2022年6月の記事一覧

高校総体終了~南九州大会(インターハイ地区予選)

5月28日(土)から31日(日)までの4日間、県総合運動公園陸上競技場にて第49回宮崎県総合体育大会 第75回宮崎県高等学校陸上競技選手権大会(全国高校総体県予選)が行われました。

新型肺炎の影響により参加出来るかどうかの瀬戸際で、大会直前まで非常に困難な状況におかれ、始まる前は総合優勝を逃し、連覇が途切れることを覚悟しました。

結果的に男子総合45連覇、女子も総合2位と選手たちは力戦奮闘、困難な状況でもそれぞれが持てる力を発揮し、宮崎工業陸上競技部の誇り高めてくれました。また、6月16日より沖縄で開催される南九州大会への出場権を、男子27名、女子12名、計39名が獲得しました。

 

 

 困難な状況でしたので、直前に次の3つを目標とし大会に臨みました。

1.エントリーした全員(特に3年生)が大会に出場。 

2.練習不足のため、怪我や事故なく無事大会を終える。 

3.今考えられるベストをそれぞれの立場で尽くす。 

 大会直前に新型肺炎の影響で5月に入って二度目の練習中断となり、一時は出場すら危ぶまれましたが、何とか全員が出場できた事、怪我無く終えた事は、連覇を成し遂げたとことよりも嬉しかったです。

困難な状況の中だったからこそ、今大会を通じて改めて感じた事がいくつかありました。

一つ目は生徒と伝統の底力です。特に短距離ブロックは5月に2回新型肺炎で練習を中止し、まともに練習が出来ませんでした。冬季練習も新型肺炎の影響で十分が積めないままシーズンインを迎えたため、5月はしっかり練習を積みたかったのですがそれもままならずの総体でした。困難の連続でありましたが、チーム全体の危機意識が高まったことにより、短距離ブロックはもちろん、投擲ブロックと長距離ブロックがその分をカバーすべくこれまで以上に練習に熱が入り、大会でも大きな成果を出してくれました。生徒一人一人が宮崎工業陸上競技部の一員であるという自覚と誇りが高まった事も、自身のパフォーマンスを引き上げる一つの大きな要因であったと思います。伝統は時に重く感じるものですが、その重さを誇りとし、力に変えた選手の強さを改め感じた次第です。

二つ目は見ている景色の大切さです。困難な状況下でもハイパフォーマンスで戦えた者に共通していると感じたのは、普段見ている景色が、高くはっきりしているという事です。ハイパフォーマンスで戦えた選手は、高く明確な目標を持ち、具体的な努力を行ってきた者たちでした。これまでの過程がしっかりしていたからこそ、ぶれることなく、大きく落ち込むことなく戦う事が出来たのではと感じました。壁の向こう、山の向こうに広がる景色を見るためには壁を越え、山を登らなければなりません。向こう側に広がる景色をイメージし、見ることを渇望し、困難を乗り越え続ける不断の努力こそが何よりの根拠であり、最大の力であったといえるでしょう。 

三つ目は「天知る地知る、よって救われる」という事です。「四知」ではありませんが、誠実に誰よりも努力してきた者は、それが今この時ではなくても最後は報われると感じました。力があるにも関わらず、怪我の影響で南九州大会どころか予選通過すら危ぶまれた選手がいたのですが、最後の最後で何とか救われました。力はもちろん、これまでの努力と真摯な姿勢は誰もが知るところです。ベストからはほど遠い結果に終わりましたが、救われた後巡ってきたチャンスを自身の力でしっかりつかみ取った事は、必ず次につながると信じます。

四つ目は「良きライバルあってこそ」という事です。良きライバルがあるからこそ、知恵を絞り、工夫し、努力を重ね、結果的に自身が高まるという事です。「敵は己にあり、ライバルは良き友である」。今更ではありますが、総体終了時に改めて実感し、心の中で感謝した次第です。

また、特に3年生の保護者の皆様にとって、今大会は格別な大会になった事と思います。振り返ればこの3年間、新型肺炎の影響で多くの大会が無観客となり、我が子の応援もままならず忸怩たる思いをされてきたと存じます。特にホームストレートで行われる走競技や跳躍競技の保護者の皆様にとって、最後のチャンスである高校総体が一部制限があったとはいえ、スタンドから間近で応援できたことは何よりではなかったでしょうか。スタンドからの応援が選手への大きな力と励みになったことは間違いありません。そして、それに応えた選手たちは本当に素晴らしいですね。

 最後になりますが、それぞれが早速次の一歩を力強く歩み出しました。本校陸上部を応援してくださっている皆様におかれましては、今後も変わらぬ応援と、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い致します。