年生が小学校時代に全国3位だった福島中はもちろんのこと、去年からレギュラーだった2年生に、県1位の1年生エースとセッターが加入した吾田中も県トップレベルの力があり、非常にレベルの高い激戦区になっています。そんな厳しい地区大会でしたが、榎原中はもちろん優勝を目指して強い気持ちで大会に臨みました。

 初戦の北郷小中戦を勝利し、まずは県大会出場をかけての吾田中戦に集中していましたが、優勝候補の福島中が吾田中にストレートで敗れるという波乱?がおきました。福島中はエースを欠いていたこともありますが、吾田中の雰囲気が良く、勢いに飲まれる形の試合となりました。そんなわけで、榎原中は、福島中を倒し、勝てば県大会出場と優勝がほぼ決まるというとても勢いのある吾田中との試合を迎えました。
 第1セットは、しっかりとプラン通りに試合を進めることができ、危なげなくセットを奪うことができたのですが、2セット初めは追いかける展開となりました。中盤まで我慢しながらのゲーム展開の中、セッターの負傷というアクシデントが発生し、そのまま第2セットを落としました。第3セットはセッターのブロックとジャンプトス、ジャンプフローターをあきらめ、なんとか食らいついたものの、吾田中の勢いを止めることはできずに敗れました。
 これで目標であった優勝はほとんど無理な状況になったのですが、なんとか気持ちを切り替えて、翌日の福島中に勝利し、最低目標であった県大会出場権を取ることに集中しました。そしてセッターも回復して迎えた福島中戦では、会場一の素晴らしい応援を背に、序盤有利に試合を進めていたのですが、昨日は出場できなかったエースが意地と気合いで交代で出場し、最後まで粘りのバレーで食らいつきましたが、最後は力で押し切られ、第1セットを失いました。第2セットも両エースを中心に打ち込んでくる相手に対して、なんとか離されないように全員バレーで対抗しましたが、最後はミスが重なりストレートで敗れ、県大会出場はなりませんでした。技術的な面はもちろんですが、絶対に相手を倒すんだという気迫や気合い、覚悟が福島中の方が勝っていました。

 今大会では、1枚しかスパイカーがいない中で、その他のスパイカーも織り交ぜながら、相手の攻撃に食らいつく粘りのバレーをすることはある程度できました。しかし、サーブミスやチャンスボールミスなどの基本的な部分が勝負所で頻発し、苦労して点を取ったのにもかかわらず、簡単に点を上げていた部分が勝負を分けました。平均身長が160cmに満たない榎原中は、チーム結成当初に、同じく世界に比べて身長が劣る全日本女子バレー監督の真鍋監督が掲げていた4つの世界一を参考に、①サーブ県ナンバーワン②サーブレシーブ県ナンバーワン③ディグ県ナンバーワン④ミスの少なさ県ナンバーワンに加えて、⑤声と表情ナンバーワンを目標に頑張ってきました。しかし、今回の大会では、このほぼすべての面で他チームに劣っていたということだと思います。今回の結果がチームにとって最終的にプラスであったと胸を張って言えるように一日一日を大切に、人間力を高めていってくれることを期待しています。

 これで県大会には参加をすることができませんが、逆にじっくりとチーム作りをすることができます。この敗戦という結果について、自分たちには何が足りなかったのか、これから何をすれば良いのか、そして何を自分たちに与えてくれたのか、その意味を考えながら日々の生活を過ごさなければなりません。優勝した吾田中と福島中の皆さんには、昨年実現することのできなかった南那珂地区同士での決勝戦を期待しています。
0