日誌

2019年7月の記事一覧

「説明会」を考えてみた(2)

 これまで直接生徒募集に関わってきた経験から、中学生や保護者が高校を選ぶ理由、高校に期待すること、魅力を感じることは、以下の様にまとめることができる。
 ①通学に有利 ②部活動 ③進路実績 ④進学、就職に必要な学力を身につけさせてくれる 
 ⑤進路に応じた選択科目を選べること ⑥行事の充実 ⑦学習の質や提供するサービス等だ。

 …ということは、これらの条件を整備すれば受検者が増えるのか?…そう聞かれると…
 そうとも言い切れない…。
  理由は簡単である。「人は、あることに自己のイメージ(先入観)があると、その認識を容易
 に変えることができない。」からだ。
  特に人生の選択で重要な「高校選択」が、わずかな説明で、そう簡単に変わるものではい。
 皆さんはどうだろうか、ある特定の高校に関するイメージ、長い時間をかけて創られた認識、
 ありませんか?本気で地域の認識を変えようとするならば、大変なエネルギーを必要とする。
  そもそも、条件整備自体「容易ではないのだ」
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「説明会」を考えてみた(1)

 ○高校説明会
   自校(高校)を中学生に宣伝して、受検する中学生を増やそう(獲得しよう)とする説明会
 ○企業説明会
   自社(企業)を高校生に宣伝して、受検する高校生を増やそう(獲得しよう)とする説明会

 私は、平成13年頃から主に中学校に出向いて、「高校説明会」という活動をしてきた。
この通算17年間、計算してみたら県内約80中学校、延べで400回近く訪問したことになる。
~「それだけやってきたなら、さぞ宣伝が上手なんだろう?」と思われるかもしれない。
 確かに、いつも私が説明した後は、だいたい次の学校説明者はやりにくそうにしている
 しかし、説明が分かりやすいことと、高校選択はイコールかと言えば、けしてそうではない。
校長によっては、パンフレットが見やすい!説明が良くなった!紹介ビデオが面白い!今年は
体験入学(オープンスクール)の回数を増やした!…から、受検者が増えた(減った)と誤解して
いる人も多いが、実際のところ受検者の増減は、宣伝努力している学校側の都合で決まるもの
では無いようだ…。(つづく)
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地元就職率UPを考える(6)

…これまでの分析から、次のことが分かる。
1 Q1 自分の進路を決めるに当たり、誰に相談したか?では、
    先生に相談する 2年生が11.4% 3年生が21.7% と10.3% 3年生で多い
2 Q3 就職の場所はどこか?との問いに
    県外希望 2年生が52.2% 3年生60.9% 3年生が8.7%多い
    県内希望 2年生が24%  3年生35%  3年生が11%多い
                        とそれぞれ3年生の方が多いことが分かる。
   * 「~の方が多い」2,3年生は連続してデータを取っていない 別の生徒

  以上から、確かに「先生の指導で」2年生よりも3年生で県外・県内の希望率は
 多い(影響している)ことが分かるが、教師が「県外就職するように誘導した指導
 はしていない」ことも、はっきりと、客観的に読み取れる。 

 ※これまで6回のシリーズで、我々工業高校教員の指導が県外就職を優先して
  いないことを証明してきた。このアンケートでは、さらに「では、どうして?」
  と言う問題の核心に迫る分析へと続くが、このブログではここまでとしたい。
   次回からは、視点を変えた「地元就職率UP」を考える話題の中で、この「核心」
  に触れていくこととしたい。
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地元就職率UPを考える(5)

Q3 就職(公務員を含む)を希望している場所はどこか?
 2年生 生徒
     ①県外52.2% ②未定23.8% ③県内24%
      保護者
     ①未定38.2% ②県内35.4% ③県外26.4%
 3年生 生徒
     ①県外60.9% ②県内35% ③未定4.1%
      保護者
     ①県外43.4% ②県内38.1% ③未定18.4%

  就職か進学かまでは、生徒と保護者の意見が一致しているが、就職先を「県外か県内か」
になると、その場所は、一致していない。
 生徒の県外指向は、2年次から3年生になるとさらに増えている。
一方、保護者の県外希望は、やや増加はしているが、2,3年ともにその1/3が依然として
県内を希望している。
 このズレを皆さんは、どう考えるだろうか?
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地元就職率UPを考える(4)

アンケート Q2 現時点での進路希望は、何ですか?
 2年生 9月結果
 生徒
 ①就職64.2% ②進学23.0% ③未定7.4% ④公務員5.4%
 保護者
 ①就職64.1% ②進学21.6% ③未定8.1% ④公務員6.2%

 3年生 9月結果
 生徒 
 ①就職68.1% ②進学25.4% ③公務員5.9% ④未定0.7%
 保護者
 ①就職68.0% ②進学25.2% ③公務員5.4% ④未定1.4%

  2,3年生とも生徒と保護者の値がほぼ一致している。
 生徒は、保護者と相談をしている結果と一致する。
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地元就職率UPを考える(3)

…アンケートは、平成28年8月末に県内工業系高校7校の2,3年生、生徒と
保護者全員約4500名を対象に実施された。
今回から、その結果を紹介しながら生徒・保護者の意識を分析してみたい…

Q1 自分の進路を決めるにあたり、誰に一番相談するか?
回答 2年生徒 ①保護者・家族70.1% ②友人12.9% ③先生11.4%
    3年生徒 ①保護者・家族64.5% ②先生21.7% ③友人09.5%

 生徒は、圧倒的に保護者・家族と相談しており、3年生では友達よりも先生
の方に相談する傾向が高くなっていることが分かる。(つづく)
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地元就職率UPを考える(2)

 …そこで、「本当に我々工業科教員の誘導で、県外就職を決めているの
だろうか?」、「生徒たちが県外就職を決めている本当の理由が知りたい」…
と、工業科職員の中から意見.声が聞かれるようになった。
 この声を受けて、当時宮崎工業.竹下校長の発案により、県工業部(県内
7つの工業系高校に勤める職員組織)が組織的に実態調査アンケートを取
ることになった。 
 2016年(H28年)春のことだった。(つづく)
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地元就職率UPを考える(雑感1)

 あれは…4年ほど前、年の暮れか始めの寒い時期だった。
確か宮日新聞の1面だったと思う…
 「宮崎県 地元就職率全国最低」という記事が掲載された。
 その記事の中でも特に注目したのは、工業高校生の地元
就職率が際立って低いこと。そして、その原因は、高校の先生
が県外企業への就職を勧めるからだ…というものだった。
 私を含め、この記事を読んだ大半の工業科教員たちは、皆一
様に「濡れ衣だ」と思った。
決して、県外就職を勧めている訳ではない…と
皆この記事に、腹を立てていたことを思い出した。(つづく)
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