2023年10月の記事一覧
高千穂高校2年生「進路講演会」で講話
高千穂高校では2年生に「進路講演会」が企画され、10月24日(火)に同校体育館において
「君たちはどう生きるか ―君たちの未来は可能性に満ちているー」と題して講話しました。
2年生の生徒たち(90人)とその保護者の方々(70人)が参加されました。
PTA集会に併せて「進路講演会」として企画されたものです。
社会や若者の意識が大きく変化しています。就活の現場がどう変わっているのか、新入社員を迎える企業の現場で何が起きているのか、を伝えたいと思いました。
そして、子供たちへの接し方を変えなければ、将来子供たちは幸せをつかむことはできない。
社会(将来)を考えさせきれていない学校と家庭の教育に問題があること。
さらに、子供たちが漕ぎ出す社会は可能性に満ちていることを伝えなければならないと話しました。
(トータルコーディネーター 水永)
体育館で話を聞く生徒たちと保護者の皆さん
高鍋高校で普通科CI(キャリア情報)クラス1年生向けに「対話でぶつける日」が開催されました
9月22日、宮崎県立高鍋高等学校(以下、高鍋高校)で、児湯地域を中心に様々な進路実現を果たした14名の方に講師としてお越しいただき、普通科CI(キャリア情報)クラス1年生 2クラス(43名)との「対話でぶつける日」が開催されました。
最初は会場に緊張感が漂っていましたが、対話を重ねる毎に生徒たちが活発にメモしたり質問する姿が見られ、会場全体の気温が上がったと感じられるほどに。実施後の生徒アンケートでは「25分の対話の時間があっという間だった」「もっと話したかった」との声が多く上がりました。
<生き生きとした表情溢れる生徒たちと、会場の外で撮影(左下の紹介ボードは誰のものでしょう?)>
「ひなた場」や「哲学対話」等、対話型プログラムのパッケージはすでに存在しますが、一貫してこだわってきた「対話でぶつける日」が、どのような背景で企画・準備されてきたのかに特にフォーカスを当て、報告します。
【背景】
今年5月、高鍋高校の普通科CI(キャリア情報)クラス1年生のうち1クラスを担任している先生より「対話でぶつける日」の打診をいただきました。
上にも記載したとおり、「ひなた場」や「哲学対話」等、対話型プログラムはすでに存在します。そうした既存のプログラムを使った方が取り組みやすく、主な流れが決まっているため前後の見通しが立てやすいという意味で安心感もあります。対話にご協力いただく地域の講師14名の皆様をはじめ、関わってくださる方に向けての丁寧な説明や、生徒向けの準備、そのためのスケジュール確保も予想されましたが、それでもやるという熱意に、コーディネーターも覚悟をきめたのでした。
対象となっている高鍋高校普通科CI(キャリア情報)クラスは、大学進学のみならず、専門学校進学、就職(公務員・民間就職)など多種多様な進路実現を目指す生徒が在籍しています。 その中で特に1年生は進路研究の初期にあたり、ぼんやりと夢を描いている生徒やまだ夢が見つかっていない生徒もいます。高校生活の早い段階から、目標やビジョンを持つことは将来に向けて具体的な行動を決める助けになります。こうした生徒たちの背景を考え、進路実現に向けて高校3年間のビジョンを描くことを目的として企画されました。
この企画のコアビジョン
- 進路研究を通じて自分を見つめる・見つめ直す
- 対話を通して自分の強み・良さを見つける
- 社会に参画する態度を育む
- 地域の人と対話を通して地域の良さに気づく
【事前準備】
企画を実施するにあたって事前準備として実行したことは、大きく2つあります。
①講師向け
1つ目は、開催背景やコアビジョンを含めこの企画の趣旨を講師の皆様に賛同いただいた上で、「キャッチコピー」や講師を表す「5つのキーワード」を事前にいただくことです。
講師の方々とはできる限り直接お会いして、お一人お一人に企画の主旨を説明し、ご協力をお願いしました。直接お会いできない県外の方にはオンラインで説明する時間をいただきました。
また、生徒たちと講師の方々をつなげるための工夫として、講師の方々には事前にキャッチコピーとご自身を表すキーワードをGoogleフォームに入力いただき、それを元に対話グループのマッチングを行いました。
<Googleフォームを使って、講師の方々にキャッチコピーとキーワードを入力いただきました>
②生徒向け
2つ目は、生徒による自己の棚卸しです。
6月、人生グラフを基に自分の無形資産を考える時間をとり、過去の出来事の棚卸しを行いました。7月は職業ガイダンスに参加し、様々な職業に触れる機会を持ちました。また、得手不得手に関係なく対話にチャレンジできるよう、自己紹介ボードを作成し、当日も見ながら話せるようにしました。
<自己紹介ボードを使って、自分のことを講師やグループメンバーに紹介>
<企画立案から開催日までの大まかな流れ> ※Co:宮崎県キャリア教育支援センターコーディネーター
【開催日当日】
普通科CIクラス1年生2名による進行で、和やかに進みました。
<当日の進行・タイムスケジュール>
山尾校長先生のあいさつからスタート。このような機会が生徒たちにとってはチャレンジであるかもしれない点について触れ、「ぜひ、引き出していただけないでしょうか」と講師の皆様へのお願いとしてお話しされました。
対話の前には、バラの生産者兼フローリストとして花の魅力を発信する児玉 光世(こだま こうせい)様に、「働くこと」をテーマにした全体講話を行っていただきました。
働くというテーマと個人の幸せを結び付けて生徒たちに語りかけてくださり、対話に向けて生徒たちの期待が高まるのを感じました。
いざ対話へ・・・! の前に、企画者である井上先生(情報科)から「どんどん思いをぶつけましょう!」と熱いエールが生徒の皆さんへ送られました。まさに企画タイトルにもなっている「対話でぶつける日」らしい一幕。
いよいよ生徒は第一回目の講師の元へ。ご講演いただいた児玉様や、高鍋高校OB・OG、地域企業の皆様が生徒と向き合い、お話をしてくださいました。生徒たちはそれぞれに、計3名の講師との対話を通して色々感じていたようです。
生徒からの声を一部紹介します。
【振り返り】今回の企画全体を通して気づいたことや変化があったこと、これからに向けてについてまとめてください。
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また、講師の方々からの実施後アンケートを見ると、この企画に興味を持ってくださっただけではなく「地域貢献」「高校生のリアルへの関心」「依頼主の熱量に心を動かされた」ことも、ご協力いただけた理由の一つになっていたことが分かりました。
学校では講師の方に時間を割いていただくことへの申し訳なさが根底にあるようで、依頼文書1枚お渡ししただけで当日を迎えてしまうこともあると学校現場から伺います。一方、講師より「会社にわざわざ足を運んで説明をしに来られたことに熱意を感じた」というコメントもいただきました。
言葉で書くのは簡単ですが、持続的な関係性を目指すためには、地域と学校が遠慮しながらでは限界があるのかもしれません。「WHAT」「HOW」の前に「WHY」も含めた思いのレベルで対話を促していくことも、コーディネーターに求められる役割かもしれないと感じました。改めて、ご協力してくださった皆様に感謝申し上げます。
【実施後1ヶ月経過】
R5年度第一号センター通信掲載の機会をいただきましたので、ご担当の井上先生にコメントをいただく流れで、振り返りと今後についてお伺いしました。インタビュー形式でお届けします。(右:高鍋高校・井上先生)
(コーディネーター 福島)
延岡市立 旭中学校3年生「課題探究学習」最終発表会
旭中学校3年生(3クラス、82人)は、「10年後の世の中と私 SDGsを通して考える」をテーマに、5月から半年間、課題探究学習(PBL)に取り組んできました。10月20日(金)に最終発表会が開催されました。
5人のメンターの方々から「ミッション(課題テーマ)」を提示いただき、同じテーマに3グループが取り組みました。同じテーマでも視点や解決策は多様なものになっていました。
今回メンターから提示された「ミッション」は次の通りでした。
1)第一次産業 (請関 礼さん)
① 延岡市の水産業が持続可能な成長、発展をしていくためにどのような課題があるかを考え、その課題を解決する方法を提案してください。
② 延岡市の水産業(漁場や環境に着目)、水産物の魅力を見つけてください。また、その魅力をより多くの人に知ってもらうためにはどのような方法がありますか。
③ 現在、漁業者の高齢化と担い手不足が問題になっています。この問題を解決するための課題を見つけ、解決方法を提案してください。
2)工 業 (牧瀬 健吾さん)
「あなたが推したい「工業都市・延岡」の「企業」とその「魅力」を教えてください。また、あなたの推す企業が更に輝き、成長するためには、どのようにプロデュースしますか?」
3)商 業 (竹中 大貴さん)
「延岡の中心市街地が持続的に発展していくために、どのような問題があるかを考え、その問題を解決するための方法を提案してください。」
*中心市街地とは、山下町、栄町、幸町(山下新天街、駅前複合施設)です。
4)観 光 (荒木 俊輔さん)
「延岡はどんな街? そして、10年後の延岡はどんな街になっている?」
・生徒さん達が延岡をどんな風に思っているか自由に話し合いをしてもらい、その中で延岡の強みや課題点などを知ってほしい。その中で延岡の観光はどんなものだろう?をそれぞれ考えてもらいたいと思っています。
・最後に、調べた中で10年後の延岡はこんな街だといいな、を想像してもらいたいと思っています。
5)医療福祉 (鈴木 伸宮さん)
「コロナ禍で医療システムが機能しなくなる「医療崩壊」が懸念され、医療は限りある資源であるということが分かった。10年後の延岡でも安心して医療を受けるために、どのような課題があるかを考え、その解決方法と自分たちにはなにができるのかを考えてみよう。」
<ねらい>
・過去に延岡で起こった「医療崩壊」の出来事と、そこからの取り組みを知ってもらい、今~10年後の課題、あってほしい医療環境を、視点(自分・家族など)を変えて想像し、そこにむかう過程での課題解決方法を考える。
・視点を変えて調べ、考えるなかで、医療を身近に(自分事として)感じてもらい、今~10年後の自分ができる関わり方を考えてほしい(医療を受ける側・支える側・守る側など)。
※生徒の中から「自らが医療関係職に就く」という関わり方がでてくれば、(可能であれば、)あさひタイム終了後にはなりますが、「地域医療を支える人材育成講演会」に参加していただき、自らが医療に関する職業を目指そうという目標を抱いていただけたらと考えています。
6)スポーツ (長野慎太朗さん)
1.小中学生の運動能力の低下を防ぐためには ?
2.運動をしていない人が運動を習慣化するためには ?
3.天下一!のべおか中学駅伝競走大会で交流人口を増やすためには ?
(トータルコーディネーター 水永)
これまでの探究学習の成果を発表する生徒たち 一緒に参加していただいたメンターの方々
高岡中学校3年生向けに「これからの時代に身につけたいソーシャルスキル」をテーマに講演とワークを行いました
10月19日、高岡中学校3年生向けに「これからの時代に身につけたいソーシャルスキル」をテーマに講演とワークショップを開催しました。
目前に迫った「50周年記念」や「推薦入試・面接」等に活かすために、生徒一人一人が、場(空気)の作り手であることの体感を通して、日常の様々な場面でふさわしい振る舞いができる能力(ソーシャルスキル)を身につけることをねらいとして企画されました。
コロナの影響で学校以外の人との繋がりが希薄になり、ソーシャルスキルを身に付ける必要性を感じておられる先生からご相談をいただいたのがきっかけです。
今回はDisneyピクサー社の組織開発研修でも取り入れられている応用インプロ(応用・即興演劇)の手法を使って、ソーシャルスキルの学習を行いました。
即興演劇では、台本も打ち合わせもなくその場で生まれたアイディアを受け入れ、共創しながらストーリーを作ります。
人とのリアルなコミュニケーションも同様で、進行台本はありません。目の前の人やチームを観察し、その状態をまるごと受け入れた上で自分のコメント、アイディア、アクションを重ね、共創していくことが大切です。
即興演劇に基づいた応用インプロを活用することで、リアルなコミュニケーションについて、体感的な学びを得ることができます。
最初に先生からソーシャルスキルトレーニングの導入の目的についてご説明していただきました。
相手に良い時間を与えるためには、リアクションをすること、相手を観察することが重要で、今回のソーシャルスキルトレーニングでは観察を大切にして、観察から感じたものを、そのまま表現してほしいというお話をしてくださいました。
今回は各クラスの担任の先生にもファシリテーターとして加わっていただき、応用インプロのワークを通して、リスクをとってチャレンジしても大丈夫と思える空気づくり、失敗をしても受け入れられる、フォローしてもらえると信じられる体験の場を作っていきました。
また先生たちには「好きなもの/推し」を事前に考えおいていただき、クラスの中で発表していただきました。
生徒たちもリアクションをしながら、好きなものを楽しく話す先生の話を夢中で聞いていました。生徒たちも普段接している先生の新たな一面を見ることができたのだと思います。
先生が加わってくださったことで、場の雰囲気も盛り上がり、教室の外にまで楽しい声が聞こえていました。各クラスの担任の先生がスキルを活用してファシリテーションしてくださることで、先生と生徒の繋がりが深まる時間になったと感じています。
今後もソーシャルスキルの学びを通して、相手に良い時間を与えることについて考える機会を先生方と一緒に作っていきたいと思います。
(コーディネーター 福島)
飯野高校2年生向けに「ひなた場」の事前研修、およびコミュニケーション研修を行いました
通常の対話型キャリア教育プログラム「ひなた場」では、地域の大人と中学生が対話を行うことがスタンダードですが、今回大人の役割を飯野高校の学生が担います。
今回、飯野高校の2年生を対象に対話型キャリア教育プログラム「ひなた場」の理解を深めるための事前研修とコミュニケーション研修を行いました。
事前研修全体は、長友コーディネーターが担当。ひなた場の概要説明・人生グラフを作成した後の、コミュニケーション研修を福島が担当しました。
ひなた場では保護者・先生をタテの関係、友達をヨコの関係、地域の高校生をナナメの関係と表現しています。
今回、飯野高校の2年生と対話を行うのは中学2年生です。
中学生にとって、ナナメの関係にある高校生は人生の少し年上の先輩として、今後の進路やキャリア形成について考えるきっかけを与える存在になります。
ひなた場のプログラムで中学生と繋がりを作るための準備として、コミュニケーション研修を実施しました。
最初に「自分よりも3つ年上の人がどのように接してくれたら嬉しいか?」というテーマでアイディア出しを行いました。
そのことを考えた上で、自分たちが中学生にどのように接したら良いか、マインドの部分を考えていきました。
その後、傾聴のスキルや手法をお伝えしました。取り入れたのは、即興演劇で用いられているコミュニケーションワークです。
話しやすい空気を作るために、お互いのニックネームを呼び合ったり、失敗を称賛するワーク、またリアクションの有無で話しやすさがどのように変わるのかを体感するワークを行いました。
ワークも盛り上がり、楽しい雰囲気の中、傾聴やリアクションの重要性を体感し、自分なりのコミュニケーション手法を見つけるための学びを深めていきました。
ひなた場の本番でも、中学生・高校生それぞれが有意義な時間を過ごせるよう、サポートして参ります。
(コーディネーター 福島)
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(宮崎県教育研修センター みやざき学びサポートプラザ内)
電話番号:0985-24-3156
FAX番号:0985-24-3578
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