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2015年8月の記事一覧

「3人のレンガ積み職人」

 最近読んだ本の中に「3人のレンガ積み職人」という話が引用されていて、とても興味深い話だったので、紹介します。

世界中を回っている旅人が,ある町はずれの1本道を歩いていると,1人の男が道の脇で難しそうな顔をしてレンガを積んでいました。

旅人は,その男のそばに立ち止まってたずねました。
「ここでいったい何をしているのですか?」

すると,男はこう答えました。
「見ればわかるだろう。レンガ積みをしているのさ。毎日毎日,雨の日も強い風の日も,暑い日も寒い日も1日中レンガ積みだ。なんでオレはこんなことをしなければならないのか,まったくついてない。」

旅人は,その男に「大変ですね」と慰めの言葉を残して,歩き続けました。

しばらく行くと,一生懸命レンガを積んでいる別の男に出会いました。
しかし,その男は,先ほどの男ほどつらそうには見えませんでした。

そこで,また旅人はたずねました。
「ここでいったい何をしているのですか?」

すると,男はこう答えました。
「オレはね,ここで大きな壁を作っているんだよ。これがオレの仕事でね。」

旅人は「それは大変ですね」と,いたわりの言葉をかけました。
すると,意外な言葉が返ってきました。

「なんてことはないよ。この仕事でオレは家族を養ってるんだ。この仕事があるから家族全員が食べていけるのだから,大変だなんて言ったらバチが当たるよ。」

旅人は,その男に励ましの言葉を残して歩き続けました。

さらにもう少し歩くと,別の男がいきいきと楽しそうにレンガを積んでい
ました。

旅人は興味深くたずねました。
「ここで,いったい何をしているのですか?」

すると,男は目を輝かせてこう答えました。
「ああ,オレたちのことかい?オレたちは歴史に残る偉大な大聖堂をつくっているんだ。」

旅人は「それは大変ですね」と,いたわりの言葉をかけました。
すると男は,楽しそうにこう返してきました。

「とんでもない。ここで多くの人が祝福を受け,悲しみを払うんだ!素晴らしいだろう!」

旅人は,その男にお礼の言葉を残して,元気いっぱいに歩き始めました。

 【引用元:福山市教育委員会PDF(福山市立城北中学校の生徒指導だより)】

 この話は、自分のこれまでの物事に対する取組方を見つめ直すのにとても有効だと思います。

 例えばパス1本にしても、ただボールを返せればいいと考えて(何も考えずに)取り組んでいる選手と、正しい形を意識してボールを返そうと取り組んでいる選手、そして正しい形を意識しながらも、実際にその技術が必要な場面を想定して取り組んでいる選手とでは、実際に試合に入ったときにまったく違う結果がでます。

 練習では効率化や焦点化をするために、レシーブ、ブロック、スパイクといった技術ごとに分けて練習を行うことが多くなります。そうすると、その練習ではしっかりとできるようになるのですが、同じような練習を少し形を変えて行うとできなかったり、試合でラリーが続いたりするととたんにまったくできなく(しなく)なってしまう場面をよく見かけます。
 これは1つの練習をあくまで単体の練習としてとらえているからで、まさによく言われる練習のための練習になっている状況です。できないことや苦手なことを練習の中で意識をしてできるようにし、その技術を試合の中で意識してできるようにし、さらにどのような場面でも無意識にその技術を発揮できるようになって初めて身に付いたと言えます。そのためには、今やっていることがいったいどのような場面で使われる技術なのか、なんのためにこのような練習をしているのかをしっかりと考えながら取り組まなければなりません。

 練習は嘘をつきません。目標の夏の九州大会出場を達成するために、まずは県でトップの練習の雰囲気を作り上げてほしいと思います

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