部活動

部活動

第39回県秋季体育大会

 10月31日から県大会が行われました。榎原中は南那珂地区1位として参加しました。結果は以下の通りです。

 1回戦
 榎原中 2(26-24,27-25)0 久峰中(宮崎地区3位)
 準々決勝
 榎原中 2(25-14,23-25,25-18)1 本庄・八代中(宮崎地区5位)
 準決勝
 榎原中 0(12-25,22-25)2 佐土原中(宮崎地区1位)

 というわけで、3位という結果でした。ふつう県で3位といえば素晴らしい結果で、喜びや達成感もあるはずです。しかし今回に限ってはそのような気持ちは全くなく、ただただ自分たちの準備の甘さを痛感しているところです。

 久峰中戦では1セット目に11-2でスタートしたにもかかわらず、デュースに持ち込まれ、その流れを最後まで変えることができませんでした。また、本庄・八代中戦でも、1セット目は25-14で取ったのですが、2セット目は競り負け、3セット目も12-16という状況からのからくも逆転勝ちという内容でした。
 このままではまずいと、翌日は朝練の中で何点か技術的な修正をして準決勝に臨んだのですが、1セット目はサーブでくずされ一方的にやられました。2セット目は気持ちを切り換え、11-6、17-11、22-17という流れの中から最後は8連続失点でゲームセットという結果でした。

 この県大会を通して感じたことは、とにかく練習通りの結果が出るということです。県大会でも、点差を広げてからの接戦や逆転負けがほとんどのセットでありました。このようなゲームは、練習試合等でこれまで何度も経験しています。また、この状況はある一定のローテーションだけで起きているのではないので、技術的な問題は少ないと思われます。やはり苦しいときや楽なときに、自分たちで意識してチームを鼓舞することができないことが一番の課題です。

 県大会は結局佐土原中が優勝しましたが、その佐土原中と決勝戦を戦ったのは、同じく南那珂地区代表の福島中でした。福島中は決勝戦もフルセットまで持ち込むなど素晴らしいゲームをしていました。
 これまで何度も言っていますが、南那珂地区はこのままだと、県3位の榎原中と県2位の福島中のどちらか1校しか夏の県大会には出場することができません。福島中が同地区の代表として準優勝したことを讃えると同時に、これ以上無い危機感をもって、これからの練習に取り組んでほしいと思います。
0

より高く飛ぶ為にはより低く

 いよいよ県大会を明日に控え、今週の男子バレー部は、来週の文化祭の準備と平行して、月曜日には地区駅伝大会に参加し、水曜日には新聞社の取材の対応など、なかなか慌ただしい一週間となっています。榎原中学校は明日は試合がなく日曜日からですので、明日は県選抜チームをお休みさせていただいて、最後の調整をしようと思います。
 
 さて、先週末の練習試合の内容ですが、土曜日は選手たちの甘く弱い部分が随所に出てしまい、ほとんど収穫のない一日になったようです。結果のほうも、高原中に2敗、佐土原中に1敗、本郷中に1勝1敗、久峰中に2勝、西小林中に2勝の5勝4敗でした。特に最後の本郷中との試合では、保護者曰く、「機械が壊れる寸前のような感じ」だったそうです。最後に保護者の話を聞く中で、何名かの選手は涙を流していたそうですが、終わってから後悔するのでは無く、その気持ちを今その最中になんとかしようと表現し、もっともがくことが必要なのではないでしょうか。
 日曜日は、本人たち曰く、少しは持ち直して、庄内中に2勝、高原中に1勝1敗、姫城中に1勝、三松中に1勝、福島中に2敗の5勝3敗でした。怪我人を抱えながら、テーマを持ちながらの17セットの中で、トライしようとしていることが少しはできたことが収穫ですが、それよりも気持ちがプレーに大きな影響を与えることを実感することができた2日間だったと思います。O先生、2日間本当にお世話になりました。
 その後、ミーティングを行い、チームができていることと課題をしっかりと見つめ直し、その課題に向けての取組を今しているところです。たった4日間で修正できるとは思えませんが、1回でも多く今やっていることが試合の中で出せればいいと思います。

 秋の県大会に向けてのチームの目標はもちろん「優勝」ですが、目的は、人間力を高めるために「お互いに信頼される人間になる」ということです。自分のやるべきことをきちんと果たし、周囲のことを考えて行動することができれば自ずと道は開けるはずです。
 より高く飛ぶためにはより低く沈むことが大切だとよく言われます。先週末どん底まで沈んだ分、これまで練習してきたことを信じ、自信をもって、榎原中としてのプライドを胸に県大会で高く飛んでくれることを期待しています。
0

県大会組み合わせ決定

 月曜日に県大会の組み合わせが決まり、榎原中学校は宮崎地区3位の久峰中学校と対戦することになりました。久峰中学校とは対戦したことはありませんが、この時期は相手に合わせるのではなく、どれだけ自分たちが練習してきたことが出せるかがポイントとなります。つまり、今まで通り日々の生活をしっかりと過ごし、基本的な練習を丁寧にすることが一番大切なことです


 そんな話をして迎えた昨日の練習では、いつも以上に気合いが入っていたように感じました。特にレシーブの要である③はとてもいい表情で厳しいボールに食らいついていました。
 ③はとても心優しい反面、少し自分に甘く、自分のもっている力を過小評価している部分があります。夏のチームではリベロとして県内外の強豪相手に多くの経験を積んできていますので、当然新チームではレシーブの要、雰囲気の要として大きな期待をしているわけです。
 しかし、良くも悪くもあまり目立たず、いまいち物足りませんでした。しかし、県大会という大舞台を目の前にして、ようやく意識が高まってきたようです。

 このように、苦しい・厳しい練習を楽しむことができるようになると、人から与えられる練習ではなく、自分から求める練習となり、技術面でも精神面でも大幅に伸びることが期待されます。8人全員で彼に負けないくらいの気持ちと表情で練習を作り上げることができれば、とてもいい状態で県大会に臨めるはずです。


 今週末は高原中のO先生にお願いして、2日間とも山之口町体育館での練習試合に参加します。私が県選抜チームの鹿児島合宿のためチームにつけない中で、どれだけチームの約束事を徹底し、気を抜かずに集中できるか、苦しい・厳しい場面を楽しめるか。そのためにあと3日間の練習でしっかりと準備をしたいと思います。
0

非同期(asynchronous)

 先週末は県内の多くの中学校が文化発表会のため県選抜チームの練習がなく、約2ヶ月ぶりに週末にチームの練習や練習試合を見ることができました。

 土曜日の練習では、平日行っているメニューをどのような意識で行うのか、何がポイントなのか、これができるようになると個人としてチームとしてどのようにプレーの幅が広がるのかなどについて話をしながらじっくりと行いました。この単調な基本練習を地道に行うことが一番大切で、そして一番難しいことなので、一つ一つ丁寧に取り組んでほしいと思います。
 また、秋の県大会までに目指すバレーとJA杯までに目指すバレー、夏の県大会までに目指すバレーを具体的に提示し、秋の県大会に向けて必要なスパイクのテンポをシンクロさせる練習に多くの時間を費やしました。最近まったくスパイクが打ち込めておらず、レシーブの上手なチームと対戦するとディグから切り替えされています。セッターを中心に、しっかりとしたサーブ・ブロック・レシーブからスパイカーが100%の力で打ち込む場面を多く作ることで、チームとしての一体感や盛り上がりを高め、少しでも攻めのバレーを展開するという気持ちを高めてくれることを期待しています。

 そのことを意識しての日曜日の本郷中との練習試合でしたが・・・。

 とりあえず最初の1セット目は、普段どのようにいつも練習試合に臨んでいるのかを観察しながら何も言わずに見ていました。その結果、25-19というスコアで、昨日意識したはずのシンクロ攻撃はたったの1回のみ!という内容でした。自分たちのバレーをしようとしている本郷中に対して、榎原中はただ勝っただけというまったく次につながらないゲームをしていました。
 シンクロ攻撃の要はやはりセッターである⑦です。しかしチームの求めるトスと⑦の感覚がまったくシンクロしません。セット間の練習でも弱気なままだったので、2セット目は4月以降初めてセッターを外して、それまでセッターをしたことがない選手と控えのレシーバーを入れてゲームをしました。当然オープンバレーしかできず、さらにトスも安定しないので出だしに大きく点差を離されたのですが、最終的には25-21でした。つまり、正セッターを中心としたシンクロバレーと今日初めてセッターをした選手のオープンバレーとでは、たったの2点の差しかなかったわけです。この状況を目の当たりにして、⑦はいったい何を思ったのでしょうか。この半年間⑦は何を練習してきたのでしょうか。⑦に榎原中のセッターとしてのプライドはないのでしょうか。
 以上のような話をして3・4セットに臨ませ、今度はできていないところを逐一指導しながらゲームを進めたところ、たくさんのシンクロ攻撃をしかけ、25-14、25-11で勝つことができました。できないことは問題ではなく、しないことが問題なのです。自分たちが目指すシンクロバレーの難しさをこれまでいかに甘く考えていたかが大きく現れた午前中でした。

 これでさすがに意識して取り組むだろうと思い、再度自分たちにすべてを任せた結果、昼休みを挟んだ午後のはじめは24-26でセットを落としました。内容も散々で、1-7からスタートし9-18となり、そこから帳尻あわせのように24-24で追いついて、最後はミスで終わるといったおきまりの感じです。当然シンクロ攻撃は全くできていません。
 その後少しは盛り返したものの、最後もピリッとしない内容で全10セットを終えました。結局この日は9勝1敗でしたが、内容が良かったセットはすべて細かい指導を受けていたセットでした。ぱっと見、8名ともとても一生懸命にやっているように見えます。しかし細かいところで構えをサボったり、声が出ていなかったり、サインミスをしたり、ポジションがずれていたりとまったくチームの約束事を徹底できていません。この少しずつのほころびが、連続失点と失セットにつながっているわけです。

 以上のような感じで、この週末は、平日の練習で意識させていたはずのことが、週末の練習や練習試合ではまったく意識できていない、意識していないことを再確認することができました。非常に残念で情けなく、またしても自分の指導力のなさを痛感させられました。
 下北沢成徳高校の小川先生の本に、叱ってばかりいると叱られないとできない選手になってしまうということが書いてありましたが、叱らないとやれない・やらないので、結局叱られることでしかギアを上げられない心の弱さを感じた一日となりました。

 
 本日には県大会の組み合わせも決まります。現在のこの非同期(asynchronous)な状態の榎原中としては、どこと対戦しても勝てる保証はまったくありません。とにかく最後のボールが落ちるまで、練習でやってきていることを、自分に甘えずにどこまで徹底できるか、チームのためにどこまで徹底できるか。8+2名の気持ちを少しでも同期(synchronous)させて、残り12日、気持ちを入れかえて練習に励んでほしいと思います。

0

自発性を引き出す

 榎原中の目標は“県大会で優勝し、九州大会に行く。”であり、目的は“選手の人間力を高める。”です。目標も現有戦力を考えるとかなり厳しいものですが、目的を達成するのはそれよりはるかに難しいです。中学1・2年生はまだまだ人間的に未熟で、当然大小様々な問題が起きます。しかし、その一つ一つがこれからの自分の人生をより良くするきっかけとなるはずです。選手達の意識もですが、それ以上に自分の指導者としての力量をもっと伸ばしていかなければならないと強く感じています。

 そんな中、現在行われているラグビーワールドカップで、優勝候補の南アフリカを破り、3勝1敗ながら惜しくもベスト8入りを逃したものの、日本中に勇気と感動を与えてくれたエディジャパン。そのラグビー元日本代表の平尾誠二さんが語る「自発性を引き出す指導者の心得」が非常に興味深かったので紹介します。若手育成やチームの組織改革に臨み、常勝軍団をつくり上げた平尾さんの考えを知る中で、選手・指導者ともに今後に生かせて行ければと思い引用させて頂きます。


 

 強いチームというのは、指示された通りに動くだけではなく、各々がイマジネーションというのを膨らませて、それぞれの状況に応じて何をすればいいかを考え出すチームです。 これからは特にそういうことが求められてくると僕も思います。


 ルールづくりも大事ですが、本当は1人ひとりのモラールが少し上がればチームはものすごくよくなるんです。決め事をたくさんつくるチームは、本当はあまりレベルの高いチームではないんですね。規律は自分の中でしっかり持ち始めた時にモラールの高い高度なチームができるんです。


 そのための教育、僕らはそれをコーチングといいますが、グラウンドの内外でいかに行えるか。それが、チームの活力を創る上で非常に重要なポイントなんです。

 

 僕はチームワークを高めるために、よく逆説的に「自分のためにやれ」と言うんです。 結局それが一番チームのためになりますから。ラグビーにはタックルがありますがこれは非常に危険も伴いますから、誰もあまり行きたくはないんです。ところが、「ここで俺がやらねば負ける」といった使命感がそこにある時に、行きたくない気持ちを上回ってそのプレーが出てくるわけです。


 僕はこれまで何千人というプレーヤーを見てきましたが、タックルを行きたくないやつに、いくら無理やり行かせても絶対に向上しない。それより、「おまえがここでタックルすれば、こういうふうに状況が変わる」と説明してやったほうがよっぽどいいですよ。


 最近僕はみんなに「公私混同は大いにしなさい」とも言っています。これは、一般的な意味での公私混同ではなく、公のことを自分のことのように真剣に考えるという意味です。
個人がチームのことを自分のことのように考えていなければ、チームはよくならない。 これからのチーム論としてはそういうことが大事になってくると思うんです。ラグビーでも、いいチームは1軍の選手から控えの人間まで非常に意識が高いです。試合に出ていない人間までが「俺はチームに何ができるか」ということをいつも一所懸命考えている。その原点は何かというと、やはり自発性にあるんですね。これをいかに高めるかということが重要です。これは自分の中から持ち上がってくる力ですから、命令形では高められない。 これをうまく引き出すことが、これからチームの指導者には必要になってきます。


  また、そういう組織がどんどん出てこない限り、新しい社会は生まれないと僕は思います。


引用先:

「組織の活力をどう生むか」 

平尾誠二(神戸製鋼ラグビー部ゼネラルマネージャー)&中田宏(横浜市長)

『致知』2005年6月号特集「活力を創る」より

0