日誌

タグ:自己理解・自己管理能力

「探究って自分にとってなんだろう?」をテーマに県立宮崎東高校で進路フォーラムが開催されました

定時制夜間部で学ぶ生徒が、自己実現のために目標をもって努力し成長することを推進するため、総合的な探究の時間と進路について考える契機にしたい。

と企画された進路フォーラムが、12月15日18:40〜20:05、宮崎県立宮崎東高校で開催され、登壇者4名がお話しし、生徒約70名、保護者約15名の方が出席されました。コーディネーター福島は、ファシリテーターを務めました。

 

「探究って自分にとってなんだった?」と題したこのフォーラムの登壇者をご紹介します。

株式会社ベネッセコーポレーション・教育情報部教育情報センターでセンター長を務めていらっしゃいます、谷本祐一郎さん

宮崎東高校定時制夜間部卒業生で、現在バンド「namaru」で活躍されている、髙田さやかさん

同じく宮崎東高校定時制夜間部卒業生で、現在は香蘭ファッションデザイン専門学校に通い、ファッションビジネスの企業への就職が決まっている篠澤弥吹さん、そして現3年生の兒玉琉祐さんです。

探究の一般論ではなく登壇者の皆さんのストーリーから宮崎東高校での探究活動の特徴について紐解かれていくような時間でした。


この日の話の中から登壇者のみなさんの金言をいくつか抜粋してみます。


*学校の外の人に自分の伝えたいことが伝わり、影響力がもてたときに探究のアクセルが踏めた。

*ここでアクセル踏めた、ぐっと進んだというより一つ気になることを調べる、やりたいと思ったことを口に出す、外に出すの繰り返しで気づいたら進んでいった。

*こころが動いた瞬間を大事にしてほしい。意識しないと通りすぎてしまう。それはもったいないなって思っている。
*一生付きまとうのが探究(探求)。自分のやりたいことが本当は違うかもと思うときもあるけど、こころが動いた瞬間に向き合い続ける。

*目標とは、ときめくこと。立てていたときめく目標が叶ってしまったから、今また(自分の中のときめくことを)探究している。

*自分で食べていくために、食べられる仕事に妥協しようと考えたこともある。だけど本当にやりたいことをやらないと後で悔しいって思うだろうな、と思って決めた。

*ここ(宮崎東高校)では先生に否定されたことがない。一人の人間として対応してくれていると思えた。

 

キャリア教育を実践していく上で、身につけていくべきとされる「基礎的・汎用的能力」。基礎的・汎用的能力は、どの職業や分野においても自立するために必要な基盤の力で、人間関係形成・社会形成能力、自己理解・自己管理能力、課題対応能力、キャリアプランニング能力の4つに分けて考えられています。

この観点から

学校内外の人と意見交換をするにあたって、自分が意義を感じていることを深掘りしどうやって伝えるかを工夫したり、人と話して新しい視点が得られてブラッシュアップしたり、ゴール達成に向けて今まだできていない課題と向き合ったり、具体的にどんなアクションをとっていくのかを計画立てたりする事を通して、身についた力があるのだろうと推察します。

普段身近なところで生徒をサポートされている先生とどのように連携していくと、より基礎的・汎用的能力の向上に外部講師・外のメンターとして貢献できるのかということを今後も考えていきたいと思いました。

 

また、参加生徒から、たくさんの感想が寄せられました。全てご紹介したいところではありますが、一部抜粋してご紹介します。

<参加生徒からの感想>

*今後の進路に活かせる内容でした。自分の好きなことができるのはあたり前ではないし、見つけること自体も簡単じゃないんだなぁと思いました。

*自分も将来したい事について、つきつめている時に疲れたり、ときどきしなくなったりした時に好きなことをしているつもりなのに、本当にこれが好きな事なのかわからなくなることがありますが、講演の話を聞いて、先輩たちも同じ経験をしている様子だったので、安心したのと同時に、ちゃんと好きな事をできるんだなと自信がつきました。これからも好きだなと思ったことはつきつめていきたいと思います。

*東高を卒業された人たちの話を聞くと、自分の好きな事を将来に活かせているのがすごいなと思いました。とてもいい話ばかりで、自分自身も不登校だったので、進路フォーラムを聞いて本当に良かったなと感じました。活躍されている人を見て、自分も頑張ろうと思いました。

*将来の夢がなくても、趣味や好きな事を見つけてそこから始めれば良いんだ、今、夢や目標がなくても遅くないんだと思いました。

<コーディネーター 福島>

高鍋町立高鍋西中学校で対話型キャリア教育プログラム「ひなた場」が開催されました

高鍋町キャリア教育支援センターのコーディネーター・森様ともに準備を進めてきた対話型キャリア教育プログラム「ひなた場」が、11月10日、高鍋町立高鍋西中学校で初めて開催されました。対象は中学3年生約80名。

 

 ひなた場は、中学校段階からのキャリア形成支援の取り組みとして、全県下の子どもたちが、宮崎で暮らし、働く意義を理解した上で、自分自身の進路や将来像を描くことができるようにすることを目的としたプログラムです。

 

 従来から、社会人講話のような取り組みはありますが、一度に出会えるロールモデル(大人)の数が限られ、中高生とのマッチングも難しく、深く共感・理解・イメージするところに届いていません。

 

 そこで「ひなた場」では、「対話」を軸に子どもたちと大人をつなげます。互いの人生を語り合うことを通して、憧れのロールモデル(大人)を見つけたり、気軽に相談できる少し年上の地域の先輩との関係をつくったり、自分自身の将来を深く考え、描いていく、そんな「きっかけ」を届けています。そのきっかけを届けてくれるのは、ナナメの関係にあたる地域の大人の皆さん。(ひなた場では、先生や保護者をタテの関係、友人をヨコの関係と表現しています。)

 

「小学校時代を含め、なかなか学校外の人と対話する機会も、講話で話を聞く機会も限られていた。」と話すのは学年主任の先生。

「だからこそ、ひなた場がどうなってしまうのかまだ予測がつかない」ともおっしゃっていました。期待と不安の両方がにじむ言葉。それでもやろうと踏み切ってくださったことが嬉しく、いい意味で期待を裏切りたい・・・と臨んだ当日。

 

高鍋町で働く大人を中心に、川南町、西都市、新富町、宮崎市から24名の講師にお集まりいただき、生徒たちが目の前の大人のリアルな声を前のめりで聞く姿が見られました。また、実施後のアンケートでは、ひなた場が役に立つと思うと回答した生徒が100%でした。

 

感想の一部を抜粋します。
「人生の先輩と自分の人生を話すことができ、自分の選択肢の1つになった。とても心に残った」

「自分がどんな人になりたいか、明確になった」

「良かった時だけでなく、失敗した時の話を聞けた。
 何があっても立て直すことはできると言ってもらえた」

「こんな大人になりたい、という人に出会えた」


ひなた場で子どもたち自ら様々な気づきを得ていることが感想にも表れていました。

 

ひなた場の終盤

「みんな、お世話になった人生の先輩のところに挨拶しにいってきなー!」と生徒たちに声をかけた学年主任の先生。

対話してくれた班の先輩や、紙芝居の講師のところへ、嬉しそうに駆け寄っていった生徒を見て、こんなひなた場の終わり方もいいなぁと感じました。

(コーディネーター 福島)

高岡中学校で3年生向け「進路ガイダンスに向けた1学期の振り返り」の講話・ワークショップを実施しました

高岡中学校では3年間を見通してキャリア教育の計画を立てられています。

育成したい生徒像や、年間で予定されている学校行事に関連付けてキャリア教育を実施されているだけでなく

定期的に生徒たちにどんな影響があったのかを測っている点も特色の1つです。

 

今回は11月に行う進路ガイダンスの事前準備として、1学期を振り返るための講話・ワークショップを行いました。

中学校生活も残りわずかとなり、受検(験)に向けての準備が進んでいきます。

進学先を決める際、成績だけで決めてしまうことがあるかもしれません。

しかし「自分が何を実現したいのか?」を明確にし、

高校の特色と照らし合わせて決めるという選択肢もあります。

夏休み中にいくつかの高校のオープンスクールに足を運んだ生徒たち。

また2学期が始まって約1ヶ月が経とうとする中、

自身が望んでいることやキャリアや進路選択を考えるための振り返りワークを行いました。

 

「1学期を振り返って特に印象深い出来事」

「中学校生活でやりきりたいこと」

「高校でやってみたいこと」などの問いについて考えました。

生徒たちは悩みながらも一生懸命、答えを書いていました。

 

従来の“学校推薦”から“自己推薦”に制度が変わり、生徒自身が自己PRを作成します。

こうした問いに答えることは、高校入試にも役立ちます。

また自分の考えを言語化したり、自分自身の良いところや強みに気付く機会にもなります。


受検(験)を控えた難しい時期ですが、生徒たちが自己決定の認識がもてるよう、今後もサポートして参ります。

(コーディネーター 福島)