日誌

学校通信

3学期始業式の話

 今日から3学期が始まります。気持ちを切り替えて、令和6年度をいい形で締めくくってくれることを期待しています。
 今日は「未来を変えるコツ」について話をします。
有名な心理学者であるアルフレッド・アドラーがそのコツについて語っていますので紹介します。未来とは、過去→現在→未来という時間軸の上にあります。つまり、過去に起きたことの積み重ねで現在の世界が作られていますし、現在行われていることで未来が作られていきます。未来と考えている瞬間は刻々と現在になり、次の瞬間には過去になっていきます。だからこそ、最初に話した未来を変えるコツというのは「今目の前のやるべきことに全力をつくす」これしかないのです。その際「目標・目的を定めること」が重要です。
 アルフレッド・アドラーは人間の行動は「過去の経験」ではなく「未来の目標や目的」に向かって動いていると考えました。つまり私たちの行動や感情は、今後達成したい目標を目指して動くということです。ですから、「何を目指しているのか。将来どうなりたいのか」が行動の原動力になるということです。
 人は、問題を過去の出来事または誰かのせいにすることがあります。「過去の原因にとらわれずに、本当はどうなりたいのか、どうしたいのか、今の自分の気持ちに向き合うこと」が大切です。
今、日向工業高校で学んでいるみなさんは、これからいくらでも、どの様にも成長していく可能性があります。過去がどうであろうと関係ありません。「将来どうなりたいのか」目標を明確に立てて、その実現のために、「今に全力を尽くすこと」が未来を変えるコツなのです。
 3年生は、卒業まで本当にあとわずかとなりました。有終の美を飾って、後輩たちに手本を示してほしいと思います。1・2年生の皆さんは、それぞれの進級に向けてしっかりと学校生活を送ってください。今年1年間が日向工業高校生にとって「素晴らしい年」になることを祈念して始業式の話とします。

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2学期終業式の話

今日は、「青木世界観」という本を紹介したいと思います。

皆さんは、プロ野球のヤクルトスワローズに所属していた、青木宣親選手を知っていますか。

青木選手は今シーズンをもって引退しました。

青木選手はこの日向の地で高校まで過ごした人です。日知屋小学校・富島中学校・そして日向高校を卒業されています。

この本には、青木選手と尾崎世界観という人のやりとりについての話が掲載されています。

今日は、この本の中の青木選手の一つのエピソードを皆さんに紹介したいと思います。

青木選手は、日向高校を卒業後、大学でも野球部入部します。

その時、はっきり「4年後にプロに行きたい」と決意したようです。

大学に入学したときの青木選手は、クリーンアップを打つようなバッターではなく、どちらかというと、繋ぎの役割を期待された立場だったようで、セーフティーバント、盗塁、進塁打、そういったことをひたすらやらされ、 チームの為に攻撃を繋ぐ役割を担っていたようです。

とはいえ、プロを目指していた青木選手は、長打や、ヒットという分かりやすい形で数字を残してプロに認めてもらいたいとも考えていたようです。

しかし、当時の野球部の監督からは、ずっと「小技」や「つなぎ」と言う役割だけを求められ、ヒットやホームランを狙いたい、自由に打ちたい自分の意思と違うことから、監督に反発し、練習態度も良くなかったようです。

そんな中、夏の練習試合での青木選手の怠慢なプレーに、監督が激怒し、「おまえはもう野球を辞めろ」と言われ、野球部のグランドへ出入り禁止となります。

青木選手は、プロ野球選手を目指しており、辞めるわけにはいかない。と、とにかくひたすら「もう1回やらせてください」と監督の下に通いますが、監督は「だめだ」の一点張り。しかし、しばらくして青木選手の熱意を認めて復帰を許され、やっと練習に参加出来ることになります。

その時、青木選手は「こうなったら監督言うことだけを聞いて、監督の教えだけを忠実に守ってやってみよう」と決意して実行します。

その結果、大きく技術が向上し、その年の大学の大会において、首位打者のタイトルを取ることとなります。そしてその時の活躍を見たプロ野球のドラフトの目にとまり、プロ野球選手への道が開けたのだそうです。

当時の事を振り返って、青木選手は、次の様な事を話しています。

「自分の理想と、自分の生きる道との間で葛藤があったし反発心もあった。でも、人の意見を受け入れないのではなく、まず聞いて実行して、そこで気づけることや得られるものは必ずあると分かった。それからは必ず、人の意見に耳を傾けるようにしています。」

青木選手は日本プロ野球史上でただ一人、1シーズン200本安打を2度達成した選手です。そして新人王、首位打者、盗塁王を獲得したこともある、日本プロ野球史上でも偉大な選手の1人です。メジャーリーグにも挑戦し、活躍しました。

その素晴らしい結果を残した選手もその成長の途中では、様々な苦労があったようです。それを乗り越える為に、「人の話しを聞くこと」の大切さを学び身に付けていったのです。

この本は、最近本校の図書館に寄贈されました。

興味がある人はぜひ読んでみてください。

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2学期始業式の話

9月1日は「防災の日」です。

今年の夏休み期間、8月8日午後4時42分頃、大きな地震に日向を含む宮崎県が襲われました。

この地震で気象庁は初の「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を発表し、にわかに南海トラフ地震への恐怖を思い出したと思います。

そして先日、過去最大級とも言われた台風10号も発生しました。

皆さん大丈夫だったでしょうか?自宅にいても雨風の音はすさまじく、恐怖を感じた瞬間もあったかもしれません。

どちらも自然災害であり、それを止めることはできません。しかし、災害を小さくすることは可能です。

それが防災意識を高めることとその備えをすることです。学校でも万が一の災害に備えて準備を進めていきます。

みなさんもその事を理解して協力してください。

今日は、言葉の力ということについて話をします。

心は言葉で成り立っています。そして、未来は「話した言葉」で作られる。といわれています。これは、あなたが口にする言葉の重要性を表しています。

「どうせダメだ」とか「できない」だったり、だれかを非難する言葉を口にすると、その言葉は自分も聞いています。人間の脳は、主語がだれかということを理解する事は、苦手だという科学的な分析があります。ですから「非難する言葉の中身だけ」を脳は理解してしまうそうです。自分が口にした言葉をだれよりも聞いているのは自分です。ですから自分が発した言葉はそのまま自分に返ってくるのです。

つまり、自分が発した言葉で、自分自身を傷つけ、自分をダメにしてしまうことがあるのです。過去は変えられませんが、未来は自分が口にした言葉で変えることができます。いつもの日常の言葉が自分の生き方を決め、未来を決めているという事です。前向きな言葉を口にすることを意識してください。

最後に中国の思想家の老子が「思考(考え方のことです)がどの様に人生を形作るか」について話したとされる言葉を紹介します。

思考(考え方)に気をつけなさい。それはいつか言葉になるから。

言葉に気をつけなさい。それはいつか行動になるから。

行動に気をつけなさい。それはいつか習慣になるから。

習慣に気をつけなさい。それはいつか性格になるから。

性格に気をつけなさい。それはいつか運命になるから。」

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1学期終業式の話

1学期の終業式で次の様な話をしました。

パリオリンピックが、7月26日から始まります。もうすぐです。

多くの競技に日本人選手が出場します。楽しみにしている人も多いと思います。

そのオリンピックに出場する日本人選手を1人紹介したいと思います。

水泳競技に出場する池江璃花子という選手です。

池江選手は2大会前の2016年のリオオリンピックにも16歳で出場しています。多くの日本記録を持つ素晴らしい選手なのですが、その池江選手は、東京オリンピックが予定されていた2020年の前の年(2019年)に白血病を発症し、選手生命どころか、本当の命さえ失う危機を経験しています。

そんな池江選手は懸命に治療し、命をつなぎ、驚異的な回復をしただけでなく、今回のパリオリンピックに個人種目である、100mバタフライの日本代表として出場します。

白血病となった命を、繋ぐことだけでも、どれほど苦しいことか、ましてや、日本代表としてオリンピックに出場する為にどれほどの努力をしたか。想像を超えるものであったと思います。

 池江選手が長年のトレーニングで培ってきた筋肉は病気の為に無くなり、一度は痩せ細りました。その後、全て1から作り直したはずです。

彼女は本当の意味で死の淵から這い上がって来たのです。

もちろん池江選手に、水泳の才能があるかもしれません。しかし、才能や素質だけで出場できるほどオリンピックは甘くはないはずです。

それこそ血の滲むようなトレーニングと練習をしているはずです。

先生は、あきらめることなく、今自分ができる最大限の努力を継続している池江選手を応援します。

みなさん、どんな状況であろうと、諦めずにベストを尽くす人を応援したくなりませんか?

皆さんには、周りに応援してもらえる人になってもらいたいと思います。

最後に、県内でコロナウイルス感染症の患者数が5類移行後最多というニュースが話題になっています。対応としては、以前行っていた、マスクの着用や手指消毒、「3密を避ける」などの基本的な対応を徹底する事が大事なようです。

夏休みが明けたらすぐに体育大会があります。その直後には3年生は就職試験が待っています。

全員揃って体育大会に参加すること、3年生は就職試験をベストの状態で受験できるように明日からの夏休みを自分の体調管理を徹底しながら充実した夏休みを過ごしてください。

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1学期始業式 校長講話

 いよいよ令和6年度が始まります。皆さんは、春休み中に新学期の準備を進め、新たな気持ちで、今日の日を迎えてくれたことでしょう。
環境が変われば、心機一転し活力が湧くこともありますが、逆に不安を感じる人が多いことも事実です。そんなスタートの時に気をつけて欲しい事があります。 

 アメリカ合衆国 第35代大統領 ジョン・F・ケネディの言葉に次の様なものがあります。「互いに違いがあることは認めよう。たとえ今すぐ違いを克服できないにしても、少なくとも多様性を認められるような世界を作る努力はできるはずだ。」という言葉です。

 一人ひとりの価値観や置かれた状況の違いなどを理解し、周りに対する配慮や心遣いをすることは大切なことです。みんな心のどこかに不安を感じている今だからこそ特に心がけて欲しいことです。 

 2つ目の話です。

「良い習慣は、才能を超える。」という言葉について話をします。
自分で考えて決めたことを習慣化することによって、天才を超えるくらいの大きな力を手に入れる事が出来るという意味だと先生は解釈しています。

自分がレベルアップするための行動を日常生活の習慣にする事で、いつの間にか大きな力を手に入れることができるのではないでしょうか。

例えば、毎朝ランニングするとか、毎日筋トレするとか、1日に15分でも読書や勉強に時間を費やすなど、健康的な食生活やその他の良い習慣を続けていくと、1日では効果が無いことでも、継続することで、大きく成長することが出来ると思います。

習慣にするまでは、大変かもしれませんが、上手く毎日の生活の一部にしていく工夫をすれば、いずれ才能のある人を超えることができます。

皆さんは、どんな良い習慣を持っているでしょうか?

最近は、大谷翔平選手がメジャーで活躍し話題の中心ですが、少し前まで、イチローという選手が、メジャーで活躍する有名な日本人選手の一人でした。

このイチロー選手は、高校時代から現役プロ野球選手になった当初まで、毎日10分間の素振りを続けたそうです。たった10分ですが、体調が悪いときも、他の事で時間が取れない時や、どうしてもそんな気分にならない日はあったと想像します。それでも毎日続けたのです。1日10分という誰にでも出来る小さな習慣の積み重ねが、メジャーリーグで活躍しその名前を歴史に刻むことに繋がったのかもしれません。天才とも言われるイチロー選手でも、やはりこの習慣がなければどうなっていたか?だれにも分かりませんが、違う結果だったかも知れないと先生は想像します。 大切なことは、良い事を習慣にしてしまうことだと思います。良い習慣は、力になります。 
良い習慣が皆さんの学校生活を大きく良い方向へ変化させてくれるはずです。

 最後に、本校のスローガンは「日向を動かす人となれ」です。このスローガンの下、日向工業高校生として自信と誇りを持ち充実した高校生活を今年1年間送る事を期待して始業式の話とします。

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