日誌

日々徒然

自分自身の言葉

過去に勤めた学校で、普通科高校希望のある生徒の面接練習を担当したことがあります。
この生徒は、高校卒業後専門学校に入り、最終的に美容師になりたいという夢をもっていました。

練習で様々な質問をしましたが、学校生活や部活動のことなど、一般的な質問には的確にしっかりと答えることができていました。
しかし、希望する高校の志望理由を言ってもらったところ、他の質問に比べてどうもすっきりしません。

それは本人も感じていたようでした。

そこで、本人と次のような雑談をしてみました。

私:「どんな美容師になりたいの?」
生徒:「・・・ お客さんがたくさん来てくれる美容師?・・・かな?」
私:「お客さんがたくさん来てくれるためには何が必要だと思う?」
生徒:「・・・ カットが上手?」
私:「カットが上手になるためにはどうすればいいの?」
生徒:「・・・ 練習?」
私:「ということは、カットが上手い美容師になりたいということかな?」
生徒:「・・・まあ、そうですが・・・」

~(省略)

私:「今、いろいろな思いを話してくれたけど、結局まとめてみると、あなたがなりたいのはどんな美容師ということかな?」
生徒:「お客さんを笑顔にできる美容師です。」
私:「そうだよね。お客さんを笑顔にできるって素晴らしいよね。』
生徒:「はい」
私:「じゃあ、具体的にお客さんを笑顔にするためには何が必要なんだろうね。」

~(省略)


というような感じの会話でした。
この生徒は美容師になるという夢はあっても、目的の部分が自分の中ではっきりしていなかったのです。

その職業で何をしたいかという目的が明確になれば、高校では何を経験し、何を学び、どう過ごしておく必要があるかが見えてきます。
そうすると自分自身の言葉で明確な志望理由を語れるようになります。
教師はその目的の部分を引き出してやることが大切だと思います。

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お詫び

皆様にお知らせです。

本日の記事を完成させたのですが、PCのトラブルですべて消えてしまいました。

明日、改めて掲載します。

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面接

今日は入試の面接についてです。

昨年度は、3年生の面接の指導に何回か加わえてもらいました。

生徒達が一生懸命に取り組んだ結果、入試までにはとてもしっかりと話ができるようになったと思います。

入試前の最後の面接練習では、落ち着いた対応ができていてすごいなと思っていました。

しかし、担任によると、本人たちはとても緊張していて、内心ドキドキして大変だったらしいです。

 

私としては、緊張させないように言葉遣いは丁寧に、笑顔で、和やかな雰囲気になるように気をつけていたのですが・・・

それまでの練習で、面接で聞かれそうなことはもちろん、あまり聞かれないようなことまで、とにかくあらゆる質問をしたのが原因かもしれません。

生徒達は、「また予想外のことを聞かれたらどうしよう」「うまく答えられなかったらどうしよう」などと考えて緊張しますよね。

 

高校によって違うと思いますが、面接の目的は書類や点数からは見えない部分にあるのではないかと思います。

受験生の目的は自分をどれだけ知ってもらえるか、アピールできるか。

そのためには何が必要なのでしょうか。

そこに求められるのは、アナウンサーのような資質(良い発音でなめらかに、よどみなく正確に原稿を読む)ではなく、自分を自分自身の言葉で語れるかどうかだと思うのです。

その「自分自身の言葉で語る」ためには、昨日書いた「柱」が重要になってくると考えます。

(つづく)

 

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昨日の3年生の授業では、入試にかかわる話も少ししました。

 

高校入試と言えば、面接。

面接と言えば志願(志望)理由が聞かれることが多いと思います。

志願理由をきかれたら「なぜその高校のその学科を選んだか」を説明するわけですが、生徒にとってこれは簡単そうで難しい問題です。

生徒は今まで経験がないわけですから、何をどのようにどの程度どのように話せば良いのかわかりません。

ですから、まずは自分の将来の夢や職業、受験校の特徴などを元に文章に書いてみることが必要です。

書くことで自分の思いや考えが整理されていきます。

 

そのとき大切なのは、自分の生き方について中心軸となる柱を立てることだと思っています。

「○○という仕事に就きたい」だけで自分の思考が止まっていたら、その仕事に就くことは目標ではありますが、その仕事をする上での目的がありません。

大切なのは「その仕事をとおして何を成し遂げたいのか」という目的です

例えば医者であれば、過疎地の医療に尽くしたい、治療法のない病気を何とかしたい・・・などの目的が重要だと思います。

その目的を達成したところから逆算すると、まずは高校で何を学びたいのか。何をしておくべきなのか、何を経験したいのか・・・ということが明らかになっていき、その高校・学科を選ぶ理由が見えてくるのではないでしょうか。

 

医者になることが目的であれば、単に高校や大学、国家試験に合格するための学力をつければ良いだけです。

しかし、働くことの目的は、誰かのために自分が専門性を高めて身につけた技術やモノ、情報を提供することで周りの役に立ったり、周りを幸せにしたり、喜んでもらったりすることであるはずです。

そのためには、教科の学習以外の学びもとても大切になってくると思うのです。 

 

入試に向けて大切なのは、学力を身につけることはもちろんですが、将来の自分の姿を想像し、「自分は○○な生き方をしたい」「自分は○○の職業をとおして、周りを幸せにしたい」という生き方についての柱をしっかり自分の中で見つけておくことだと思います。

 

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点数

5時間目に3年生に講話を行いました。

事前に担任からの情報で、「自分は頭がわるいから・・・」等の発言があることを聞いていましたので、最初はその話題でスタートしました。

私:「頭がよいかわるいかはどう判断するの?」

生徒:(何人かが)「点数です」

テストの点数か・・・と思いながら、

私:「皆さんが今度受ける実力テストを、そのまま江戸時代の人たちが受けたら何点ぐらい取れると思う?」

生徒:「あんまり取れないと思う」

私:「それじゃ、江戸時代の人は全員頭がわるい?」

生徒:「・・・」

私」「江戸時代の人は知らない知識や言葉がテストにはたくさん出ているよ。英語とか、ほとんどの人は知らないよね・・・」

生徒:「・・・」

・・・

私:「ということは、点数だけで判断するのはおかしいということにならないかな・・・」

 

言葉の影響力の大きさを感じます。

これまでの経験から、多くの生徒達は点数だけを判断基準にしてしまっていました。

自分は点数が取れない、だから頭がわるい。頭がわるいから・・・と、完全に負の思考です。

せっかくそれぞれが良いものを持っているのに点数だけで自分の価値を決めてしまっています。

これは何とかしないといけません。

 

そこで、ポジティブ言葉を使うことを提案です。

『「自分はだめだ」「自分には無理だ」などのネガティブな言葉が浮かんできたときは、「でも」とか「しかし」の言葉を加えて、「自分はできる!」「自分は頑張れる!」などのポジティブ言葉をつなげて言うといいよ。』

『慣れてきたら、一言目からポジティブ言葉を口に出すようにしてみるのもいいね。』

『目の前の課題に対して、できるだけポジティブな言葉で処理していくことが大事だよ。そうすると脳が前向きに働き始めるよ』という話をしました。

 

 話していくうちに、何人かの目が輝いてきたのが印象的でした。

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