2024年1月の記事一覧
正統。これぞ「わさび」授業也!
6年生の「わさび授業」が、完成の域に近づきました。
仲間との協働学習もすっかり様になり。
主体的なコミュニケーション態度もピーク値に近づいています。
さて。
長くなります!
正統。久しぶりの6年生「わさび」授業。
はじまり、はじまり・・・。
【問題】
1、2、3、4のカードを使って、できる数字はいくつでしょう?
6年生、一生懸命に考えていました。
えっと・・・。
図を使うとこうなるから・・・。
見事な樹形図です。
御指名を受けた子どもさん、発表です。
ということで、こうなります。
答えは・・・。
それぞれに、3個ずつあるから・・・。
担任先生。いつもの定位置。教室の後方に構えます。
次のお子さんには式を発表させます。
だから、3×4で、12です。
このステップで担任は、必ず聞きます。
「ここまで、分かった人。」「わからない人。」
「解き方・考え方について、友だちに説明してみよう。」
このステップがとても重要な「協働学習」となります。
飽きの来ない、自分・全員が主役の活動の開始です。
子ども達、一斉に「組み合わせ」について協議を始めます。
4つ数字があって、それぞれ、3つずつ組み合わせられるから。
3×4で、12通りだよ。
全員が完全に理解するまで、リフレインが続きます。
まさに、子ども達。
学習を「楽しんで」います。
はい、では、再度、前で説明してください。
十の位の一つの数字に一の位の数が3つあって。3×4で、12です。
みんな、分かったようですね。
では、違う方法で解いた人の解法を見てみましょう。
担任の「先を読んだ」「子どもの微細な変化をつかまえた」
意図的指名です。
一つの解法で満足しない。
追究を続ける。
この態度が、子どもが主役の授業の原動力です。
線で結んで考えます。
こうやって結ばれた数字の組み合わせは、6通り。
逆を考えて。
6×2で、12通りです。
この子どもさんのノートは次のとおり。
確かに、計算式ではない解法です。
担任、この子どもさんの反応を見落とさず、皆に考えさせたかったのです。
担任は、さらに、後一人を指名。
君も、違う考えで解いているね。どうぞ。
指名された子どもさん、うれしそう。
このように、担任は、授業の先を読み、微細な子どもの変化をキャッチする。
これを繰り返すと、必然的に、子どもに自信がつき、子どもが主役になろうとする意欲が芽生え。
「子どもが主役のわさび授業が生まれていく」のです。
新しい解法の発表に、教室中が注目です。
誰一人、目をそらす者は、ありません。
ある図が描かれて。
さあ、説明を始めよう、という、その時。
担任の作戦が始まります。
「この図の意味が説明できる人」
はい、そこで、発表男子君の役割は終了。
友だちと説明し合いなさい、という協働学習のステージに、授業は移行します。
この矢印を数えていくと・・・。
こうだから、こうなるよね。
発表者を主役にしない、全員が主役の授業。
そして。やっと、発表男子さんに再度、発表のチャンスがやってきて。
こう数えると、12通りになります。
・・・。
さて、一通り、解法は出尽くしました。
そこで、担任は、次なる課題を示します。
では、こうなったら、どうなりますか?
一つの数字が「0」になりました。
偶然に、この課題が出されたかのような、自然な問題提示。
ところが。
じつは、この問題こそが、教科書が提示する、今日の本論問題だったのです。
この問題をダイレクトに与えることもできるでしょう。
でも。
このように、子ども達の意欲を徹底して引き出し、レディネスを整えた上で問題を提示すると・・・。
子ども達は、その問題を「解きたくて、説明したくて、ヒーローになりたくて」
つまり。
学習意欲は、クライマックスに高まるのです。
協働学習を通して、子ども達は、意欲的に、主体的に、本論の問題に挑み続けます。
この姿こそが、「子どもが主役の授業」の到達点なのです。
さあ。
説明を始めましょう。
みんなで、楽しく学び合いましょう。
樹形図を使って。説明をします。
解答は、すでに3×3=9と出ています。
でも、それを、こだわりぬいて、さらに高めようと。
友だちのサポートを借りて、正解にたどり着こうと「あがく」のです。
この「あがき」がとても楽しいのです。
めずらしく先生が、直接的に黒板に近寄りました。
「この3の意味は何ですか?」
さあ。本日のメインイベントです!
子ども達は「3の意味」について、真剣に協働学習を行います。
さあ、子どもさん、指名を受けました。
みんなの視線が集まります。
この3の意味は。
この3つの数字です。
ダイナミックな線で二つの「物」が結ばれました。
なるほど。これは。
これなのか。はあ、すごいね。
実は、先を読みつくしている先生。
次に移ります。
では。
・・・えっと・・・これではどうでしょうか?
2を3に訂正し、「微妙に質的変化した問題」を提示します。
子どもと共に学びながら、ナチュラルに生まれた問題でしょうか?
いえ、いえ、違います。
皆さん。
この下の問題をご覧ください。
この問題は、教科書に提示された、最終問題なのです。
子ども達は、そうとは知らず。
授業の流れから、必然的に発生した、新たな問題に意欲的に挑みます。
「先を読んだ授業」とはこうあるべきなのです。
みな、必死に、最終問題にくらいつきます。
誰一人話す者はおらず。
自力解決に身を委ねます。
今日のこれまでの「学習」を「次のステップに生かす」ために。
解法は、今日学んだものを使い、各人様々です。
樹形図の者もいれば。
表組の者もいる。
子どもが主役の授業では。
答えは同じでも。
解法は様々になりがちです。
それが、数学を日常で扱う。
という意味なのです。
算数の学習は、明日の学習の「基礎」となり。
これからの生活の「基礎」となるのです。
さあ。
もう書くスペースがない、この黒板で、ラスト勝負が始まります。
指名を受けた子どもさん、飛んで登壇します。
教師は、再度、「脇役」ポジションに移動します。
こう考えます。すると、一つの先頭の数字に6通りの数字が組み合わせ出来ますよね。
だから。
式は、6×3となり。
18となります。
担任は、手をゆるめません。
次から次の子どもさんへ、説明を行わせます。
だから。
問題は、この「3」の意味なんです。
「3」は、実は。
ここにつながるのです!
線でつながった。
一つの真理。
この問題。
子どもが主役の授業により。
深く、子ども達の脳裏に焼き付けられました。
ここで・・・。5分の残り時間。
担任が動いた。
では。
子ども達、一斉に解決に飛びつきました。
子ども達の回答が早いことに驚きました。
繰り返された今日の学習により、深い学びが生まれているのですね。
みんな、真剣に解いていました。
さあ、そろそろ、時間です。
ラストバッターの登壇です。
偶数ですから。
一の位は2つしかありません。
一の位を2とすると、百の位と十の位は、3×2で6。
担任先生、ここでも、発表者をじらせます。
時間がない。全員、話し合って!
もう、みんな、必死です。
12の求め方を様々に話し合います。
発表者、最後のまとめです。
担任がサポートに入りました。
だから・・・。
12なのかな????
というところで。チャイム。
この先生。絶対にチャイムで授業を止めます。
「では、この続きは、また、今後としましょう。」
子ども達にどんな感情が巻き起こるか?
号令後も、この問題について、協議が続くのです。
校長は、何回もこのシーンに出くわして。
分かってきました。
チャイムで、最も盛り上がった子ども達の思考を断ち切る。
すると、次の授業への「猛烈な意欲」が継続する。
ひょっとすると。
6年生の算数授業が、「いつもチャイムで中断」するのは。
実は、先生の作戦なのでは・・・???
なるほど。
教師が「先を読む」と。
このように、ドラマティックな展開が続いていくのですね。
6年生が完成に近づいた。
子どもが主役の授業。
「わさび」の授業。
「教師は『脇役』に徹する」
「子どもの『微細な変化』に気づく」
「教師は常に『先を読み』授業を構築する」
6年担任先生。
見事也!
・・・まとめ、つかれまひた・・・。(*_*;
by 校長