部活動

部活動

逆算

 2月は基本の再構築がテーマということで、心技体のうち、すべての基本である“心”に関しては今まで通り、そして“技”の基本であるレシーブ、トス、スパイク、ブロック、サーブの形をもう一度徹底して意識させるとともに、“体”の基本である体力、特に体幹を中心とした筋力アップを徹底しています。

そんな中、学年末テストも終わり、今日から練習が再開します。当然この期間でやるべきこと、この期間でしかやれないことがあるので、トレーニングメニューなども渡してあります。ここでトレーニングをすることができていなかった選手は、おそらく夏には勝負できません。しかし8名全員がしっかりとこの期間を過ごせたかというと、まあそんなことはないだろうと思います。

中学生はまだまだ未熟なので、自ら先を見据えて行動できる生徒はなかなかいません。そこで必要となるのが、周りにいる大人の声かけです。大人の役割とは、子どもたちに先をどれだけ具体的に想像させることができるかだと思います。我々はいろんな経験を積んでいる分、今こうしなければこういう結果になる、今こうすればこういう結果になるということが想像できます。それは、ほとんどが自分の失敗経験からなのですが、それをどれだけ説得力を高めて伝えることができるかがポイントになります。


 私は、すべては逆算することが大切だと思っています。このチームのメンバーでできる最終的な形をイメージし、逆算して練習メニューや戦術を決めていっています。こうなるためにはこれが必要で、これを得るためにはこれをしなければならないということを理解して、今この瞬間に全力で取り組まなければなりません。サッカー日本代表の本田圭佑選手は、「本気でトップを目指している人間として、ただ意味もなく行動することはない。目指すところがあって、そこからすべて逆算して行動している。逆にいえば、目指すところにふさわしくない行動はしたくないというのが、自分の哲学。」と言っています。

しかし、いくらこちらが逆算して様々なことを考えていても、実際に試合や練習をするのは選手なので、結局個人の意識に頼ることになります。それぞれがこちらの計算を上回るほどの準備をしてくれれば、そのときは本当に素晴らしいチームになるはずです。がしかし、それにはまだまだほど遠い現状です。

 というわけで、夏への準備として基本をもう一度見直しているのですが、今週末は鹿児島県に遠征に行きます。2月は練習試合はしない予定だったのですが、宇都中のS先生から練習試合のお誘いを頂き、呼ばれれば断らない主義なので快く参加させて頂くことにしました。来週もろうきん杯には参加せず、2月の集大成としてじっくり基本の確認をするので、今やっている基本の形を、試合形式の中でどれだけ意識することができるか。実りのある週末になるように、テーマをもって練習試合に臨んでくれることを期待しています。

0

夏の準備開始

 JA杯も終わり、2月に入りました。この時期は学年末テストや入試前後ということもあって、あまり外に出ず、勝負の夏を見据えてじっくりチームの骨格を創り上げる時期にしています。そのため、練習も基本的な内容と筋力アップを目的としたメニューにしています。
 チーム結成当初の夏にひたすら基本の形を作っていたのですが、5か月もするとその形が崩れてきています。その理由としては、練習最初の一番大切な基本練習が雑になってきていることと、様々な試合を経験する中で、形にこだわらず、目の前の一本をとりあえず上げる、決めると言った場面が多くあったことが原因にあると考えています。その結果、一応レシーブは上がっている、スパイクは決まっているものの、形が崩れており、今は良くても、高さやパワーがついてくる夏には決して通用しない状態になってしまいます。その形をもう一度作り上げるために、この2月は基本の形とその形をするために必要な筋力を徹底して鍛えなければなりません。
 そのために、今までは自主練の中で行っていた筋力トレーニングを、部活動の時間内で行うようにしました。筋トレは正しいフォームで行わなければ効果はありません。実際トレーニングをさせたところ、まったくできていない選手がほとんどでした。ボールを扱う技術ももちろん大事ですが、こういった自分の体を扱う技術も同じくらい大切です。 また、このトレーニングにはけが防止の意味も含まれています。
 この時期になると、これまでの疲労の蓄積や寒さのために、ベストコンディションを保てない選手が出てきます。ボールを使った練習がメインになると、どうしても無理をしてしまいます。そこで、ボールを使った練習をなるべくシンプルに短くすることで集中力を高めるとともに、余った時間でじっくりとそれぞれに合わせたトレーニングをするようにしました。
 これらのトレーニング内容について、専門ではない私はとても苦労していたのですが、とにかく筋力トレーニングや体幹トレーニング、そしてストレッチについて調べました。時間や道具の制約、バレーボールに適しているかどうかなど、考え始めたら切りがありませんでした。そして、何冊もの本やインターネットで調べた情報を元に、できるだけ効率よくバレーボールに必要な筋力を鍛えるためのメニューを組んだつもりです。
 しかし、実際にトレーニングをするのは選手たちです。基本練習もトレーニングも、ただやるだけではほとんど効果がなく、逆にマイナスになることすらあります。いかに意識してトレーニングや基本練習に取り組むことができるか。それは、勝負の夏に自分たちがどんなバレーをしているのかというこ
とです。夏に悔いを残さず全力を出し切ることができるように、いまから先を見据えてしっかりと取り組み、地区大会までにしっかりとした体と基本的な技術を身につけつことができるように、それぞれが意識してトレーニングに励んでほしいと思います。

0

大きな2点差

 4日間にわたって行われた第33回JA共済杯UMK中学校バレーボール大会は、男子優勝が福島中学校、女子優勝が尚学館中学校で幕を閉じました。結果は以下の通りです。


 準決勝(第3位)

 榎原中 1(25-15、16-25、23-25)2 福島中


 福島中とはこれまで公式戦で4回対戦しており、サマーリーグでは1-2、地区中体連では2-1、霧島盆地大会では1-2、ウインターリーグでは0-2と1勝3敗と負け越していました。地区のライバルとして今回何としても勝ちたいところでした。前日の日向学院中戦の後、しっかりとミーティングをし、万全の作戦を立てて試合に臨みました。


 1セット目はその作戦通りに試合が展開し、ほとんど両エースに仕事をさせずにセットを奪うことができました。しかし、2セット目は逆に相手のサーブに押され、両エースに点を取られ、逆にセットを奪われました。

 勝負の3セット目。やることは特に変わらず、お互い五分五分の中、あとはいかに気持ちを集中できるか、我慢をすることができるかという状況でした。試合は、終始福島中にリードされる展開のなか、なんとか我慢し、粘って繋いで、苦しい場面でも練習通りの早い攻撃をしかけていった結果、23-23でようやく追いつきました。ここからは気持ちで踏ん張るしかないという状況でしたが、いつものように追いつくことに力を使い果たした榎原中は、最後のスパイクも、まだ余力が残っていた福島中が意地でワンタッチを取り、滑り込んでそれをつなぎ、エースがチャンスで返さずに打ち込んだボールがコート中央に落ちて敗れました。

 結果として勝負に敗れはしましたが、内容としては練習でやってきたことをしっかりと出し、自分たちのバレーを最後まで貫き通せたのではないでしょうか。もちろん、ミスも多くありましたが、それも練習の時からそういう部分があったので、いまもてる力をほぼ出しきった上で、福島中の力が上だったということです。


 その後、福島中は絶対的チャンピオンだった佐土原中にもストレートで競り勝ち、見事優勝しました。榎原中との試合でもそうでしたが、小学生の時に全国大会3位という経験をしているので、厳しい場面や苦しい場面、勝負所でしっかりといつもどおりにプレーすることができる部分の差が大きいように感じました。

 
今回、2点差に泣いて、そして勝った福島中は優勝しましたが、結果的にこのたった2点差が大きな2点差となりました。しかし、この2点差は決して届かない差ではなかったと思います。現に、与えた点の中にはお見合いや確認ミス、スパイクミスなどの単純なミスが多くありました。もちろん物事にミスはつきものです。しかし、今後の伸びしろがあまりない榎原中は、普通のチームなら仕方ないと思えるような細かいミスをなくしていくことこそがチーム力をアップさせるために最も必要なことなのです。これらのことは、バレーの時間ももちろんですが、むしろバレー以外の普段の生活の中でこそ鍛えることができるはずです。

 これで福島中との差がまた広がってしまいましたが、勝負は夏です。しかし夏といっても、県チャンピオンの福島中は同地区であるので、地区大会までに追いつかなければなりません。つまり、あとわずか4ヶ月しかありません。この限られた時間をそれぞれがどのような意識で毎日を過ごすかが大切です。この2点差が永遠に縮まらない2点差なのか、それともすぐに縮まる2点差なのか。それは今後の8人の心構え次第だと思います。

 
今回、後援会や職員はもとより、地域の方々や卒業生、またJOC選抜選手や他の指導者の方々など、たくさんの方に応援していただき、終わった後も温かい声をかけていただきました。たくさんの人に支えられてバレーができているということへの感謝を忘れずに、これからも心のこもったバレーで皆様に応援していただけるようなチームを目指して、また一から頑張りましょう。
http://mvajhs.main.jp/afaffafafsafa/aaseeya/

0

九州大会出場決定!

 先週、第33回JA共済杯UMK中学校バレーボール大会でベスト16に残った榎原中は、土曜日にベスト8(鹿宮対県大会出場権)とベスト4(九州大会出場権)をかけて3回戦、準々決勝を戦いました。結果は以下の通りです。

 3回戦(ベスト8:鹿宮対県大会出場権)

 榎原中 2(25-10、25-16)0 永久津中

 準々決勝(ベスト4:九州大会出場権)

 榎原中 2(23-25、25-22、25-20)1 日向学院中


 3回戦は、朝の設定練習がほとんどできず、それから第4試合までの間に借りていた体育館での練習でなんとか身体を動かして臨みました。1セット目は先週同様エースを使わずに勝利したのですが、次戦の日向学院中戦ではエースの力が必須なので、スタートからフルメンバーで臨みました。しかし、それまでのシンプルなバレーとは異なり、レシーブフォーメーションやコンビが変わることでリズムが悪くなり、最後まで気の抜けない展開となってしまいました。結局19-16から6連続得点でなんとか押し切って準々決勝進出を決めました。

 
そして迎えた次の準々決勝日向学院中戦は、勝てば九州大会出場が決まるというとても大きなプレッシャーのかかる試合で、とてもとても苦しい試合でした。日向学院中とはこれまで練習試合で5セットしていますが、フルメンバーが相手の時は2セットとも25-23でした。能力の高い選手がそろっており、サーブで崩せないとかなり苦しくなることを予想していました。
 1セット目はのせると怖い日向学院中相手に、榎原中は何もできずに23-25で落としました。スコアとしては接戦ですが、最大13-21まで離されてしまい、相手の得点と相手のミスでしか点が動かない状況でした。この第1セットは榎原中の得点は11点で、のこりの12点は相手のミスでの得点でした。

 あとが無くなった2セット目も、終盤までは1セット目と同じ試合展開でした。ただただ相手のミスが出るのを我慢し、後半に望みをつなげていきました。中盤までリードされていましたが、16-19の相手のミスからなんとか21-21で追いつき、最後は榎原中一番の弱点であるブロックで連続得点をし、なんとか最終セットに望みをつなげげました。しかしこのセットも、内容としては負けゲームで、榎原中の得点は11点しかなく、相手のミスで14点もらっている状況でした。

 第3セットは、第2セットの中盤から狙いを絞って攻めていった結果、ようやく榎原中らしくサーブで攻めてコンビで決める展開になりました。しかし、13-9でコートチェンジをしたのですが、17-16に詰め寄られるなど、まったく気の抜けない展開でした。このセットはお互いミスの少ない展開で、かなり白熱した試合となりましたが、最後はサーブで押し切ってからくも勝利することができました。このセットでは榎原中の得点が17点と、ようやく自分たちの流れでバレーをすることができました。

 この試合は、終始失敗を恐れずどんどん攻めてくる日向学院中に対して、それをひたすら耐えて相手のミスが出るまで我慢するという試合展開でした。苦しい展開でもあきらめない、ある意味榎原中の良さが出た試合だったかもしれません。
 見ている人達からしたら見応えのある試合だったとは思いますが、当の監督はそれはもう息をする暇もないくらい、我慢・我慢の苦しい試合でした。しかし、選手たちは最後までしっかりとプレーしてくれたと思います。これでとりあえず九州大会の出場権を得ることができ、最低目標を達成することができました。
 選手にそれほど恵まれていない榎原中は、今後このような試合が多くなってきます。九州大会ではすべての試合で、この日向学院中戦のような状況になることが予想されますので、この試合に勝つことができたのは大きな収穫です。
 負けゲームでも粘り強く我慢して、仲間を信じて自分を信じて最後まで集中することができれば、きっと流れは変わり、勝ちゲームにもっていけるということ経験を生かして、これからの試合も臨んでほしいと思います。

0

第33回JA共催杯UMK中学校バレーボール大会開幕

 先週土曜日から、ついにJA杯が始まりました。土曜日の午前中は開会式でしたが、今年から全チーム参加可ということで、男子45チーム・女子91チームの計136チームが参加しており、とても壮大な開会式でした。
 
昼食を終えたあと、午後からはY先生にお願いして、大淀中で最終調整を行いました。チームとしてうまく機能していない部分が多々ありましたが、その修正をじっくりとすることができました。最後にゲームを3セットやりましたが、エースの膝の状態が悪い中、いろんな場面を想定して練習することができました。本当にありがとうございました。

 
そんな状態の中での榎原中の初戦は、まさかの第6試合!?ということで、調整をいろいろと考えました。結局雪が降りしきる中、9時から1時間半程度身体を動かした後、軽く昼食を取り、会場である生目の杜に向かいました。
 
現地に着いて対戦相手を確認すると、広瀬中でした。新チームになってからは初めての顔合わせでしたが、広瀬中は私の母校であり、前顧問のN先生の時には練習試合を何度も一緒にさせて頂きました。
 
試合としては、前日にエース無しで試合をする決断をしていました。やろうと思えばできる状態ではあるのですが、無理をさせて悪化させるわけにはいきませんでした。また、他の7人がエースに頼らずに試合をすることで、チーム力をさらに高める狙いもありました。実際正月合宿からこれまで様々なパターンを想定して練習してきたので、自信をもって試合に臨みました。結果は以下の通りです。

 
2回戦
 榎原中 2(25-18、25-10)0 広瀬中

 
やはり公式戦となると勝手が違うようで、1セット目はそんなに大きなミスはないものの、少しずつ感覚がずれてしまい、中盤までは競り合う展開になりました。序盤に相手のサーブ順ミスやローテーションミスで何度も試合が止まるなどが重なったのもありますが、いずれにせよ集中力が足りていなかったのだと思います。その象徴として、17-15までにサーブミスが4本もありました。やはりサーブミスが重なると、自分たちのバレーを展開するのは難しいということを改めて感じました。
 
2セット目はしっかりとサーブで攻め、ただレフト攻撃で点を取っていた第1セットとは違って、移動攻撃やクイック、そしてバックアタックなどを織り交ぜながら点を取るなど、相手のブロックを交わして早い攻撃で決めるという展開が増えました。また、ピンチサーバーとして出場した⑧のサーブから5連続得点したり、最後にエースの⑤が少し出場して大会の雰囲気を感じることができたなどの収穫もあり、それぞれの役割をしっかりと果たすことができたセットでした。

 これで、3回戦で永久津中と、準々決勝で妻ヶ丘中と日向学院中の勝者と対戦します。敵は相手チームではなく、自分たちです。とにかく1戦1戦、1セット1セット、1点1点、1本1本集中することが大切です。
 
この勝負の土曜日に、まずは3回戦に勝利して鹿宮対県大会の出場権を取り、次に準々決勝に勝利して九州大会の出場権を取るために、今週の生活および練習に集中してほしいと思います。

0

JA杯で目指すバレー

 明日から始まるJA共催杯を前に、秋の中体連県大会で3位だった榎原中には、有力校としてUMKからのアンケートが来ました。そのアンケートに書いた内容を紹介します。

 榎原中男子バレーボール部のモットー
 
 「バレーボールを通して人間力を高める」ことを目的に、それぞれが自分の長所を生かすことができる全員バレーを目指している。全校生徒が22名と少なく、部活動以外の時間でもたくさんの時間を一緒に過ごしているからこそできる、“心”のつながったプレーを1つでも多く出すことができるように、日々の生活から何事にも全力で取り組むようにしている。


 榎原中男子バレーボール部の特徴

 ⑤、①、④の3人のスパイカーが、どんな状況からも一斉に攻撃していくシンクロ(同時多発)攻撃を目指している。そのために、③と⑩を中心とした粘り強いレシーブから⑦のクイックや時間差、バックアタックをからめた多彩なトス回しで相手を翻弄していきたい。また⑧と⑨も、苦しい場面でサーブや声などでチームに流れをもってきてくれることを期待している。8名全員の気持ちをシンクロ(同調)させ、どんな状況でも最後まで全力を尽くし、観ている人が応援してくれるようなプレーができるようにしていきたい。

 
 榎原中男子バレーボール部選手紹介(監督記入)

 ①ゲームキャプテンとして、すべての面でチームの中心となってくれることを期待している。
 ③レシーブの中心として、チームの守りを支えるプレーと声を期待している。
 ④攻撃の中心として、1年生らしく思い切ったプレーで攻めていく姿勢を期待している。
 ⑤エースとして、力強いスパイクとブロックでチームに勇気を与えるプレーを期待している。
 ⑦セッターとしてチームのコミュニケーションの中心となり、チームの良さを出すトス回しを期待している。
 ⑧厳しい場面でサーブで攻めてくれることを期待している。
 ⑨苦しい場面で声を出して盛り上げてくれることを期待している。
 ⑩レシーバーとして、決して手を抜かず、最後まであきらめないプレーを期待している。


 榎原中男子バレーボール部選手抱負

 ①ゲームキャプテンとしての仕事をしっかりとし、心を繋いで笑顔を絶やさずにプレーをします。
 ③副キャプテンとして、声をチームで一番出して盛り上げ、レシーブの中心として守りの指示を積極的に出します。
 ④スパイクでは、ブロックを利用して点を取っていき、得意のサーブではコースを狙って1点でも多く取ります。
 ⑤エースとして、高さを生かしたブロックとクイックで活躍し、常に声かけをしてチームの雰囲気を作ります。
 ⑦スパイカーが打ちやすいトスを上げて、強気なトス回しで攻めるバレーをします。
 ⑧レシーブは必ず繋いで、得意のサーブで攻めます。
 ⑨自分の武器である声を生かしてチームを盛り上げ、サーブやレシーブでも次に繋がるようにプレーします。
 ⑩フェイントボールを絶対に落とさず、笑顔を保ってプレーします。

 以上のようなことを心に刻んで、現時点でできる精一杯の榎原バレーを身体全体を使って表現してくれることを期待しています。
0

集中力とは?

 前回、自分のもっている力を最大限に引き出すためには、“強い気持ち”が重要であり、その“強い気持ち”とは何かというと、どんな状況でも“集中することができる力”だと述べました。しかし、“強い気持ち”や“集中力”といっても、抽象的で形がなく曖昧なものなので、なかなかうまく伝えることができません。

 そんな中、東大生に聞いた天才とは何かという記事の中で、その東大生は
「人並み外れた記憶力」と答えていました。その理由として、本当は“集中力の高さ”が一番大事ですが、 “集中力”を比べる術はありません。そこで“記憶力”は集中の度合いが左右するから、“記憶力”が高ければ“集中力”が高いということを表していますというようなことが書いてありました。
 なるほど
、勉強が苦手な生徒でも、好きな歌手の歌詞や、ポケモンのキャラクターなどは簡単に記憶することができます。つまり、興味があることには自然と“集中”して“記憶”するのでしょう。勉強やスポーツもこのように覚えてくれたらと感じる人は多いのではないでしょうか。勉強でも、ただ一夜漬けでテストの点を取るために覚えたことはすぐに忘れてしまいますが、内容に興味をもったり必死で考えて取り組んだりしたことはいつまでも記憶に残ります。“記憶”するためには“集中力”が必要で、その“集中力”を高めるには、その物事に対する興味・関心・意欲が必要だということだと思います。


 また、いろいろと調べていると、集中力を高めるコツとして5つのSというものがありました。それは、

 Simple(シンプルな)
 Small(小さな目標を)
 Single(1つだけ)
 Short(短い時間)
 Smile(楽しみながら)

 このように、なるべくハードルを下げ、集中できる環境を創り出すことが集中力を高めるためには必要であるということです。指導者としてはこのような環境を意識して練習を組み立てたり、試合の中で指示を出したりしなければなりません。

 こういったことを調べていくうちに、今回春高バレーで優勝した下北沢成徳高校の小川先生が以前講演でおっしゃっていたことの意味がよりわかってきました。(小川先生の講演についてはhttp://cms.miyazaki-c.ed.jp/4225/htdocs/index.php?key=jokt89tii-133#_133参照)

 自分の力を最大限に発揮するためには、身体的なコンディションはもちろんですが、“集中力”が大切です。そしてその“集中力”を高めるためには、興味・関心・意欲をもって自分がやっていることに取り組むことが重要です。また、自分が集中しているかどうかということは、自分がこれまでにやってきたことをしっかりと“記憶”しているかどうかにつながっていきます。それを定着させるために、記憶したことを整理したりまとめたりする時間も必要になってきます。

 つまり、“気を強くもつ”ということは、今自分がおかれている状況に“集中する”ことで、“集中する”ということは、これまでの経験や現在の状況について、自分が“記憶”しているものの中からベストな行動を選択し、それを実行することだと思います。

 “気を強くもつ”⇔“集中する”⇔“記憶する”

 
 このような観点から自分の指導を振り返って見ると、選手が自分たちで考える時間を多くとる、目標を明確にしたり練習を楽しませたりするための練習メニューを工夫する、積極的な休養をとる、ミーティングやバレーノートでの振り返りを工夫するなど、まだまだ改善の余地があります。

 “気を強くもつ”ため、“集中力”を高めるため、“記憶力”を高めるために大切なことは、理論的には以上のようなことだと分かりましたが、結局一番は、バレーボールが好きであるという“心”や仲間を思いやる
“心”だと私は今改めて感じています。その気持ちを育てるためにはどのような指導をすればよいのか。私も原点に戻ってもう一度自分の指導を振り返り、選手たちとともに人間力を高めていきたいと思います。
 ※ 赤字は引用

0

強い気持ちとは?

榎原中の大きな改善点の一つに、“強い気持ち”をもてないということがあります。これは特に連続失点の場面や、緊張している場面などに顕著に表れます。普段と違う状況や厳しい状況に舞い上がってしまい気持ちが不安定になった結果、集中力がなくなってしまいます。もちろんそんな場面を想定した練習はしていますが、こうなってしまうと、それぞれがバラバラにプレーしはじめ、結局ただただ流れに身を任せるしかなくなってしまいます。
 では、この“強い気持ち”というのは、いったいどのような気持ちのことでしょうか。一言で言えばどんな状況であろうと“集中力”を保つことだと思います。では、“集中力”とは何なのでしょうか。どうすれば集中することができるのでしょうか。あるホームページに以下のようなことが書いてありましたので引用させていただきます。(以下赤字はhttp://www.chs.nihon-u.ac.jp/pe_dpt/mizuochi/sposin-e/kojin/mune/hb1.htmlより引用)

 集中とは人の脳の中では、各所の感覚が適切な仕事を行い強調することにより能率を上げたり力を発揮したりしている。1つの感覚が仕事をしている時、他の感覚はその感覚の邪魔にならないようにあえて仕事をしていない。たとえば、勉強しているときに一番使うのは視覚であり、集中していると周りの雑音や臭いは気にならなくなる。こういった感覚の協調関係を集中という」とのことです。

 そして、その
集中をうまく使う能力を集中力といい、その具体的な働きとして、以下の3つの能力を上げています。

① 注意を集中する能力
 
これは注意の範囲を狭くし、一転に注意を集める能力で、例えば弓道など的が一つに限られている場面で必要とされている。
② 注意を払う能力
  これは①とは逆で注意の範囲を分散する能力で、サッカーの中田が試合中にキョロキョロしているのは周囲全体を把握するためであり、多くの情報を取り入れようとするときに必要とされる能力である。

③ 関係ないものによって気を散らされることを避ける能力
 
イアンソープは、スタートの合図が鳴った後、ゴールの壁にタッチするまでの記憶がほとんどにならしい。これは、レース以外の邪魔な情報を一切除去し、集中を極限まで高めたことによって起こることである。つまり集中力を余計な情報へ向けることを避ける能力である。

 さらに、集中の種類について以下のように書いてありました。

 集中には、大きく分けて内的集中と外的集中があります。
 内的集中…集中の対象が自分の心の内面に向けられる集中。心の中に心の目で見える対象物が必要になる。この対象物がなければ、集中力を向けるべき的がないようなものなので、心の目はさまざまな雑念的な事柄を拾い上げてしまう。前途のようにこれでは集中力は高まらない。

 外的集中…視覚を通した外の世界に向けられる集中。視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚の五感を通して外の世界に向けられる集中のことである。スポーツの場合は、特に視覚が必要だ。

 
さらにこの外的集中は以下の2つに分けられます。

 外的集中は一点集中(コンセントレーション)と分散集中(フォーカス)に分けられます。一点集中は、球技などでボールに対して一点に集中を傾けることで、これが欠如するとボールに目がついていかなかったり、見失ってしまったりします。分散集中は、相手や味方などの動きや配置などの、周囲の状況に対する集中をさし、どちらかというと広い範囲での集中であり、これが欠如してしまうと周囲の正確な情報をキャッチできないため、判断ミスが生じてしまいます。このように、多くのスポーツは一点集中と分散集中の両方が必要であり、しかも細かく組み合わされているため、二つの切り替えをスピーディに行うことも重要です。


 ここまで書いてあることを読んだのですが、だからどうやって集中させればよいのか、集中力をつけるためにはどうすればよいのか、そもそもどうやって集中しているかどうかを見分けることができるのかいうことについては、いまいち分かりませんでした。
 
 気を強くもつためには集中力を高めることが必要なので、もう少し集中について考えてみたいと思います。

0

這い上がる

 JA杯を1週間後に控えて、先週末の土曜日は山之口で練習試合、日曜日は久しぶりに榎原で練習をしました。山之口には、鹿児島県から来ていただいた川内北中と加治木中に加え、高原中と三松中の5校での練習試合でした。川内北中のN先生には、宮崎正月合宿をはじめ、私はもとより、宮崎県の男子バレーボール界全体が大変お世話になっています。また、加治木中のK先生にも、鹿児島の大会や合宿などに行くたびにとてもよくしていただいています。今回、わざわざ宮崎県まで来ていただき、鹿児島県のしっかりと鍛えられたチームを見て、改めてたくさんのことを勉強させていただきました。

 試合のほうは、8勝1敗で、加治木中に2勝1敗でした。先週は、前回の練習試合での情けなさを教訓に、テーマを声とレシーブの形に絞って、スパイク練習はせずに修正してきました。まだまだその場しのぎのプレーをする場面が多くありましたが、成果が少しは出た一日になったと思います。

加治木中は前チームの時からとてもレシーブがよく、しっかりつないでコンビを使ってくるチームです。榎原中もつなぎは良い方なのですが、逆にこのようなチームとの試合になると、粘り負けしてミスをして負けてしまうケースが多いです。実際、佐土原中や福島中に負ける原因も、両チームとも強力なエースがいるということはありますが、それ以上にレシーブで粘られて集中力が切れてきて、最後は形が悪くなりミスで終わるといった感じです。

実際に加治木中に敗れたセットは、スコアは22-25だったのですが、そのうち、サーブミスが3本、スパイクのネットやアウトが6本、サーブキャッチミス(相手のサービスエース)が4本の計13点が相手コートに返らず、自分たちから相手に楽に与えた点数でした。もちろんこの数字に表れていないミスもたくさんありますが、少なくとも25点中の半分以上が完全に自分たちが与えた点数で、相手は12点しか取らなくて良いわけですから、おのずと結果も厳しいものになります。

 そのような内容をふまえて、日曜日は、さらに形を徹底することとコミュニケーションをとること、そして練習試合で気になった技術的な修正を行いました。しかし、練習をしていてもいまいち“気”を感じません。おそらく本人たちとしては“気”を入れて練習している“つもり”なのですが、それが“行動を伴っていない”のです。副顧問のK先生もおっしゃってくれましたが、周りから見てそのような気持ちを感じなければ、それは思っていないのと同じだということです。追い込んでそこから吹っ切れて自分を変えてほしいのですが、一朝一夕ではそこまでなかなかいきません。もちろんこれはすべて私の指導力不足につきるのですが、粘り強く指導していくしかありません。

 

今、体育館には部員全員で作った“心”という文字が飾られています。これは私の指示ではなく自分たちで作ったものです。このようなことは初めてだったので、特に触れてはいないものの、彼らの大きな成長を感じているところです。

8人+2人の“心”をしっかりそろえて、榎原中の武器は“心”ですと自信をもって言えるようなチームになるよう、精進しましょう。

0

どん底

 正月合宿を終えて、ほっとしたのもつかの間、今週は土曜日が山之口町で、日曜日は日南市で練習試合を行いました。

 山之口には高原中・西小林中・宮崎西中・姫城中との練習試合でした。結果は高原中に2敗、姫城中に1敗し、7勝3敗でした。私が正月合宿以降体調を崩して休んでいたので、久しぶりにチームを見ましたが、練習でやるはずだった正月合宿で気になった部分を少し修正してゲームに臨み、ゲーム中に細かい修正をしていきました。たくさんの修正点があったのですが、そのほとんどがサボりとコミュニケーション不足によるものなので、自分たちの意識を高めれば防げるということを伝えて、私は県選抜の解団式の準備で山之口を離れました。その後、午前中はその修正点に対して集中力が続き結果も内容もよかったようですが、午後からは集中力が落ちてしまい、結果も内容も散々なものだったようです。


 日曜日は高原中・佐土原中・本郷中・福島中との練習試合でした。例年であればこの時期には県大会に出場したチームを中心に参加する鶴田病院杯があるのですが、今年は体育館の改修工事等の影響で中止になったので、早い段階で練習試合を組んでいました。来ていただいたチームは、どのチームも県のトップを狙っているチームで、
JA共済杯に向けて、このレベルでどのくらい自分たちが目指すバレーができるのかということを試す絶好の機会でした。が…。

結果は本郷中に2勝で、あとの3チームには6セット全て勝てず、内容もふるいませんでした。榎原中以外のチームはそれぞれテーマに沿った迫力のある試合を展開していました。中でも本郷中は、最後のセットで佐土原中からセットを奪うなど試合を通してどんどん成長していました。一方の榎原中は、勝つときはサーブで、負けるときもサーブでという、ほとんど得るものの無い一日となりました。


 その原因は何なのかというと、技術的には基本的なプレーがいいかげんであること、精神面ではチームとしてまとまっていないということにあります。

基本的なプレーについては、日々の練習の中ですべて形を意識して行っていますが、年末年始、そしてここ数日と全く練習を見ることができませんでした。その結果、まだ基本的な形が身に付いていない選手が多い榎原中は、それぞれの形でバレーをするようになっていました。そのようないいかげんなプレーでは安定したゲーム展開ができるはずもなく、一つのミスからどんどん崩れていったという状況です。

また、チームとしてまとまっていない部分については、まず大前提である8人全員がそろっていません。そして、コート内でほとんど意味のある声が出ていません。結果、お見合いやコンビミス、狙いが徹底できない、人任せなプレーなど、まるでチーム結成当初のようなバタバタしたゲームをずっと続けていました。


 こういう状況では、もう何を言っても無駄なので、とりあえず一日を怪我無く過ごすことと、早く終わって練習がしたいという思いの中一日が終わりました。このような状況で練習試合をしてしまったことについて、せっかく来ていただいたチームには大変申し訳なく思っています。


 JA
共催杯まで、あと2週間という時期ですが、チーム状況は最悪と言わざるをえません。しかし、どんな逆境であっても、ブレずに目標に向かって努力を続けるしかありません。目標である、JA共催杯で優勝して九州大会に出場するために、もう一度、心を強くもって、初心に戻ってこの代の榎原バレーを追い求めましょう。

0