日誌

活動報告

延岡市立 東海中学校2年生で「連続よのなか教室」

東海中学校2年生(4クラス、135名)では、キャリア教育の学年目標として下記をめざして取り組んでいます。

1)キャリア教育活動を通して将来の生き方を考え進路計画を立てることができる生徒を育てる

2)自己理解を深め、啓発的な体験を通して、職業に関する理解を深めさせる

 

 そして、「総合的な学習の時間」では、1学期に3日間の「職場体験」を経験しました。

2学期~3学期には、「何のために〇〇をするのか」について、生徒一人一人がテーマを決め、主体的にを将来を考える場をつくっていきたいと考えています。

 

 そこで、9月から半年間をかけて、「5連続よのなか教室」を実施することになりました。

 

 9月 8日(金)14:40~15:30      オリエンテーション (何のために〇〇するのか)

 9月15日(金)13:40~15:30(2時限) テーマ設定、よのなか教室に向けて、キャリアパスポート記入

 9月27日(水)13:40~15:30(2時限)「第1回よのなか教室」(王子谷剛志/旭化成柔道部選手)

 9月29日(金)13:40~14:30「学活」     修学旅行に向けて             

10月 6日(金)13:40~15:30(2時限)     同 上

10月12日(木)13:40~15:30(2時限)     同 上

10月20日(金)13:40~15:30(2時限)    合唱コンクール、鑑賞教室

10月24日(火) 9:45~10:30「学活」 「第2回よのなか教室」(門田賢士/千徳酒造 社長) 

10月27日(金)13:40~15:30(2時限)*行事 修学旅行の説明会             

11月10日(金)13:40~15:30(2時限)     同 上

11月17日(金)13:40~15:30(2時限) 「第3回 よのなか教室」(8人の講師から2人を選ぶ)  

11月24日(金)13:40~15:30(2時限)   修学旅行(直前指導) 11/26~28(長崎・福岡)

12月 1日(金)10:45~12:35(2時限)    修学旅行のまとめ

12月14日(木)13:40~15:30(2時限)    修学旅行のまとめ発表             

 1月12日(金)13:40~15:30(2時限)    

 1月19日(金)13:40~15:30(2時限) 「第4回 よのなか教室」(8人の講師から2人を選ぶ)  

 1月26日(金)13:40~15:30(2時限)    キャリア教育講演会(キャリアプランニング/ソニー生命)

 2月 2日(金)13:40~15:30(2時限)    立志式に向けて

 2月 9日(金)13:40~15:30(2時限)     同 上

 2月16日(金)13:40~15:30(2時限)*行事  立志式

                     「第5回 よのなか教室」(上田耕一/虎彦㈱ 社長)

 3月 1日(金)14:40~15:30

 3月 5日(火) 9:45~12:35(3時限)*道徳+総合   「ひなた場」  

 

第3回の講師は次の方々でした。生徒たちは2人を選んで話(30分)を聞き質疑応答をしました

1.石内裕貴さん(旭化成柔道部選手・副主将、30才・100kg級・天理大)

2.尾原琢仁さん(旭化成柔道部選手、28才・100kg超級・筑波大)

3.繁昌久哲さん(旭化成 延岡総務部総務グループ長、 元旭化成柔道部)

4.友碇利勝さん(アンカーフレンズ株式会社 代表取締役、 元旭化成柔道部)

5.佐藤照政さん(株式会社キーレックス ENEOS出北CS、昨年恒富中でコネクト講師)

6.永田夕理さん(株式会社コノハナ 営業、 昨年恒富中でコネクト講師)

7.吉玉勇作さん(株式会社吉玉畜産(延岡よっとん)代表取締役)

8.桑原勇斗さん(FC延岡AGATA 監督、 ㈲ はーと介護 取締役)

 

 第4回の講師は次の方々でした。生徒たちは2人を選んで話(30分)を聞き質疑応答をしました

1.川田修平さん(旭化成柔道部選手、 27才・100kg超級・明治大)

2.後藤龍真さん(旭化成柔道部選手、 24才・100kg級・東海大)

3.松田陽子さん(城山ふとん店 店舗責任者)  *ビデオメッセージ有り

4.岩田直樹さん(株式会社キーレックス)

5.吉弘和泉さん(虎彦株式会社 取締役営業部長)*ビデオメッセージ有り

6.桑原英一さん(FC延岡AGATA 代表取締役社長、㈲ はーと介護 代表取締役会長)

7.奥野貴大さん(延岡市 商工観光文化部 工業振興課 工業振興係)

8.酒井康行さん(延岡市キャリア教育支援センター コーディネーター)

 

  9月からの活動開始に備えて、夏休みの時間を活用して、8月22日(火)に県教育研修センターの草刈淳さん(指導主事)をお招きして、先生方の「キャリア教育研修」を行いました。

「どんな子供を育てたいのか」、「よのなか先生にどんな話をしてもらいたいのか」・・・ 「何のために」という議論を毎回深めることが大事だと学びました。

この研修会での協議の結果、9月から始まる各行事を、先生方が分担されて、各回を受け持たれることになりました。

 

 立志式では、これまでの学びをふまえて、「こんな大人になりたい」について考え、表現することにしました。普段なかなか人の話を聞けない子たちもいましたが、この場では自分で考えて言葉にして発表する姿に、先生方も感動しながら聞き入っておられました。

 

 そして、最後のまとめとして、3月5日に「ひなた場」を実施しました。

親や先生以外のナナメの関係にある地域の大人と、1対1で対話をすることで、自分自身を深く見つめる機会になりました。  (この「ひなた場」については別途活動日誌で報告しています)

                                 (トータルコーディネーター  水永)

門田さんの話を、体育館で聞く生徒たち

                門田さんの話を、体育館で聞く生徒たち

若手社員が語る「働く喜びと苦労」IN 北川中学校

1月18日(木)に、延岡市立北川中学校(全学年 59名)で、延岡市内で働く若手社員による「よのなか教室」が開催されました。

 

これは、延岡地区の地元企業で働く若手社員(5社の6人)が集まり、自分の会社や職場を超えて、同じ世代の仲間と異業種交流することにより、働くモチベーションと帰属意識を高めようと計画されたものです。 研修の最後に、中学生に「働く喜びと苦労」を語ることになっていますので、キャリア教育支援センターとしても積極的に関わっています。

 

6月から毎月1回の研修を重ねて、今回地元の中学校で「よのなか教室」を行い、自分の仕事の意義や魅力を語りました。これまでの自分を振り返り、これからの会社と自分の役割を見つめ直す機会になったことと思います。普段はあまり触れることのない地元で働く若手社員の姿に、生徒たちも刺激を受けたようです。

                                 (トータルコーディネーター  水永)

講話を終えた6人の若手社員たち 

講話のあと質問する生徒に和やかに答える講師

 

   

 

 

 

 

 

 

       講話を終えた6人の若手社員たち                        講話のあと質問する生徒に和やかに答える講師

 

 

高千穂町「子育て講演会」で講話

 1月12日(金)19時から、高千穂町PTA連絡協議会の主催による「子育て講演会」(約100名)が行われ、「育むということ -子供たちの未来は可能性に満ちている」と題して講話しました。

 

 あとでいただいた感想文ではたくさんのメッセージが語られていました。

 

「未来、白紙、正解はたくさん。とてもワクワクすることだと感じました。子供たちにも、明るく伸びてほしいとあらためて考えました。」

 

「子育て真っ最中で、我が子に対して親の意見や押し付けが子供が育たない一つの要因になっていることを痛感していた中での講演だったので、共感とともに、どのようにこれから子供たちや若い世代に接していけばいいのかをとても考えさせられました。言っても分かってもらえないからと諦めず、寄り添い、意見を聞いて、互いにWIN ーWINの関係を築いていきたいと思いました。」

 

「自分にとって一番大事なことは何か? 幸せとは何か? を子供たちと話してみたいと思いました。問題にぶつかった時に乗り超える力をこれから養っていけたらいいです。お家でもあれはダメこれはダメではなく、何がやりたい? 何か手伝うことはある? の言葉がけをできるだけやってみたいと思います。」

 

「“感謝される” より “感謝する” 方が生きがいややりがいを感じる。」ということに、とても同感しました。ありがとうございました。」

                                 (トータルコーディネーター  水永)

 PTAの保護者と先生方が熱心に聞いていただきました

                    PTAの保護者と先生方に熱心に聞いていただきました

日本商工会議所で「延岡での取組」を紹介

 12月20日(水)に、東京で行われた日本商工会議所の「第3回 教育委員会」にて、「延岡市におけるキャリア教育の取組について」紹介しました。

 

 本会は、「観光委員会」、「地域活性化委員会」、「労働委員会」との合同で開催され、全国の商工会議所の会頭や専務理事など約150名が参加されていました。延岡での「よのなか教室」の取組を紹介してほしいとの依頼を受けて、東京へ出向き対面で行ったものです。

 

 日本商工会議所は、全国各地の商工会議所が取り組むキャリア教育活動の見える化と、好事例の全国への横展開を目的に、事例集「広がる! 深まる! 商工会議所のキャリア教育」を2年毎に作成し公開しています。

2022年の同書では、好事例として14例を紹介。地域により、対象は小中高生から大学生まで多岐にわたっています。

 

 会合の後で、横須賀商工会議所、北九州商工会議所、石川県小松商工会議所の方々からお声をかけていただき交流することができました。

その後、商工会議所から話を聞かれた北九州教育委員会からお問い合わせがあり、1月29日に、リモート・オンラインで説明と意見交換を行うことができました。こちらからの情報提供だけでなく、北九州市におけるキャリア教育の取組も聞かせていただき刺激になりました。特に小学生へのキャリア教育の取組には貴重なヒントを感じることができました。

このような広域での交流、情報交換に拡がり、とても貴重な機会になりました。

                                 (トータルコーディネーター  水永)

日本商工会議所の「キャリア教育事例集」 (日商のHPに掲載されています)

   

                日本商工会議所の 「キャリア教育事例集」

                        (日商のHPに掲載されています)

「探究って自分にとってなんだろう?」をテーマに県立宮崎東高校で進路フォーラムが開催されました

定時制夜間部で学ぶ生徒が、自己実現のために目標をもって努力し成長することを推進するため、総合的な探究の時間と進路について考える契機にしたい。

と企画された進路フォーラムが、12月15日18:40〜20:05、宮崎県立宮崎東高校で開催され、登壇者4名がお話しし、生徒約70名、保護者約15名の方が出席されました。コーディネーター福島は、ファシリテーターを務めました。

 

「探究って自分にとってなんだった?」と題したこのフォーラムの登壇者をご紹介します。

株式会社ベネッセコーポレーション・教育情報部教育情報センターでセンター長を務めていらっしゃいます、谷本祐一郎さん

宮崎東高校定時制夜間部卒業生で、現在バンド「namaru」で活躍されている、髙田さやかさん

同じく宮崎東高校定時制夜間部卒業生で、現在は香蘭ファッションデザイン専門学校に通い、ファッションビジネスの企業への就職が決まっている篠澤弥吹さん、そして現3年生の兒玉琉祐さんです。

探究の一般論ではなく登壇者の皆さんのストーリーから宮崎東高校での探究活動の特徴について紐解かれていくような時間でした。


この日の話の中から登壇者のみなさんの金言をいくつか抜粋してみます。


*学校の外の人に自分の伝えたいことが伝わり、影響力がもてたときに探究のアクセルが踏めた。

*ここでアクセル踏めた、ぐっと進んだというより一つ気になることを調べる、やりたいと思ったことを口に出す、外に出すの繰り返しで気づいたら進んでいった。

*こころが動いた瞬間を大事にしてほしい。意識しないと通りすぎてしまう。それはもったいないなって思っている。
*一生付きまとうのが探究(探求)。自分のやりたいことが本当は違うかもと思うときもあるけど、こころが動いた瞬間に向き合い続ける。

*目標とは、ときめくこと。立てていたときめく目標が叶ってしまったから、今また(自分の中のときめくことを)探究している。

*自分で食べていくために、食べられる仕事に妥協しようと考えたこともある。だけど本当にやりたいことをやらないと後で悔しいって思うだろうな、と思って決めた。

*ここ(宮崎東高校)では先生に否定されたことがない。一人の人間として対応してくれていると思えた。

 

キャリア教育を実践していく上で、身につけていくべきとされる「基礎的・汎用的能力」。基礎的・汎用的能力は、どの職業や分野においても自立するために必要な基盤の力で、人間関係形成・社会形成能力、自己理解・自己管理能力、課題対応能力、キャリアプランニング能力の4つに分けて考えられています。

この観点から

学校内外の人と意見交換をするにあたって、自分が意義を感じていることを深掘りしどうやって伝えるかを工夫したり、人と話して新しい視点が得られてブラッシュアップしたり、ゴール達成に向けて今まだできていない課題と向き合ったり、具体的にどんなアクションをとっていくのかを計画立てたりする事を通して、身についた力があるのだろうと推察します。

普段身近なところで生徒をサポートされている先生とどのように連携していくと、より基礎的・汎用的能力の向上に外部講師・外のメンターとして貢献できるのかということを今後も考えていきたいと思いました。

 

また、参加生徒から、たくさんの感想が寄せられました。全てご紹介したいところではありますが、一部抜粋してご紹介します。

<参加生徒からの感想>

*今後の進路に活かせる内容でした。自分の好きなことができるのはあたり前ではないし、見つけること自体も簡単じゃないんだなぁと思いました。

*自分も将来したい事について、つきつめている時に疲れたり、ときどきしなくなったりした時に好きなことをしているつもりなのに、本当にこれが好きな事なのかわからなくなることがありますが、講演の話を聞いて、先輩たちも同じ経験をしている様子だったので、安心したのと同時に、ちゃんと好きな事をできるんだなと自信がつきました。これからも好きだなと思ったことはつきつめていきたいと思います。

*東高を卒業された人たちの話を聞くと、自分の好きな事を将来に活かせているのがすごいなと思いました。とてもいい話ばかりで、自分自身も不登校だったので、進路フォーラムを聞いて本当に良かったなと感じました。活躍されている人を見て、自分も頑張ろうと思いました。

*将来の夢がなくても、趣味や好きな事を見つけてそこから始めれば良いんだ、今、夢や目標がなくても遅くないんだと思いました。

<コーディネーター 福島>