部活動
JA杯で目指すバレー
榎原中男子バレーボール部のモットー
「バレーボールを通して人間力を高める」ことを目的に、それぞれが自分の長所を生かすことができる全員バレーを目指している。全校生徒が22名と少なく、部活動以外の時間でもたくさんの時間を一緒に過ごしているからこそできる、“心”のつながったプレーを1つでも多く出すことができるように、日々の生活から何事にも全力で取り組むようにしている。
榎原中男子バレーボール部の特徴
⑤、①、④の3人のスパイカーが、どんな状況からも一斉に攻撃していくシンクロ(同時多発)攻撃を目指している。そのために、③と⑩を中心とした粘り強いレシーブから⑦のクイックや時間差、バックアタックをからめた多彩なトス回しで相手を翻弄していきたい。また⑧と⑨も、苦しい場面でサーブや声などでチームに流れをもってきてくれることを期待している。8名全員の気持ちをシンクロ(同調)させ、どんな状況でも最後まで全力を尽くし、観ている人が応援してくれるようなプレーができるようにしていきたい。
榎原中男子バレーボール部選手紹介(監督記入)
①ゲームキャプテンとして、すべての面でチームの中心となってくれることを期待している。
③レシーブの中心として、チームの守りを支えるプレーと声を期待している。
④攻撃の中心として、1年生らしく思い切ったプレーで攻めていく姿勢を期待している。
⑤エースとして、力強いスパイクとブロックでチームに勇気を与えるプレーを期待している。
⑦セッターとしてチームのコミュニケーションの中心となり、チームの良さを出すトス回しを期待している。
⑧厳しい場面でサーブで攻めてくれることを期待している。
⑨苦しい場面で声を出して盛り上げてくれることを期待している。
⑩レシーバーとして、決して手を抜かず、最後まであきらめないプレーを期待している。
榎原中男子バレーボール部選手抱負
①ゲームキャプテンとしての仕事をしっかりとし、心を繋いで笑顔を絶やさずにプレーをします。
③副キャプテンとして、声をチームで一番出して盛り上げ、レシーブの中心として守りの指示を積極的に出します。
④スパイクでは、ブロックを利用して点を取っていき、得意のサーブではコースを狙って1点でも多く取ります。
⑤エースとして、高さを生かしたブロックとクイックで活躍し、常に声かけをしてチームの雰囲気を作ります。
⑦スパイカーが打ちやすいトスを上げて、強気なトス回しで攻めるバレーをします。
⑧レシーブは必ず繋いで、得意のサーブで攻めます。
⑨自分の武器である声を生かしてチームを盛り上げ、サーブやレシーブでも次に繋がるようにプレーします。
⑩フェイントボールを絶対に落とさず、笑顔を保ってプレーします。
以上のようなことを心に刻んで、現時点でできる精一杯の榎原バレーを身体全体を使って表現してくれることを期待しています。
集中力とは?
そんな中、東大生に聞いた天才とは何かという記事の中で、その東大生は「人並み外れた記憶力」と答えていました。その理由として、本当は“集中力の高さ”が一番大事ですが、 “集中力”を比べる術はありません。そこで“記憶力”は集中の度合いが左右するから、“記憶力”が高ければ“集中力”が高いということを表していますというようなことが書いてありました。
なるほど、勉強が苦手な生徒でも、好きな歌手の歌詞や、ポケモンのキャラクターなどは簡単に記憶することができます。つまり、興味があることには自然と“集中”して“記憶”するのでしょう。勉強やスポーツもこのように覚えてくれたらと感じる人は多いのではないでしょうか。勉強でも、ただ一夜漬けでテストの点を取るために覚えたことはすぐに忘れてしまいますが、内容に興味をもったり必死で考えて取り組んだりしたことはいつまでも記憶に残ります。“記憶”するためには“集中力”が必要で、その“集中力”を高めるには、その物事に対する興味・関心・意欲が必要だということだと思います。
また、いろいろと調べていると、集中力を高めるコツとして5つのSというものがありました。それは、
Simple(シンプルな)
Small(小さな目標を)
Single(1つだけ)
Short(短い時間)
Smile(楽しみながら)
このように、なるべくハードルを下げ、集中できる環境を創り出すことが集中力を高めるためには必要であるということです。指導者としてはこのような環境を意識して練習を組み立てたり、試合の中で指示を出したりしなければなりません。
こういったことを調べていくうちに、今回春高バレーで優勝した下北沢成徳高校の小川先生が以前講演でおっしゃっていたことの意味がよりわかってきました。(小川先生の講演についてはhttp://cms.miyazaki-c.ed.jp/4225/htdocs/index.php?key=jokt89tii-133#_133参照)
自分の力を最大限に発揮するためには、身体的なコンディションはもちろんですが、“集中力”が大切です。そしてその“集中力”を高めるためには、興味・関心・意欲をもって自分がやっていることに取り組むことが重要です。また、自分が集中しているかどうかということは、自分がこれまでにやってきたことをしっかりと“記憶”しているかどうかにつながっていきます。それを定着させるために、記憶したことを整理したりまとめたりする時間も必要になってきます。
つまり、“気を強くもつ”ということは、今自分がおかれている状況に“集中する”ことで、“集中する”ということは、これまでの経験や現在の状況について、自分が“記憶”しているものの中からベストな行動を選択し、それを実行することだと思います。
“気を強くもつ”⇔“集中する”⇔“記憶する”
このような観点から自分の指導を振り返って見ると、選手が自分たちで考える時間を多くとる、目標を明確にしたり練習を楽しませたりするための練習メニューを工夫する、積極的な休養をとる、ミーティングやバレーノートでの振り返りを工夫するなど、まだまだ改善の余地があります。
“気を強くもつ”ため、“集中力”を高めるため、“記憶力”を高めるために大切なことは、理論的には以上のようなことだと分かりましたが、結局一番は、バレーボールが好きであるという“心”や仲間を思いやる“心”だと私は今改めて感じています。その気持ちを育てるためにはどのような指導をすればよいのか。私も原点に戻ってもう一度自分の指導を振り返り、選手たちとともに人間力を高めていきたいと思います。
※ 赤字は引用
強い気持ちとは?
榎原中の大きな改善点の一つに、“強い気持ち”をもてないということがあります。これは特に連続失点の場面や、緊張している場面などに顕著に表れます。普段と違う状況や厳しい状況に舞い上がってしまい気持ちが不安定になった結果、集中力がなくなってしまいます。もちろんそんな場面を想定した練習はしていますが、こうなってしまうと、それぞれがバラバラにプレーしはじめ、結局ただただ流れに身を任せるしかなくなってしまいます。
では、この“強い気持ち”というのは、いったいどのような気持ちのことでしょうか。一言で言えばどんな状況であろうと“集中力”を保つことだと思います。では、“集中力”とは何なのでしょうか。どうすれば集中することができるのでしょうか。あるホームページに以下のようなことが書いてありましたので引用させていただきます。(以下赤字はhttp://www.chs.nihon-u.ac.jp/pe_dpt/mizuochi/sposin-e/kojin/mune/hb1.htmlより引用)
集中とは、「人の脳の中では、各所の感覚が適切な仕事を行い強調することにより能率を上げたり力を発揮したりしている。1つの感覚が仕事をしている時、他の感覚はその感覚の邪魔にならないようにあえて仕事をしていない。たとえば、勉強しているときに一番使うのは視覚であり、集中していると周りの雑音や臭いは気にならなくなる。こういった感覚の協調関係を集中という」とのことです。
そして、その集中をうまく使う能力を集中力といい、その具体的な働きとして、以下の3つの能力を上げています。
① 注意を集中する能力
これは注意の範囲を狭くし、一転に注意を集める能力で、例えば弓道など的が一つに限られている場面で必要とされている。
② 注意を払う能力 これは①とは逆で注意の範囲を分散する能力で、サッカーの中田が試合中にキョロキョロしているのは周囲全体を把握するためであり、多くの情報を取り入れようとするときに必要とされる能力である。
③ 関係ないものによって気を散らされることを避ける能力
イアンソープは、スタートの合図が鳴った後、ゴールの壁にタッチするまでの記憶がほとんどにならしい。これは、レース以外の邪魔な情報を一切除去し、集中を極限まで高めたことによって起こることである。つまり集中力を余計な情報へ向けることを避ける能力である。
さらに、集中の種類について以下のように書いてありました。
集中には、大きく分けて内的集中と外的集中があります。
内的集中…集中の対象が自分の心の内面に向けられる集中。心の中に心の目で見える対象物が必要になる。この対象物がなければ、集中力を向けるべき的がないようなものなので、心の目はさまざまな雑念的な事柄を拾い上げてしまう。前途のようにこれでは集中力は高まらない。
外的集中…視覚を通した外の世界に向けられる集中。視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚の五感を通して外の世界に向けられる集中のことである。スポーツの場合は、特に視覚が必要だ。
さらにこの外的集中は以下の2つに分けられます。
外的集中は一点集中(コンセントレーション)と分散集中(フォーカス)に分けられます。一点集中は、球技などでボールに対して一点に集中を傾けることで、これが欠如するとボールに目がついていかなかったり、見失ってしまったりします。分散集中は、相手や味方などの動きや配置などの、周囲の状況に対する集中をさし、どちらかというと広い範囲での集中であり、これが欠如してしまうと周囲の正確な情報をキャッチできないため、判断ミスが生じてしまいます。このように、多くのスポーツは一点集中と分散集中の両方が必要であり、しかも細かく組み合わされているため、二つの切り替えをスピーディに行うことも重要です。
ここまで書いてあることを読んだのですが、だからどうやって集中させればよいのか、集中力をつけるためにはどうすればよいのか、そもそもどうやって集中しているかどうかを見分けることができるのかいうことについては、いまいち分かりませんでした。
気を強くもつためには集中力を高めることが必要なので、もう少し集中について考えてみたいと思います。
這い上がる
JA杯を1週間後に控えて、先週末の土曜日は山之口で練習試合、日曜日は久しぶりに榎原で練習をしました。山之口には、鹿児島県から来ていただいた川内北中と加治木中に加え、高原中と三松中の5校での練習試合でした。川内北中のN先生には、宮崎正月合宿をはじめ、私はもとより、宮崎県の男子バレーボール界全体が大変お世話になっています。また、加治木中のK先生にも、鹿児島の大会や合宿などに行くたびにとてもよくしていただいています。今回、わざわざ宮崎県まで来ていただき、鹿児島県のしっかりと鍛えられたチームを見て、改めてたくさんのことを勉強させていただきました。
試合のほうは、8勝1敗で、加治木中に2勝1敗でした。先週は、前回の練習試合での情けなさを教訓に、テーマを声とレシーブの形に絞って、スパイク練習はせずに修正してきました。まだまだその場しのぎのプレーをする場面が多くありましたが、成果が少しは出た一日になったと思います。
加治木中は前チームの時からとてもレシーブがよく、しっかりつないでコンビを使ってくるチームです。榎原中もつなぎは良い方なのですが、逆にこのようなチームとの試合になると、粘り負けしてミスをして負けてしまうケースが多いです。実際、佐土原中や福島中に負ける原因も、両チームとも強力なエースがいるということはありますが、それ以上にレシーブで粘られて集中力が切れてきて、最後は形が悪くなりミスで終わるといった感じです。
実際に加治木中に敗れたセットは、スコアは22-25だったのですが、そのうち、サーブミスが3本、スパイクのネットやアウトが6本、サーブキャッチミス(相手のサービスエース)が4本の計13点が相手コートに返らず、自分たちから相手に楽に与えた点数でした。もちろんこの数字に表れていないミスもたくさんありますが、少なくとも25点中の半分以上が完全に自分たちが与えた点数で、相手は12点しか取らなくて良いわけですから、おのずと結果も厳しいものになります。
そのような内容をふまえて、日曜日は、さらに形を徹底することとコミュニケーションをとること、そして練習試合で気になった技術的な修正を行いました。しかし、練習をしていてもいまいち“気”を感じません。おそらく本人たちとしては“気”を入れて練習している“つもり”なのですが、それが“行動を伴っていない”のです。副顧問のK先生もおっしゃってくれましたが、周りから見てそのような気持ちを感じなければ、それは思っていないのと同じだということです。追い込んでそこから吹っ切れて自分を変えてほしいのですが、一朝一夕ではそこまでなかなかいきません。もちろんこれはすべて私の指導力不足につきるのですが、粘り強く指導していくしかありません。
今、体育館には部員全員で作った“心”という文字が飾られています。これは私の指示ではなく自分たちで作ったものです。このようなことは初めてだったので、特に触れてはいないものの、彼らの大きな成長を感じているところです。
8人+2人の“心”をしっかりそろえて、榎原中の武器は“心”ですと自信をもって言えるようなチームになるよう、精進しましょう。
どん底
正月合宿を終えて、ほっとしたのもつかの間、今週は土曜日が山之口町で、日曜日は日南市で練習試合を行いました。
山之口には高原中・西小林中・宮崎西中・姫城中との練習試合でした。結果は高原中に2敗、姫城中に1敗し、7勝3敗でした。私が正月合宿以降体調を崩して休んでいたので、久しぶりにチームを見ましたが、練習でやるはずだった正月合宿で気になった部分を少し修正してゲームに臨み、ゲーム中に細かい修正をしていきました。たくさんの修正点があったのですが、そのほとんどがサボりとコミュニケーション不足によるものなので、自分たちの意識を高めれば防げるということを伝えて、私は県選抜の解団式の準備で山之口を離れました。その後、午前中はその修正点に対して集中力が続き結果も内容もよかったようですが、午後からは集中力が落ちてしまい、結果も内容も散々なものだったようです。
日曜日は高原中・佐土原中・本郷中・福島中との練習試合でした。例年であればこの時期には県大会に出場したチームを中心に参加する鶴田病院杯があるのですが、今年は体育館の改修工事等の影響で中止になったので、早い段階で練習試合を組んでいました。来ていただいたチームは、どのチームも県のトップを狙っているチームで、JA共済杯に向けて、このレベルでどのくらい自分たちが目指すバレーができるのかということを試す絶好の機会でした。が…。
結果は本郷中に2勝で、あとの3チームには6セット全て勝てず、内容もふるいませんでした。榎原中以外のチームはそれぞれテーマに沿った迫力のある試合を展開していました。中でも本郷中は、最後のセットで佐土原中からセットを奪うなど試合を通してどんどん成長していました。一方の榎原中は、勝つときはサーブで、負けるときもサーブでという、ほとんど得るものの無い一日となりました。
その原因は何なのかというと、技術的には基本的なプレーがいいかげんであること、精神面ではチームとしてまとまっていないということにあります。
基本的なプレーについては、日々の練習の中ですべて形を意識して行っていますが、年末年始、そしてここ数日と全く練習を見ることができませんでした。その結果、まだ基本的な形が身に付いていない選手が多い榎原中は、それぞれの形でバレーをするようになっていました。そのようないいかげんなプレーでは安定したゲーム展開ができるはずもなく、一つのミスからどんどん崩れていったという状況です。
また、チームとしてまとまっていない部分については、まず大前提である8人全員がそろっていません。そして、コート内でほとんど意味のある声が出ていません。結果、お見合いやコンビミス、狙いが徹底できない、人任せなプレーなど、まるでチーム結成当初のようなバタバタしたゲームをずっと続けていました。
こういう状況では、もう何を言っても無駄なので、とりあえず一日を怪我無く過ごすことと、早く終わって練習がしたいという思いの中一日が終わりました。このような状況で練習試合をしてしまったことについて、せっかく来ていただいたチームには大変申し訳なく思っています。
JA共催杯まで、あと2週間という時期ですが、チーム状況は最悪と言わざるをえません。しかし、どんな逆境であっても、ブレずに目標に向かって努力を続けるしかありません。目標である、JA共催杯で優勝して九州大会に出場するために、もう一度、心を強くもって、初心に戻ってこの代の榎原バレーを追い求めましょう。