部活動

2016年3月の記事一覧

自律

 先日“自立”ということについて書きましたが、いろいろと調べていると、“自立”と“自律”の2つの言葉があり、その違いが説明してありました。

“自立”というのは、他に依存しないで、自力でやっていける、自ら立つ状態のことで、技術的・経済的に自立しているということだそうです。バレーボールで言えば、基本的な技術や体力(“技”・“体”)がしっかりと身に付いていることが“自立”しているということになると思います。

また、“自律”とは、自らの律(規範・ルール)をもち、それに基づいて評価し、判断し、行動できるという自らを方向づけできる状態のことで、意識的に自律しているということだそうです。バレーボールで言えば、しっかりと目的や目標を明確にし、すべてのことを自分の成長ととらえて前向きに生活することができる精神力(“心”)がしっかりと身に付いていることが“自律”しているということになると思います。

 
“強いチーム”はすべてこの“自立”ができています。小学校の時からしっかりと鍛えられており、比較的早い段階から自分たちで工夫して試合や練習を組み立てることができます。バレーボールには、なかなか運動神経が優れている中学校で始めた選手はいませんので、結局小学校の頃の差が中学校でも縮まらずに最後を迎えることがほとんどです。しかし、最後につまずいたりしてしまうチームは、“自律”ができていない場合がほとんどです。

 私には、これまでに衝撃を受けたチームが2つあります。1つは7年前くらいに福岡合宿で対戦した福岡県の遠賀中学校です。当時まだバレーボール指導の経験が浅かった私は、高いレシーブ力を武器に、それぞれが自由に攻撃してくるプレーを目の当たりにして、とても同じ中学生とは思えず、ただただ感心していました。たった1セットだけでしたが、練習会終了後にお願いしてさらに2セットさせていただいたことを覚えています。そのチームは翌年全国大会で準優勝しました。
 もう1つは、同じ時期に天皇杯で試合を見た、宮崎県の社会人チームの柊クラブです。このチームも6人それぞれが自分の考えでプレーしており、まさにベストプレーがベストチームワークだということを感じさせてくれたチームでした。どんな状況にでもリラックスしており、すべてのプレーを簡単にこなしているという印象でした。少し当時を思い出してネットを検索していたらこのような記事がありましたので紹介します。(
http://miyazaki.mypl.net/mp/volleyball_miyazaki/?sid=7431

この両チームに共通していることは、どちらのチームも、決して大きな選手がそろっていたわけではありませんが、圧倒的な基本技術を基に、すべてのプレーを簡単にこなし、余裕をもって試合をしていたことです。結果、とても楽しんでバレーをしているように感じました。私も今では中学選抜や春高バレー、Vリーグなどより高いレベルのバレーを見て勉強していますが、未だにこの2チームを越える衝撃を受けたことはありません。それくらい自分の中で理想の2チームです。

 このようなチームになるためには、下の図にあるように、“自律”が“自立”を囲むような状態にならなければなりません。つまり、すべての基本はやはり“自律(心)”なのです。“自律”が“自立”を囲むような状態とは、試合中や練習中、空いている時間などを使って、試合時の攻撃、守備体系、狙い所や細かいポジション取りなど、戦術的なことを任せられる状態です。こちらから練習を与えるのではなく、自分たちで積極的に考え、バレーボールの面に関しては指導者と対等に話しができるようにならなくてはなりません。

 当然そのためには、指導者側の“我慢”が必要です。この3月は私にとって我慢の月になると思います。この7ヶ月間ずっと指導してきたことの成果を祈りながら、選手たちを信じて、見守ろうと思います。


鹿宮対県組み合わせ
http://www.kva-v.com/wp-content/uploads/a532f96db10bb978a6f1e7d84e9a408b1.pdf
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自立

 先日、アシックスカップ第33回九州中学校バレーボール選抜優勝大会の組み合わせが決定し、宮崎県3位の榎原中は、長崎県1位の東明・早岐中と対戦することになりました。各県の1位と対戦することは分かっていたので、どこと対戦しても厳しいとは思っていましたが、毎年レベルの高い長崎県の1位ということで、挑戦者として思いっきりぶつかるだけということを再確認しました。

 2年前にアシックスカップに参加したときは、予選で大分県1位の日出中学校に大会の雰囲気をつかむ前に負けてしまい、敗者復活戦で沖縄県1位の首里中学校にフルセットの末何とか勝って決勝トーナメントに進みました。しかし、トーナメント1回戦の相手は優勝候補である、福岡県1位の北九州中央中学校でした。持てる力をすべて振り絞らなければ勝利が見えない相手に対し、1セット目は接戦でしたが、2セット目はエースの足がつるなど予選の消耗が大きかったことが響いて大差で敗れてしまいました。

 この経験を元にすると、やはり厳しいとはいえ、初戦に勝つことが上位に進出するための鍵になります。そして強豪相手に勝利する可能性が一番高いのは初戦だと思います。そのためには、相手がどんなチームか分からない以上、選手が自分たちで対戦相手を分析し、それをしっかりと実行することができることが重要です。つまり自立したチームになっていなければなりません。

 自立とは、「他への従属から離れて独り立ちすること。他からの支配や助力を受けずに、存在すること。」と辞書には書いてあります。今現在の榎原中は“守・破・離”(守・破・離についてはhttp://cms.miyazaki-c.ed.jp/4225/htdocs/index.php?key=jot4wxwyp-133#_133を参照)の段階のうち、先の練習試合で少し“離”の部分が見えましたが、相変わらずようやく“破”の部分が出てきているような状態です。自立しているチームというのは、この“離”の段階にあるチームのことなので、自立にはまだまだ遠い状態です。しかし、九州大会という素晴らしい機会を頂いたことで、心構え次第では一気に“破”の殻を破って“離”に到達するかもしれません。

 自分の心身の充実や周りの環境などすべての要素に恵まれたとき、人は時に思いも寄らない成長を遂げることがあります。例年であれば各県の2位までしか九州大会には参加することはできませんが、今回は宮崎県開催ということで、3位だった榎原中も参加することができます。すべてのことには意味があるはずです。この恵まれた環境に感謝をし、目の前にあるチャンスをしっかりとつかんで、自分たちが人として大きく成長するきっかけにしてほしいと思います。

 第33回九州中学校バレーボール選抜優勝大会組み合わせ
 http://mvajhs.main.jp/wp-content/uploads/2016/01/27_asicscup.pdf

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