日誌

校長のつぶやき(2016~2017年度)

今日は、「美郷の日」でした。

 今日の給食は、毎月恒例の「地産地消献立 美郷の日」でした。子どもたちも職員も楽しみにしているスペシャルメニューです。さてさて、今日のメニューは・・・

【美郷の山の栗おこわ 牛乳 きゅうりのツナ和え タラの三平汁】
でした。美郷町産の食材は「たけのこ こんにゃく 米 栗」でした。どれもおいしくて大満足でしたが、やはり「栗おこわ」は格別でした。ホクホクとした栗が、ほどよい粘りのおこわとベストマッチです。そして、美郷産のお米が本当によい演出をしています。これほどクオリティの高い給食もそうはないでしょう。
 秋の美郷は、少しずつ冬に向かっています。今が旬の食材を楽しみながら、厳しい冬に備えたいものです。今日も「美郷の日」に、生産者や調理にかかわっていただいたすべての皆様に感謝します。ごちそうさまでした。

北郷フェスティバル(学習発表会・文化祭)のお知らせ

 運動会と並んで学校行事の中でも大きなものに学習発表会(文化祭)があります。本学園では、「北郷フェスティバル」と呼んでいます。9月18日(日)の運動会が終わった直後から、担当職員を中心に準備を進めています。内容は、総合的な学習の時間の発表や劇、合奏・合唱などが中心となりますが、幼稚園児から中学生までが在籍しているので多彩なものとなります。お時間の都合がつくようでしたら、ぜひとも足をお運びください。全学園をあげて歓迎いたします。
  日時  平成28年11月12日(土)  8:30 開会   15:10 閉会
  会場  美郷北学園体育館
  ※ 駐車場は、旧北郷小学校跡地をご利用ください。  
 ポスターを添付しますのでご覧ください。なお、このポスターは9年生の大和久悠さんが作成したものです。
第2回北郷フェスティバル ポスター1.pdf

楽しく、しっかり学ぶ

 いつもと変わらない週末金曜日の2時間目。日課の校内観察に向かうと、オープンスペース「光の庭」から何やら賑やかな声がします。
 近づいてみると、小学1年生の「算数」の学習でした。

 H先生「う~ん、困ったなあ・・・。この2つの容器はどっちの方がたくさん水が入るのかなあ。」と、大きさはほぼ同じだけれど形の異なる容器を提示。子どもたちは、ああでもない、こうでもないと比べる方法を協議開始。すると、「別の容器にそれぞれ移して比べれば?」とIくん。「おおっ、いいねえ」と賛同の声。早速確認実験。一同納得した様子。
 「じゃあ、他に容器がなかったら・・・どうする?」と、新たな発想を求めてH先生。今度はしばらく「う~ん・・・」子どもたちの目はキラキラしっぱなしです。これです。学ぶということは。きっと脳の中のシナプスがグングン活動していることでしょう。
 そして、「分かった!」とYさん。「片方にいっぱいにためた水を、もう片方に移してみればいいんじゃない?」と発言。しばらくの静寂の後、「そうか!すげ~っ!」と拍手喝采。満面の笑みのYさん。この最高の瞬間に立ち会えた私も幸せ。

 全国どこの学校でも、こうした光景は毎日見られるはずです。子どもたちとともに先生方も丁寧にそして一生懸命に学びを深めています。子どもと先生の信頼関係が、手に取るように感じられます。もちろん本校でも、すべての学級で同じように「生きる学び、つながる学び」が展開されています。機会を捉えてご紹介いたします。
 折しも昨日(29日)には、全国学力・学習状況調査の結果が公表されました。本校でも今後の在り方についてしっかりと検討し、学力向上に努めていきたいと思います。
 ちなみに、子どもたちが座っているベンチは、本校の教頭先生とお父さん方のボランティアが作ってくださった手作りベンチです。効果的に活用させていただいています。

学校関係者評価委員会

 本日、学校関係者の皆様においでいただき評価委員会を開催しました。
 本年度の学校評価に向け、学校経営方針を説明した後に授業の様子を観ていただきました。2月の評価の時期までに学校の様々な行事を観ていただき、子どもたちや職員の様子について、また私の学校経営についてのご意見を頂戴することになっています。
 協議では、
 ① 通学路の安全確保  ② 子育ての在り方  ③ 伝えたい伝統技術
などが話題となっていました。共通したのは、保護者や地域の大人が率先して子どもたちにかかわること、そして背中でその姿をしっかりと見せ生き方を伝えること、体験や多くの経験を通して「生きる力」を身に付けさせること・・・でした。
 そのためにも、現在進行中の「美郷北学園 学校支援ボランティア」の組織を確立し、子どもたちを地域で育てる町づくりに取り組んでいくことが求められていると考えます。多くの示唆を与えていただいた委員の皆様、本当にありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。
【委員の皆様】大野さよ美さん、小田哲義さん、山田恭一郎さん、井上千穗子さん、竹原栄蔵さん(左から)

秋の風物詩

 彼岸花が校庭やその周辺に咲き始めました。
 この花を見ると、妙に心寂しくなります。鮮やかな色の花なのになぜか、もの悲しくなるのです。これといった思い出があるわけではないのですが・・・。子どもの頃に見た「日本むかし話」の影響でしょうか。唯一思い出せるのは、小学校のときに下校途中の道すがらに咲いていたことくらいです。5~6㎞ほどの道を毎日歩いて通学していました。田舎の田んぼの畦道や土手には、いつの時期も季節の植物が満載でしたが、彼岸花もその一つでした。夏から秋に変わる空気とともに現れるこの花に季節の移り変わりを見ていたのでしょうか。
 ところでもう一つ。
 本校の校庭には、大きなイチョウの木があります。

 堂々としたその立ち姿は、いつも子どもたちをおおらかに見守っているかのようです。じきに鮮やかに色づくことでしょう。そのときはまたお知らせしたいと思います。
 ところで、校庭に出るとこの木の方から独特な臭いがしてきます。この木が大好きな子どもたちも、さすがにこの時期はあまり近づかないようです。その原因は、

 大量のギンナンが落ちているからのようです。食材としてはとても重宝なのですが・・・。そういえば、ずっと以前勤めた職場では夕方になると地域の方が通りがかりに拾っている姿を見かけることもありました。古き良き時代だったのでしょうか。
 さて、このギンナンをどうするか。これはこれで思案どころです。

今日の給食

 今日の給食は、「地産地消献立・美郷の日」です。毎月の楽しみの一つです。

 メニューは、「麦ごはん、牛乳、秋野菜の煮物、梅肉和え、梨」でした。地元美郷町産の食材は、たけのこ、しいたけ、こんにゃく、梅干し、梨、米、栗、地頭鶏と、ほぼ全部といってよいほどです。写真ではうまく伝わらないかもしれませんが、彩りのきれいなこと。また、野菜のもつ旨味がしっかりと感じられました。とりわけ梨は、西郷地区の「みやもと農園」のもので、おいしいと評判の梨です。直売所でも飛ぶように売れるそうです。
 煮物を好んで食べるようになったのは大人になってからですが、給食でいただくにものは格別です。いろいろな種類の煮物を味わうことができるからでしょう。和食のすばらしさを再確認できます。そういえば、初任の地「高千穂町」では、家庭訪問などのお茶うけは「煮しめ」でした。どのご家庭でも独自の味付けがあって、感銘を受けたのを覚えています。前任校でも給食で「北方煮しめ」が出されていました。子どもたちも大好きなメニューでした。
 学校給食は、日本の文化の一つです。食を通じて伝統や文化を学び、後世に伝えることができます。大切にされなければならない取組です。改めて、生産者の皆様をはじめ、本校栄養職員のO先生、そして調理員の皆さんに感謝いたします。ごちそうさまでした。

秋の味覚

 少しずつ秋を感じるようになってきました。日差しや風もそうですが、やはり食べ物が違います。店頭には秋の味覚が続々と並ぶようになりました。
 北郷地区は、農林業が盛んなところです。とりわけ椎茸と栗は特産品で、質の高いものが多く生産されています。スーパーなどでは、たくさんの北郷産を見つけることができ誇らしい限りです。
 さて、そんな中地域の方から嬉しい差し入れがありました。

 「栗のおはぎ」です。おはぎといえばあんこのイメージですが、さすが北郷。栗を贅沢に使ったおはぎに、しばし見とれてしまいました。そういえば、先日地元のパン屋さんで見かけた「栗を使ったパン」にも感激しました。身近でとれる食材を生かしたひと工夫。これもふるさとの味なのでしょう。

チームKBC

 北郷地区には、「チームKBC」という名の女性ダンスユニットがあります。正式には、「チーム 北郷ビューティフルクラブ」の略号だそうです。ちょっとワクワクするネーミングです。初対面は、8月に行われた「うなま地蔵夏祭り」でした。ステージ上でキラキラとした汗を流しながら、「星降る里は きみのふるさと」を熱演していらっしゃいました。
 そして今回、本学園の運動会(9月18日実施予定)の全校ダンスの講師を、このステキなチームKBCの皆さんにお願いすることになりました。チームは、結成して4年。現在のメンバーは約20名ほどで、幅広い年代の皆さんが参加していらっしゃるそうです。前身は地元の婦人連絡協議会だそう。年々若い人たちの参加が少なくなり、後継者を育てるのが課題だとか。それでも「少しずつ広がる輪をみんな楽しみにしています。たくさんの皆さんと知り合える絶好の機会。子育ての悩み相談にものりますよ。」とのこと。地域にこんな方たちがいてくださることは、本当にありがたいことです。子育て中のお母さん、ぜひチームKBCにご参加ください!

【チームKBC代表メンバー】 井本さん 井上さん 岩倉さん(左から)
 
 運動会では、「星降る里は きみのふるさと」を全校学園生で披露します。この曲は、平成元年に旧北郷村として置村100年を祝ってつくられた曲で、小椋桂さんのものだそうです。どおりで優しい歌詞とメロディです。「星降る地蔵の里」を誇る北郷ならではの曲でもあります。
 運動会の表現には、このほかに郷土芸能として「黒木ばんば」と「北郷音頭」があり、3つの曲を2つずつ組み合わせて発表しています。今年は、「星降る・・・」と「北郷音頭(盆踊り)」を取り上げます。どうぞご期待ください。
 こうして地域の皆様とかかわりながら、後継者を育てていく営みも学校としては大切にしたい取組です。地域住民の後ろ姿に学ぶ・・・やはりキャリア教育です。

本物との出会い

 子どもたちの感性を育てるためには、その道のプロフェッショナルの技を直に見聞きすることが大切であることに異論はないでしょう。「百聞は一見に如かず」ともいいます。今日、本学園の前期ブロックの子どもたちは、正に本物と出会うことができました。しかも身近な先生からでした。
 今日9月6日(火)は、月1回のブロック別集会の日。前期ブロック(1~4年生)は、毎月先生方からのお話をしていただいています。今日は音楽専科のY先生の順番です。


 いつもにも増してドレスアップしたY先生。T先生のピアノ伴奏に合わせて歌い出したのは、ヴェルディ作曲「乾杯の歌」という曲でした。イタリア語でした。その伸びやかで迫力のある歌声に、子どもたちも職員も一瞬で魅了されました。水を打ったような静けさの後から割れんばかりの拍手。どよめきが起きました。鳥肌が立ちました。全員が笑顔になりました。

 実はY先生、某有名音楽大学声楽科を卒業後イタリア留学も経験したプロのソプラノ歌手でもあるのです。いつもやさしく穏やかに接してくださるY先生。指導力の高さの裏付けとなる実力の確かさを子どもも職員も実感できた時間でした。

 ところで、ピアノ伴奏をしてくださった学習支援員のT先生。実はT先生も大学で音楽を専門に勉強され、高校の音楽免許をお持ちの才女です。流れるような演奏は、Y先生の歌唱をさらに引き立てていました。キラリと光る技を披露していただきました。
 このほかにも、小学部の鼓笛や合奏を熱心に指導してくださるO先生も高校の音楽免許を持っていらっしゃいます。それぞれがスペシャリストとしてご自分の力を発揮しながら、日常の指導に当たっていただけます。こんな環境にあることを子どもたちとともに感謝したいと思います。

学校支援ボランティアを募集しています

 開校2年目を迎えた美郷北学園ですが、学校を取り巻く組織づくりについても少しずつ取り組んでいます。その一つとして現在進行しているのが、学校の様々な教育活動を支援してくださるボランティアさんの組織についてです。実はこれまでにも、本の読み聞かせや野菜・米作りなど多くの活動にご協力いただいてきましたが、一つ一つが単発で学級担任と協力者とが直接やり取りをしながら進めてきました。活動が多岐にわたるにつれ、協力者の重なりや担当窓口の一本化が課題となってきました。
 そこで、地域の皆様と学校をつなぐ組織として「学校支援ボランティア・美郷北みまもり隊(仮称)」を立ち上げ、支援コーディネーターさんを中心に活動の充実を図っていくことになりました。この活動は、従来の学校への協力だけでなく、地域の皆様の趣味や特技を生かしていただくことも目的としています。また、子育て中のご家庭におかれましては、地域の先輩や同じ子育てに励んでいらっしゃる仲間とのコミュニケーションの場としてもご活用いただきたいと考えています。「子育てが楽しい」「美郷に住んでよかった」と思っていただけるような地域づくりに、少しでもお手伝いできればと考えています。
 学校通信「気風創造」でもお知らせしていますが、今回募集のチラシを作成しましたので、こちらもご覧ください。そして、ぜひともたくさんに皆様にかかわっていただければこの上ない喜びです。もちろん、美郷に住んでいなくても、遠く離れていらしても、ご協力いただけることがあればぜひお願いいたします。ご連絡をお待ちしております。

毛虫が大量発生!

 9月に入りました。日中は相変わらず暑い毎日ですが、朝夕は涼しさも感じるようになりました。
 そんな折、「校長先生、毛虫が大量発生しています!」との報告・・・。敷地内の桜の木に7~8㎝の毛虫がモゾモゾとうごめいています。特に体育館入り口の木には大量にいました。

 調べてみると「モンクロシャチホコ」という蛾の幼虫であることが分かりました。8月から9月にかけて発生するらしく、時期もぴったり。毛毒はないとのことでひと安心しました。
 しかし、9月18日(日)の運動会に向けて練習が始まっていることや当日の来客のことを考えて教育委員会にすぐに連絡をしてもらい、駆除をお願いしました。すると、課長補佐を先頭に3名の方がすぐにやってきて駆除してくださいました。

 このフットワークのよさが、美郷町の素晴らしいところです。これで明日からも安心して運動会の練習に取り組めます。教育委員会の皆様、本当にありがとうございました。

2学期が始まりました。

 本日8月29日(月)、第2学期の始業式を行いました。
 39日間の休みでした。生活リズムを取り戻し、気持ちよくスタートしていけるよう全職員あげてサポートしていきます。2学期は、運動会(9月18日)を皮切りに、合同修学旅行(6年:9月28日~30日)、中体連秋季大会、合同学習(4年:10月6日)、町合唱祭(11月2日)、学習発表会・文化祭「北郷フェスティバル」(11月12日)と大きな行事が目白押しです。いずれも重要なものばかりです。一つ一つの意義と目的をしっかりと子どもたちに理解させ、創意工夫しながら積極的にかかわることができるよう、職員にも協力をお願いしました。やらされる行事ではなく、自分たちで創り上げる行事を目指します。幼稚園から9年生まで、それぞれにできる形でかかわることを大切にしていきます。
 まだまだ暑い日が続いています。保護者の皆様、地域の皆様、関係者の皆様、お体ご自愛の上、2学期もどうぞよろしくお願い申し上げます。

今、学校は・・・その③(北郷中学校)

 さて、シリーズ最終回は北郷中学校です。美郷北学園は、実際のところ旧北郷中学校の校舎を改築して幼稚園と小学部を併設したので、所在地や電話番号は旧北郷中のままです。学校の沿革史も美郷北学園とは別に北郷中学校の延長としています。
 開校は昭和22年5月ですから、今年で70年の節目となります。研究に熱心な学校で、統計教育・安全教育・生徒指導・学習指導など文部省(当時)や県の指定を受けて多くの研究公開をしてきたようです。平成に入り、道徳教育やへき地教育にも取り組みました。平成8年には創立50周年記念式典を、平成18年には60周年記念コンサートを実施しています。通算すると私が23代目の校長となります。

 写真は、正門から見た校舎正面です。奥の3階建ての校舎は当時のまま。下足棟を新たに増築し幼稚園生から中学生、職員、来客と入り口を1カ所にしてあります。外来の方の把握もしやすくなっています。入り口には事務室が新設され、大きく開放的な受付カウンターとさわやかで明るい職員が出迎えてくれます。
 写真は、中庭の様子。右手が特別教室と管理棟、中央の連絡通路を挟んで左手が中学部の校舎です。2階には木造のおしゃれなテラスがあるのですが、老朽化がみられ現在は開放していません。手前には小学部校舎とをつなぐ連絡通路があります。

 小学部棟は2棟あり、いずれも平屋建です。右手が5・6年教室と保健室、特別支援教室、図工室になっており、左手が1年生から4年生までの前期ブロック教室と奥には幼稚園の園舎があります。二つの校舎の間には、すべて地元の木材を使ってつくられたオープンスペース「光の庭」があります。明るく柔らかな光に包まれた子どもたちの大好きな場所です。

 小学部棟を上から見たところです。左の屋根にはソーラーパネルが設置されています。月間約1000KWhを超える発電(実績)ができます。校内で使用する電力のほとんどをまかなっています。すべての教室に空調設備が設置されているのも特筆すべき点でしょうか。
 新しく生まれ変わった「北郷中学校」ですが、歴史はそのまま息づいています。多くの卒業生の期待に応えられるよう、これからも進化(深化)して参ります。

今、学校は・・・番外編(小原分校)

 旧北郷小学校は、明治40年に地域の5つの小学校が統合されて設立されたことは、前々回の本コーナーでお伝えしました。今回は、そのうちの一つ「北郷小学校小原分校」をご紹介します。残念ながら旧北郷小を除く残りの学校は、今現在当時の面影を見つけるのが難しい状況にありました。日を改めてご報告できればと考えています。
 さて、小原分校は明治31年2月に創立され、明治40年に北郷小に統合され分教場となりました。大正13年校舎が全焼し、新築されました。戦後の昭和22年に北郷小学校小原分校と改称し、昭和48年北郷小学校に統合されるまで、地域の学校として愛されてきたようです。75年の歴史には、教職員と児童、保護者、地区住民の学校に対する熱い思いが刻まれています。
 写真は、正門入り口から旧校舎跡地を見た様子。階段を上がっていくと運動場と校舎跡の施設(小原公民館)、プールが残っています。
 校門から見た敷地内です。奥の建物が現在公民館となっています。また、同じ敷地内には、本校小学部の教頭先生の住宅もあります。運動場は静かなたたずまいで、今でも地域の憩いの場となっています。門柱には「北郷小学校小原分校」としっかりと刻まれています。

 校門から小原地区を臨むと、今でも子どもたちが集まってきそうです。学校が地域とともに歩むのは、今も昔も変わらないことを実感します。

今、学校は・・・その②(旧黒木小学校)

 第2回は、旧黒木小学校について。
 創立は明治13年(1880年)といいますから、134年の歴史を誇る学校でした。戦後同じ敷地内に中学校を併設し、昭和49年に北郷中学校に統合されるまですでに『小中一貫校』として独自の教育が進められていたようです。昭和56年には創立100周年を迎え、記念碑・記念植樹・タイムカプセルなど記念行事も盛大に行われました。また、昭和60年代は、算数教育や福祉教育の研究に取り組み、学研やミツノ教育財団等多くの教育賞を受賞しています。
 平成に入ると、運動場や体育館等施設の整備に力を入れ、地域の学校としての役割も担ってきました。とりわけバドミントンが盛んで、素晴らしい成績を残し表彰されてきたようです。平成16年の秋の運動会は記念すべき第100回大会で、地区住民みんなで喜びを分かち合ったそうです。翌17年には素晴らしい体育館が完成しました。
 平成18年の合併により美郷町立黒木小学校となり、環境教育や体力つくりに積極的に取り組みました。昭和34年には177名を数えた児童数も年々減少し、平成27年閉校時には12名でした。平成27年3月「優れた『早寝・早起き・朝ご飯』運動の推進にかかる文部科学大臣表彰」を受け、同3月31日をもって長い歴史に幕を降ろしました。
 写真は、運動場から見た校舎と体育館です。体育館は学校施設はと思えないほど立派です。今なおバドミントンやバレーボールなど地区住民の大切な活動の場となっています。右側の校舎は、階段を昇った少し高い場所にあるユニークなつくりで、プールをはさんだ中庭には飛行機をかたどった遊具もあります。校舎は、宿泊施設を含め今後の活用が検討されているようです。

今、学校は・・・その①(旧北郷小学校)

 旧北郷小、黒木小、北郷中を統合して開校2年目を迎えた「美郷北学園」ですが、それぞれの学校は、今どうなっているのか。閉校までにどんな歴史があったのか。この夏、私の課題の一つがこのことを学ぶことにあります。どんな地域にも学校があり、子どもたちが学び遊び、地域の風土と文化の中でともに歩んできた歴史があります。「学校がなくなったから、寂しくなった」とせず、地域のよさを生かした学校づくりを模索したいと考えたからです。
 さて、第1回は「旧北郷小学校」を取り上げます。沿革史によると、明治6年には役場にて寺子屋式の授業が始まり、明治40年に村内の5校(宇納間、入下、秋盛、小原、長野の各小学校)合併して「北郷尋常小学校」が開校。これが創立記念とされているようです。旧北郷小学校の校章には、この5校が集うイメージが表されています。

 その後大正時代に現在地付近に移設され、昭和に入ると「放送教育」や「道徳教育」などに力を入れてきたようです。平成4年には、時事通信社「教育奨励賞」の優良賞を受賞しています。平成18年の美郷町誕生により北郷村立から美郷町立となり、PTA活動を含めた緑化活動にも力を注いでいます。平成20年には「創立100周年記念式典」を、同27年2月21日に閉校式を開催し、109年の歴史に幕を降ろしました。
 現在は、耐震化が十分でなかった校舎を解体し更地になっています。体育館と運動場は、スポーツ少年団活動など社会体育の場として活用されています。今後、跡地をどう活用していくのかが注目されています。


 写真(上)は、正門から見た跡地。ここに校舎が建っていましたが、今では運動場が目に飛び込んできます。写真(下)は、正門東側に残されたパンダとペンギンのモニュメント。「懐かしい!」と思われる方も多いのではないでしょうか。

授業づくり研修会

 本日(28日)、宮崎県教育委員会が主催する「子どもの学びを高める“ひむか”の授業づくり推進事業」に係る授業づくり研修会が、本校を会場に開催されました。県北部の中学校の先生方を対象にしたもので、午前中に国語・社会・数学・理科、午後は音楽と保健体育で200名を超える参加者でした。過去これほど多くの先生方においでいただく機会がありませんでしたので、早朝からいつもと違う雰囲気の校内でした。
 本研修会の目的は、中学校の生徒一人一人にとって「分かる!できる!」授業を展開するために、教科ごとに具体的な指導方法等についての研究協議を行い、教職員の授業力向上を図り、生徒の学力向上を目指すことにありました。授業改善のための4つのチェックポイント
① 子ども一人一人の理解度を1単位時間の授業の中で評価し、定着や習熟を図る時間が確保されているか。
② 指導内容が精選されており、テンポや間に配慮して授業を進めているか。
③ 授業内容は子どもの実態にマッチしているか。
④ 教師の指示や発問は的確で、子どもに伝わっているか。
をもとに、ワークショップや実践発表などをとおして、熱心な協議がなされていました。3時間という短い時間に、これからの本県教育の目指すところが凝縮されている研修会でした。
 何より感激したのは、前日準備を含め県教委の先生方のチームワークのすばらしさでした。本研修会への熱意を感じました。参加していただいた先生方、本当にありがとうございました。不行き届きがありましたら、この場をお借りしてお詫び申し上げます。
 
写真は、参加者の駐車場の様子です。旧北郷小学校跡地を利用していただきました。こんなに駐車できるとは・・・

1学期が終わりました

 7月20日(水)、第1学期の終業式を行いました。
 4月8日(金)の始業日から数えて、69日の授業日でした。幸い1日も休業することなく、また子どもたちにおいても大きな病気や怪我がなく106名が終業の日を迎えられたことに安堵しています。子どもたちはもちろん、保護者や地域の皆様、そして指導に当たっていただいた先生方に、心より感謝いたします。たくさんの行事を通して、子どもたちは一回り大きく成長したと感じています。職員会議では、課題も多く確認できましたが、具体的な改善策を見出し2学期以降の指導で対応していきたいと思います。
 夏休みは、8月28日(日)までの39日間となります。子どもたちには普段できない様々な体験を、職員には2学期を気持ちよく迎えられるよう心身のリフレッシュとしっかりとした準備を期待しています。いろいろとかかわっていただいた皆様、本当にありがとうございました。

今日の給食は・・・


 今日は、地産地消献立「美郷の日」です。月に一度のお楽しみ給食のメニューは、
  麦ごはん 牛乳 じとっことゴーヤの揚げ煮 もずく汁
でした。美郷町内でとれた「米、地鶏っこ」と 北郷産の「豆腐、ゴーヤ」がたっぷりと使われていました。水のきれいな美郷町でとれた米は、噛めば噛むほど甘みが増してきてそれはおいしい米です。また、北郷地区はおいしい豆腐の産地でもあり、学校のすぐ近くにある道の駅「北の郷」でも手作り豆腐が製造販売されています。給食ではよく使われる定番食材です。ぜひ一度ご賞味ください。
 「じとっことゴーヤの揚げ煮」は、ジャガイモと鶏肉が甘辛いタレで絡めてあり、ゴーヤの苦みもほどよい絶品でした。ごちそうさまでした。
 本校栄養職員のO先生のアイデアは、毎日の給食にちりばめられています。どうぞ「今日の給食」のコーナーもご覧ください。
 


教頭時代にできなかったこと


 ある朝、校長室のテーブルの上に一輪の花が飾られていました。出勤した私は、息をのみ、それと同時に思わず涙を流してしまいました。
 たった一輪ではありますが、校長室のドアを開けた瞬間にその存在感の大きさで、私を包むかのように迎えてくれたのです。たかが花・・・かもしれません。けれど、私にとっては何物にも代えがたい癒しでした。これは、前出の技術員T先生の心配りでした。
 実は、教頭時代にできなかったこと(たくさんありすぎるのですが)の一つが、この一輪の花の「支え」でした。朝、校長先生を気持ちよくお迎えする手立てとして、「よし、明日は必ず準備しよう」と毎日のように決心していたのですが、ついつい業務にかまけて実現できませんでした。そのことが思い出されたのでした。過去お仕えした校長先生方、この場をお借りしてお詫び申し上げます。
 いろいろと取り組むべきことの多い毎日ですが、テーブルの上に飾られたさりげない一輪の花に、今日もこうして元気をもらっています。