人権・同和教育

2018年11月の記事一覧

アンパンマンに学ぶ人間関係

 「アンパンマンは乱暴者か?」──先日、こんな記事を見ました。実際はどうなのか? アニメ版の「アンパンマン」は、次のような流れで、バイキンマンとの問題を解決しています(基本)。


 
バイキンマンのトラブルに対して、アンパンマンは最初口頭で注意しています。「やめるんだ!バイキンマン」
 
バイキンマンが以前に悪いことをしていても、「今回もするだろう」という先入観は、アンパンマンにはありません。それだけ、アンパンマンはバイキンマンのことを信じているのでしょう。だからこそ、悪いことをしたバイキンマンを許せないのです。それでも、バイキンマンが手を出してくるまでは、彼は絶対に手を出しません。

 しかし、ついに実力行使をするバイキンマン。アンパンマンが叫びます。「アンパーンチ!!」


 

 「愛と勇気だけが友達」という幼児向けのプログラムだからこそ、深い人間関係があったのですね。子どもに感想を聞いてみたいものです。

 ところで、アンパンマンのキャラクター数は2700~2800(2018年現在)で、2009年にはギネスに登録されています。まさに複雑。一方、生徒の取り巻く人間関係は、現実に見える人とネットの中の人、合わせるとどのくらいなのでしょうか。把握するのが難しい現代です。それでは失礼します。

                  (HP「常識的で非常識」より一部改)

映画「もののけ姫」をあらためて見て…

 先日、日本テレビ系列「金曜ロードShow!」で、宮崎駿監督の「もののけ姫」を放映していましたね。
 歴史学者が見ても、驚きを隠せなかった(新しい視点が多くあるだそうです)という「もののけ姫」。人権の視点からも、ハンセン病の人々が出てくるシーンがあります。
 ハンセン病は、らい菌という細菌によっておこる皮膚と末梢神経の病気で、現在は完治できるようになっています。しかし、かつては恐ろしい病気と考えられ、偏見や差別を生んできました。
 「もののけ姫」にも、主人公アシタカに、エボシ御前が石火矢のことを伝えるシーンで、包帯に巻かれた人々が出てきます。もしかして…という話は広がっていたのですが、のちに、宮崎監督自身も「ハンセン病の患者を描いた」と公言しています。
 ここまでは、知っている人もいるかも、と思うのですが…、先日の放送を見て、「あ!」と思うシーンがありました。
 最後近く、ダイダラボッチと化したシシ神に首を戻し、大地に緑がよみがえったシーン。印象的な場面ですが、その際、包帯を巻いていた女性が、自分の手を見て、喜ぶ様子があったのです。「病が治った」と感じさせるシーンでした。
 大地に緑がよみがえるように、人々の心にもハンセン病に対する理解が広がってほしい。それが真の「治癒」ではないか──そのように深読みしてしまいました。
 宮崎監督含め、スタジオジブリの作品には、奥深い内容が含まれているといわれています。テレビ放映の直後ではありますが、皆さんも今一度、ご覧になってはいかがでしょうか。そして、新しい発見がありましたら、ぜひ教えてください。それでは失礼します。