日誌

学校通信

「説明会」を考えてみた(5)

 この2校は、前々回取り上げた中学生・保護者が高校に期待すること、言い換えれば「学校に対する地域のイメージを変える条件整備」の整備に挑戦し、ある一定の成果を挙げたケースと言える。具体的には

 小林工業では、②部活動 ③進路実現 ⑤進路に応じた選択科目を選べる 

 日南振徳では、⑦学習の質や提供するサービス である。

  私は、普通科高校での勤務経験がないので進学校(普通科高校)の実態を語ることはできないが、今ある戦力「人・もの・金」のまま条件整備に取り組むなら、進学を主な目的とする普通科高校よりも農業・工業・商業・家庭・福祉など専門教育を主とする専門高の方が「学校に対する地域のイメージを変える条件整備」をし易いのではないかと常々感じている…。

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「説明会」を考えてみた(4)

 そこで、幾つか…「高校に対するイメージ」を変えたケースを挙げてみたい。

 ①平成9年~15年、勤務した小林工業(現在小林秀峰高校に再編されて閉校)
  新体操、ハンドボール部が全国制覇、資格取得も全国500近い工業高校の中で、 
  4番目の資格取得者数、退学者毎年ほぼ「0」…と前回述べた「条件整備」を平成7,
  8年頃から4~5年かけて成し遂げた学校であった。
   選択科目も進路に応じた選択ができる編成で、私のクラスからも広島大学工学
  部に合格する生徒から大手民間企業、公務員と幅広いニーズにこたえる学校として
  、地域の信頼を得ることができた。 少子化により再編閉校したのが、悔やまれる。

 
 ②平成29年~30年に勤務した、日南振徳高校は、小林秀峰高校と同時期に日南地
  区の農工商3校を再編して誕生した。開校からこの10年定員割れは続いているが、
  私の勤務した2年間学校の様子を観ていると、大変面白い学校である。特に異教科
  連携により、地域に貢献する課題研究の取組、クルーズ船による町おこしに積極的
  に取り組む授業など…キャリア教育の推進が、地域に特色のある学校として認識さ
  れはじめている。今年度H31年度の入試では、初めて小林秀峰よりも受験倍率が  
  高くなった。今後が楽しみである。…(つづく)
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「説明会」を考えてみた(3)

 ~「高校説明会」~で自分の学校の宣伝をし、中学生を勧誘するうえで、一番の課題(壁)は
何かと、問われたら~「その高校に対するイメージが変わらないこと」だと、私は答えたい。
 ただ、これでは、映画寅さん曰く「それ言っちゃおしまいよ~」となってしまうので、これで「じゃ、これでこの話終わり…」にはできない。
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「説明会」を考えてみた(2)

 これまで直接生徒募集に関わってきた経験から、中学生や保護者が高校を選ぶ理由、高校に期待すること、魅力を感じることは、以下の様にまとめることができる。
 ①通学に有利 ②部活動 ③進路実績 ④進学、就職に必要な学力を身につけさせてくれる 
 ⑤進路に応じた選択科目を選べること ⑥行事の充実 ⑦学習の質や提供するサービス等だ。

 …ということは、これらの条件を整備すれば受検者が増えるのか?…そう聞かれると…
 そうとも言い切れない…。
  理由は簡単である。「人は、あることに自己のイメージ(先入観)があると、その認識を容易
 に変えることができない。」からだ。
  特に人生の選択で重要な「高校選択」が、わずかな説明で、そう簡単に変わるものではい。
 皆さんはどうだろうか、ある特定の高校に関するイメージ、長い時間をかけて創られた認識、
 ありませんか?本気で地域の認識を変えようとするならば、大変なエネルギーを必要とする。
  そもそも、条件整備自体「容易ではないのだ」
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「説明会」を考えてみた(1)

 ○高校説明会
   自校(高校)を中学生に宣伝して、受検する中学生を増やそう(獲得しよう)とする説明会
 ○企業説明会
   自社(企業)を高校生に宣伝して、受検する高校生を増やそう(獲得しよう)とする説明会

 私は、平成13年頃から主に中学校に出向いて、「高校説明会」という活動をしてきた。
この通算17年間、計算してみたら県内約80中学校、延べで400回近く訪問したことになる。
~「それだけやってきたなら、さぞ宣伝が上手なんだろう?」と思われるかもしれない。
 確かに、いつも私が説明した後は、だいたい次の学校説明者はやりにくそうにしている
 しかし、説明が分かりやすいことと、高校選択はイコールかと言えば、けしてそうではない。
校長によっては、パンフレットが見やすい!説明が良くなった!紹介ビデオが面白い!今年は
体験入学(オープンスクール)の回数を増やした!…から、受検者が増えた(減った)と誤解して
いる人も多いが、実際のところ受検者の増減は、宣伝努力している学校側の都合で決まるもの
では無いようだ…。(つづく)
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