校長より
7/4 しきり
須木中学校は校舎と体育館の間に、古い外トイレがあります。
正面には見下ろす形で運動場が広がり、遠くには須木の山並みがよく見える素晴らしい場所です。
上の写真ではわかりにくいですが、なぜか便器の間の仕切りが低く、小学校用の作りなのでは?と感じていました。
生徒は別のトイレを使っているので、普段使われることはほとんどありません。
しかし、今月末の河川プールのイベントがあり、その際に使う方がいたら使いにくいかも・・・と心配をしつつ、まだそのままにしていました。
ところが今日、教頭先生が「ちょっとやってみます」と、忙しい中にも関わらず作業をされました。
元々の仕切りの上に板を取り付けて高くしてあります。
予算のない中で工夫して対応していただきました。
ちょっとしたことですが、使用感に大きな違いが出ます。
教頭先生の素早い対応と工夫はさすがです。頭が下がります。
7/3 ロケット
先日H3ロケットの打ち上げが成功しました。
H2ロケットの試験機1号機が1994年に打ち上げを成功させましたので、それから約30年になります。
日本では、水素を燃料とするロケットエンジンの開発が1973年頃から始まりました。
H1ロケットで実用化した後、H2までに約20年かかっています。
一方アメリカでは、1960年代にすでに水素を燃料とするロケットエンジンが使われていました。すごいですね。
H2のロケットエンジンについては、『メタルカラーの時代』シリーズ(著:山根一眞)で、開発者の話を読んだことがあります。
この本で表には出ない技術者の苦労や努力や工夫、そして困難を乗り越えようとする意識と技術力の高さを知ることができ、見方が変わりました。
水素エンジンだけでも、ここには書ききれないほどの技術的ブレークスルーが必要でした。
燃料の液体水素がマイナス250℃以下のため、燃料タンクの断熱に工夫が必要だったり、水素を燃焼させると3000℃にもなるのでそのままではロケットの吹き出し口が溶けてしまうため、燃やす前の液体水素で吹き出し口を冷やしながら燃焼させるようにしたり・・・などの対応が必要だったそうです。
さらに、なるべく軽く作りたいためにボルトナットを使わずに溶接にした部分に亀裂が入って爆発したり・・・。
エンジンを含め、すべて国産の技術で作り上げることを目指したため、実験をしては失敗し不具合を探し対応する、の繰り返しだったそうです。
打ち上げは成功して当たり前のように思ってしまいがちです。
多額の開発費や打ち上げ費用をかけているのですから、それはある意味仕方ありません。
いずれにせよ、ロケットを作る技術的困難のレベルの高さと、それを乗り越えるためにかけた時間と苦労を考えると、技術者の皆さんには頭が下がります。
参考--------
下の写真はH2についている液体水素をタンクから噴射口の根元にある燃焼室に送るターボポンプ。設計寿命は2000秒。
右端の円盤を、少し酸素を混ぜて一部燃焼させた液体水素(温度は550℃、215気圧)で回転させます。1分間に4万2300回転(1秒間に705回転)、2万4000馬力(タンカーなみ)
その力で、右側のスクリューのような部分を回転させ、燃料タンクからマイナス228℃の液体水素を275気圧にして燃焼室に送り出します。
もう一つ、液体酸素を送る同様のポンプがあります。
※この写真は種子島宇宙センターに行ったときに撮りました。横幅は1m位だったと思います。
7/2 河川プール
今日は朝から天気も良く、暑い日になりました。
すっかり真夏の感覚です。
学級では、クーラーと扇風機を使いながら熱中症に注意して授業を行いました。
2時間目が終わった頃、河川プールのイベントの件で商工観光課や地域振興グループ、青年会議所の皆さんが来校されました。
7月27日(土)に河川プールでつかみ取りなどのイベントを実施するにあたって、一般の駐車場として中学校のグラウンドを借用したいとの依頼でした。
つかみ取りなどのイベントは人気が高いらしく、遠方からも多くの参加者がやってくるそうです。
須木地区や須木中を知ってもらう絶好の機会でもありますので、二つ返事で協力をさせていただくことにしました。
よく考えてみると、自然の川で泳ぎ・遊ぶべるという、子ども達にとって素晴らしい体験ができる場所のすぐ隣に学校があるということはすごいことだと思います。
たまに川沿いを歩いていると子どもの頃を思い出して、飛び込んで泳ぎたくなる衝動に駆られることがあります。
しかし、生徒達から「そこの川で泳ぎたい」という言葉を聞いた記憶がありません。
河川プールは小学校までで、中学校になったら卒業という感覚なのでしょうね・・・。
ということにしておきたいと思います。
7月
出張や夜の会議で更新が遅くなりました。済みません。
夏休みまで、ちょうど3週間です。
本校は、夏休みに入って最初の週に、三者面談を計画しています。
3年生は、進路の話が中心です。
進路を選択する上で何を重視するか。
それは、各ご家庭で違うと思います。
その重視していることを保護者と子で共通認識として理解されているでしょうか。
ありがちなこととして、以下のようなことは大丈夫ですか?
子どもは自分の進路について・・・・・・
・迷いや不安があってもうまく話せない場合があります。
・友達に影響されて流されている場合があります。
・保護者の望む方向に合わせていっている場合があります。
・少ない判断材料だけで決めてしまっている場合があります。
・最初からあきらめている場合があります。
・保護者に反発することが目的の場合があります。
保護者は子どもの進路について・・・・・・
・子どもとしっかり話したから理解しているはずと思い込んでいる場合があります。
・子どもはすべて初めて体験することなのだと忘れている場合があります。
・「子どもに任せている」と言えるほど関わっていないのに言ってしまっている場合があります。
・保護者自身が子どもの頃の気持ちを忘れている場合があります。
・子どもの人生であることを忘れて自分の理想を押しつけている場合があります。
子ども自身がより良い進路選択をし、よりよい人生を歩んでいけるようにサポートすることが大切です。
靴箱
生徒校舎の会談の横に靴箱があります。
少ない生徒数なのでこじんまりしたものです。
毎日その横の階段を上がって2階に向かうときに目に入ります。
いつも見ていますが、どの靴もきちんとそろえて入っています。
生徒のを心を感じる一瞬です。
それはきれいに咲いたアジサイを見たときのようです。
*以前紹介したアジサイが咲きました
こより
七夕の季節になりました。
私が中学生の頃までは、各家庭で七夕飾りを作っていた記憶があります。少なくとも私の家では作って飾っていました。
折り紙を買ってきて、輪っかや三角形をつなげていったり、篭や編み飾りなどを作った記憶があります。
その際、飾りや短冊を竹に結びつけるための「こより」も一緒に作っていました。
和紙を細長く切って、端の方から糸のように撚ったものです。
これがなかなかうまく作れずに苦労しました。
自分としては、直径1mmくらいの細さにしたいのですが、細かったり太かったりしてしまいます。
ところが両親や祖父母はさすがでした。
紙を手にすると、スッスッスッ・・・とあっという間に糸のような細さで作りあげます。
感動しつつ、同じようにできたらなあと思ったものです。
今ではYoutubeに、こよりの作り方を解説する動画はいくらでもあります。
それを見て練習すれば、おそらく誰でも上手にできるようになるでしょう。
しかし、おじいちゃんやおばあちゃんから習うことに意味があるんですよね。
動画は一方的に説明するだけですが、おじいちゃんやおばあちゃんは違います。
技術を伝える話以外の部分に大切なものが含まれている気がします。
私の祖父母と父はすでに他界していますが、まだ母が元気です。
実家に帰って母にこよりの作り方をもう一度見せてもらおうと思います。
欅
中学校の玄関を入って正面に、木の切り株が飾ってあります。
立派な切り株だなあとは思ってはいましたが、それだけでした。
今日のお知らせにも記事をあげましたが、八重尾さんが七夕用の竹を切ってきてくださいました。
その時にこの切り株の話題になり、由来を聞くことができました。
7~8年ほど前、須木中学校の隣にあ神社の大木の枝が落ちて車に被害が出たため、この木を含め何本かの大木を切り倒すことになったそうです。
その時切り倒した欅(けやき)の木の切り株を記念に残したとのことでした。
年輪を数えてみたところ、はっきりと分かるだけでも90年以上は立っているようです。
この欅も約100年前は芽吹いたばかりの幼木だったこと。
そして須木中ができる前からそこに存在し、中学校に通う生徒たちをずっと見つめてきた・・・
不思議なことに、ただの切り株でしかなかったものが、その謂われを知ると何か特別な存在に思えてきます。
意識
今日の礼法指導が始まって最初に感じたのが、高校生の皆さんは姿勢が良い!ということでした。
見本を見せるときはもちろんですが、中学生に個別に指導をする場面で何気なく立って見ているときも背筋がピンと伸びています。
意識しなくてもできるように、これまでに鍛錬を積んできたのだろうと思います。
そして、中学生に教える様子から、自分たちが学んできたことに自信と誇りをもっていることが感じられました。
素晴らしい指導をしていただき感謝感謝です。
日章学園高校の皆様、本当にありがとうございました。
今日の授業をとおして、中学生が日本の伝統的な礼儀作法について理解を深め、これまでの立腰の取り組みに加えて実践してくれることを願っています。
安心
昨晩から明け方にかけて須木は大雨でした。
学校への通勤路にしている空き地も、珍しくくるぶしくらいまで水が溜まっています。(そのため、長靴で出勤しました。)
学校に着くと、教頭先生が生徒校舎の2階の雨漏りをきれいに拭き上げ、バケツを置くなどの応急処置をされていました。(教頭先生ありがとうございます!)
学校では、台風の時期は飛ばされたものの後片付け、冬は水道管の凍結による破裂・水漏れ対応など、気候の変化に応じて様々な対応が必要になります。
それらが教頭先生の仕事と決まっているわけではありませんが、学校の鍵開けをしているため、そういった場面に一番最初に遭遇しがちです。
というよりは、何か異常がないかをいち早く見つけるために、早めに学校に来て鍵開けをしているといった方が良いかもしれません。
また、教頭先生は学校の様々な不具合やその程度を把握しているので気になってしまうということもあるかもしれません。
いずれにせよ、最も大切なことは登校してきた生徒に危険等が生じないようにすることです。
忘れがちですが、 日々の安心は教頭先生によって守られています。
議事
今日は生徒総会がありました。
議事の中で質問がどのくらい出るか心配でしたが、何人か質問し、それに対して答えるという場面がありました。
このような場で質問できることは素晴らしいと思います。しっかりと中身を自分なりに考えている証拠です。
よりよいものを実現するためには議論が欠かせません。
大人になると話し合いや意見交換を行う場面が多くあります。
仕事上でもそれ以外でもです。
今日の生徒総会の一番良かったところは、何よりも全員が真剣に話し合いに参加する姿があったことです。誰一人例外はいませんでした。
そんな須木中の生徒達を誇りに思います。