人権・同和教育

人権・同和教育

成人式に思うこと

 去年の暮れ、以前勤めていた中学校の生徒から、「成人式後の同窓会に参加してください」と連絡があり、学級担任をしたという経緯から参加させてもらいました。

 勉強のこと、進路のこと、仕事のこと、将来のこと……一生懸命に「今」を生きている20歳の若者たち。どの子も順風満帆というわけではないでしょう。それでも、元気に「今」を語る内容には、考えさせるものが多くありました。

 「進路保障は同和教育の総和」といわれます。この場合の進路保障とは、就職先を確保するということではなく、
  ○ 学ぶ意味
  ○ 自分が持つ権利
  ○ 自己実現の内容
  ○ 社会的な立場の自覚
  ○ 人との多方向のネットワークをつくる力
など、「未来を切り拓くための力」を獲得するための実践に取り組むことです。これは中学校・高等学校からの段階ではなく、乳幼児期からの子どもの育ちの結果だと考えられています。
 日本の公財政支出おける教育費の割合は、OECD加盟34か国中、最下位です(2018年版「図表で見る教育」)。教育に関わる支援費用の少なさが、子どもたちの進路保障に大きな影響を及ぼしています。2019年度以降、国は幼児教育や高等教育の一部無償化に取り組むことをすでに決めています。乳幼児期からの進路保障が充実していけるようになってほしいです。

 前述の同窓会で、こう言われました。
 「まさか、先生とこんなふうにお酒が飲めるなんて想像していませんでした。……(他の人に)ねぇ、思っちょった?」「うんにゃ、思わんかった。」
これからは同じ「大人」として、支えていきたいと思います。

 ところで、あと数年で18歳「成人」となりますが、その年齢で「成人式」をしても、ここまで深い話ができるでしょうか。気になるところです。それでは失礼します。