活動報告
延岡市立旭中学校3年生課題学習「あさひタイム発表会」
10月4日(金)に、旭中学校3年生(3クラス、82人)の課題学習「10年後の世の中と私 -SDGsを通して考える」の発表会が行われました。
5月17日のオリエンテーションを受けて、6月7日からスタートした6名のメンターの方々の指導が、6月から9月の間に4回行われました。そして、この日の発表につながっています。
メンターから生徒たちに提示されたミッションは次の通りでした。
「林業」 延岡市で林業をする魅力を明らかにし、山や林業に関心を持ってもらうためにはどのように
PR・発信をしたらいいか
「工業」 延岡に企業を誘致するために効果的なPR内容を考える
「商業」 延岡の中心市街地が持続的に発展していくために、どのような問題があるかを考え、その問題
を解決するための方法を提案する
「観光」 延岡はどんな街? そして10年後の延岡はどんな街になっている?
「医療福祉」 10年後の延岡でも安心して医療を受けるために、どのような課題があるかを考え、その解決
方法と自分たちには何ができるのかを考えてみよう
「スポーツ」 1班) スポーツキャンプ時に来場者を増やすには?
2班) 国スポ・障スポの来場者に、大会終了後また延岡に来てもらえるようにするには?
3班) 延岡西日本マラソンで交流人口を増やすには?
司会進行も生徒たちで行い、各班毎に発表
ある班では、アンケートを2回とってその差異を分析して新しい発見をしていました。
また、アンケートをとった上で、さらにインタビューを行ってアンケートとは異なる具体的な意見に出会った班もありました。一回立てた仮説が、いくつかの検証の結果ずれていることを発見して仮説を作り直した班もありました。
これまでは、「延岡を知る」という考えで行動してきたが、今回「延岡を自分たちが変える」と考えたのは初めてだったので大変苦労しました。しかし、今まで考えなかったことに気付いて新しい発見がありました、という班の発表には大変感銘を受けました。
タブレットを使ってグラフを工夫して発表する班も 休み時間にメンターの所に集まって御礼を述べる生徒たち
(トータルコーディネーター 水永)
延岡市立南中学校「家庭教育学級」で講話
9月30日(月)に、南中学校「家庭教育学級」が開催され、「育むということ」と題して講話を行いました。
これから子供たちが漕ぎ出していく社会の様子をお伝えしたいと思いました。
金沢大学の金間大介さんが書かれた「先生どうか皆の前でほめないで下さい -いい子症候群の若者たち」の中で紹介されている若者の姿は次のようでした。
それは、「目立つことが恐怖(浮いたらどうしよう、と常に考えている)」「自分で何かを決められない」「競争より協調、協調より同調」だと指摘されています。
そして衝撃的だったのは、「大人たちがそう思っているからこそ、若者に感染している!」という言葉です。上の世代が変わらなければならないのです。しかしこれが難しい!。
今、企業の管理職は自分たちが育ってきたやり方ではない方法で部下を育てなくてはならない。
これが “きわめて難しい” んです。
産業界(企業)で抱える問題は、「家庭」でも「学校」でも同じです。
子供たちへの接し方を変えなければならない。「これまでの教え方、育て方だけでは、将来子供たちは幸せを掴むことができない」と考えるべきだと思います。
「教え、導くだけでなく」 ➡ 「寄り添い、伸ばす」
「ああしろ! こうしろ!」「あれはダメ、これはイケナイ」 ➡ 「何がやりたいの?」「何か手伝うことはある?」 と変えていくことが必要ではないでしょうか、と提起しました。
遅い時間にかかわらず参加いただいた保護者のみなさんたち
(トータルコーディネーター 水永)
都城青年会議所 「例会」で 講話
9月24日(火)に、都城青年会議所「例会」(参加者50人)で、「これからの時代に求められるキャリア教育」と題して講話をしました。 井ノ上コーディネーターも参加し、地元都城の高校での取組を紹介し、講話後の質疑応答と意見交換を一緒に行いました。
都城青年会議所では新しいビジョンを、「めぐるまち、都城」とされています。これは、人が行き交う(巡る)、地域資源が循環する(廻る)、思いやりが連鎖する(恵る)という想いが込められているのだそうです。
さらに4つの分野で具体的なスローガンを定めておられます。
・人材 個性と情熱がかけめぐるまち
・経済 景気がめぐるまち
・社会 ハートがめぐるまち
・環境 地域のめぐみがめぐるまち
このようなビジョンの実現のために、昨年7月には、工藤勇一さんを東京からお招きして、「大人が変わる。誰一人取り残さない社会を創るために」と題して教育対談を開催されています。
今年は、11月4日に地元の高校生たちとクロストークを計画して準備中です。
キャリア教育とは何か? 私は二つの視点で提起しました。一つは、「将来どう生きるか(働く意味)を小中学校の時から深く考えさせること」。 二つは、「この地域で働き・暮らす魅力と課題を伝えること」。
子供たちを育てるのに、家庭(親)と学校(先生)だけでは難しい時代になっていると言われています。そのためにもいま、社会(企業)の力が求められていることを強く伝えました。
これから、高校で必要なキャリア教育には、進路指導(進学や就職)に加えて、将来「生きる、働く」意味を考えさせる機会が少しでも設けられることが求められており、そのために青年会議所の方々と協働させていただきたいとお願いしました。
井ノ上コーディネーターと二人で参加しました たくさんの質問と意見が出されました
(トータルコーディネーター 水永)
延岡市立土々呂中学校1年生「延岡を知る 6連続よのなか教室」
土々呂中学校1年生(4クラス、131人)は、総合的な学習の時間において、6月~9月に6回の「よのなか教室」を通してふるさと延岡について学んでいます。
(先生から要請のあったテーマにもとづき、講師の選定依頼は延岡市キャリア教育支援センターでサポートしました)
1)テーマ 「延岡を知る・自分たちの生きる社会について考える」
2)ねらい
地域学習として「延岡を知る」というテーマで、生徒がさまざまな方々から、延岡について最新の話を
聞くことで延岡の魅力と将来を考えることができる機会としたい。
3) 「延岡を知る 連続6回よのなか教室」 具体的計画 (時間は13:40~14:30)
5月 8日(水) オリエンテーション
6月 21日(金) 講話1~3に向けて(延岡を知る・導入授業)
6月 28日(金) 第1回 「まちづくり」
杉田清志さん (延岡市 企画課 課長補佐兼企画調整係長)
7月 5日(金) 第2回 「観光」
山口実織さん (延岡観光協会 観光事業課 課長補佐)
7月 12日(金) 第3回 「スポーツ」
中島弘貴さん (延岡市 教育委員会 アスリートタウン推進課)
7月 19日(金) 講話4~6に向けて(延岡を知る・導入授業)
9月 20日(金) 第4回 「歴史」
日高保彦さん (RIK株式会社 代表取締役・日高家住宅)
9月 27日(金) 第5回 「福祉」
宮田千晶さん (延岡市 健康福祉部障がい福祉課自立支援係)
9月 30日(月) 第6回 「職業・新しい働き方(移住者、起業家)」
橋本幸乃さん (延岡市 北方総合支所北方町地域おこし協力隊)
10月 1日(火) 発表準備
10月 4日(金) 発表準備
10月 7日(月) 発表準備
10月 8日(火) 発表準備
10月 12日(土) 文化発表会
9月20日(金)に第5回が開催されました。テーマは「歴史」でした。
土々呂中学校の校区内である赤水地区の「日高家住宅」(地元では“ぶり御殿”の名で親しまれています)の6代目当主である日高保彦さんにご講話をいただきました。
初代当主の日高亀市翁が、「日高式大敷網」(現在の大型定置網の原型)を日本で初めて開発されます。近海に近付いてくるブリの大群を漁獲できるこの画期的な発明は世界に注目され、後にイギリスで開催された日英博覧会にも出品され1等賞を獲得しています。
明治29年に建設された「日高家住宅」は、令和5年に、国の重要文化財に指定されました。
明治時代にこのような新しい網や漁法を開発するのは並大抵ではなかったそうです。
しかし、「挑戦を一度もあきらめたことがなかった」から度重なる失敗を乗り越えて成功に至ることができたのですと語られました。
そして、白熱電球を発明するまでに2000回以上も失敗を重ねたエジソンが言ったといわれる 「2000回の失敗ではなく、2000個のうまくいかない方法を見つけたのだ」という言葉を紹介しながら、新しいことに挑戦する大切さを語り、生徒たちへエールをおくられました。
日高さんの熱のこもった話を一心に聞く生徒たち
(トータルコーディネーター 水永)
学びの多様化学校で「ひなた場」が実施されました
9月20日(金)に、延岡市立南浦中学校 「学びの多様化学校」 分教室 熊野江教室で、「ひなた場」が実施されました。
参加した生徒は5名(内一人はオンライン参加)でした。次のようなすすめ方で行われました。
① 導入説明、 移動 (20分)
② 班内(生徒2人)で自己紹介 (10分)
③ 班内(生徒2人)で大人が人生グラフを用いて人生を語る (10分)
④ 対話と紙芝居 15分×2回=(30分)
休 憩 (10分)
⑤ 紙芝居 (もう一人の紙芝居を聞く) 15分×1回=(15分)
⑥ これからどんな大人になりたいか考える (15分)
⑦ まとめ (10分)
<合計 120分>
和やかに対話がすすんでいました
普段はあまり接することのないナナメの関係の大人の人たちから自由に話を聞き、自分の思うところを何でも話してみてほしいとお願いしました。
人間は極めて多様であること。そして世の中には実に多様な働き方をしている大人がたくさんいること。人生には多様な生き方があり、多様な働き方があること・・・。
私が会社で人事の仕事をしている時にいつも心掛けていたことは、「人は上から下から横から斜めから見ると実に多様な面と力を持っていることに気付くこと」だったという経験も紹介しました。
今日は普段接してこれなかったような多様な大人の人たちに参加していただいていますので、
この大人の人たちの話を聞いたり対話をすることで、多様な生き方や考え方があることに気付いてもらえるといいなと思いますと話してスタートしました。
対話は、二つの教室に分かれて行いましたので、講師と生徒の二人だけで静かに話を交わすことができました。外から見ただけですが、時折笑い声が聞こえてきたり、とても和やかに対話がすすんでいたようでした。
紙芝居を担当いただいた方は、ご自身の不登校経験もすべて開示して語られました。
中学校時代に学校に行けなかった時の経験は辛かったけれど、今思えば「必要な経験」だったとふりかえられました。生徒たちへの心温まるメッセージになったことと思います。
最後のまとめでは、「君たちはどう生きるか」(吉野源三郎著)に書かれている「雪の日の出来事」の中での主人公のコペル君の物語を紹介しながら、あやまちや失敗を恐れなくていい、何か新しいことに挑戦してみてほしいとエールをおくりました。
終了後の意見交換では講師の方々から次のような感想や意見をいただきました。
・自分の人生をふりかえって人に話すような機会はこれまで無かったのでいい経験になりました
・最初は対話ができるだろうかと不安だったが生徒たちがよく話をしてくれてとても新鮮だった
・生徒たちが自分の進路についてもしっかり考えていたのでいい対話ができた
先生方からも次のような感想と意見が出されました。
・楽しみにしていた子もいて、笑顔もみられて、自分の考えていたことがさらに深まったようだ
・人間関係に苦労しているので、ナナメの関係の大人との対話はいい経験になったと思う
・始まるまでは生徒たちが話ができるか不安もあったが、よく話せていて良かった
参加した生徒たちからは次のような感想が寄せられました。
・できることをコツコツと1個ずつ増やしていきたい
・自分のことも大切にしながら、周りの人のことを考えたり行動できるような人になりたい
・自分の好きなことや興味があることを持つことが大切だと知ることができた
和やかに語っていただいた ふりかえりを書く生徒たち
(トータルコーディネーター 水永)
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