人権・同和教育

人権・同和教育

新型コロナウイルスから考える

 新型コロナウイルス感染症の予防のため、各自治体で学校の臨時休業が実施されています。生徒たちもあまり経験したこと(すること)のない事態です。
 
 ここで、人権のお話しを一つ。

 「マイクロアグレッション」という言葉があります。
直訳すると「小さな攻撃」という意味で、悪意のない、意図的でもない言動にあらわれる差別をいいます。大概に差別しようという意思はなく、自覚症状がないことがほとんどです。知らず知らずに使っている言葉、特にマイノリティ(少数派)の人たちが受けている日常的な会話の中に潜んでいます。

 先日の「じんけん通信」にも載せましたが、今回、新型コロナウイルスに関して、感染者の人たち、その関係者に向けられた言動に、それが見られます。海外では、アジア系の人たちに向けて「おい、コロナ」と呼びかけたという事例も報告されています。「注意しなきゃいけない」という意図だったかもしれませんが、アジア系だからとひとくくりにされて言われた方はどうでしょうか?
 
 差別は、社会に広く薄く存在しています。そして、報道によって可視化されるものです。誰もが差別者にならない社会をつくること──それは、差別を知り、差別をしないという「心がけ」しかないのです。それでは、失礼します。