みやこのじょうしりつかみながえしょうがっこう
都城市立上長飯小学校
日誌
子どもが主役の授業について考える
本校では、「主体的に自分の考えを伝え、共に学び合う児童の育成~『子どもたちが主役の授業』による『ひなたの学び』をめざして」を研究主題に掲げて校内研究に取り組んでいます。
今回、本校職員が描く「子どもたちが主役の授業像」を共有していくために、本校研究主任が国語科の説明的文章「時計の時間と心の時間」(6年生)で提案授業をしました。提案授業をとおして、次の3つのことを確認することができました。
まず、子どもたちが主役の授業を展開していく上で基盤になるのは、「学級経営」「学び方を学ばせること」「学習規律」の3つであること。
次に、先生が黒板の前で長時間、話すのではなく、子どもが考える時間やグループでの話合いの時間、全体で考えを練り上げる時間を多くとるなど、先生が「脇役」に徹すること。
そして、子どもが主体的に授業に参加しなければならない仕掛けをつくることでした。
今回の提案授業を参観したことにより、「子どもたちが主役の授業像」が共有でき、職員一人一人の今後の授業改善に役立てられるのではないかと思います。
誰もいない教室から見えてくるもの
毎日2時間目になると、校長先生は校内を回っています。学級の子どもたちの様子はどうか、トイレのスリッパがきれいに並んでいるか、学校の施設で修繕が必要なところはないかなどを考えながら校内を回るのです。
学級の子どもたちの様子やトイレのスリッパの状況について、校長先生が月曜日、火曜日、金曜日の給食時間の放送で全校児童に伝えています。この放送を楽しみにしている子どもも少しずつ増えてきているようです。これからも子どもたちの頑張りや成長を伝えて、子どもたちを褒めて伸ばしていきたいと考えているようです。
それでは、タイトルにある「誰もいない教室から見えてくるもの」について、触れたいと思います。
本校では3年生の理科と体育、4年生の理科と音楽と体育、5、6年生になると理科と音楽と体育に加えて家庭科の時間は、子どもたちが別の教室等で学習しています。当然、それらの教科の時には、子どもたちは学級にいません。その時に、教室の中に目をやると、机の下にいすが全員きちんと入った様子が視界に入ってきます。その様子から、落ち着いて学校生活を送っている子どもの姿が見えてくるのです。まさに、これが誰もいない教室から見えてくるものです。
たかが机の下にいすを入れるということですが、これができなくなってくるとその学級は黄色信号です。つまり、学級の子どもたちが落ち着かなくなってきていると判断してよいと思います。校長先生は、机の下にいすが全員きちんと入った様子を見る度に、胸をなでおろしているようです。
授業のひとコマ(3年生と6年生)
授業の主役は子どもです。
このことから、先生が黒板の前に立って一方的に説明する授業から、子どもたちが自分の力で問題を解決する場面や、友だちと考えを交流しながら問題を解決する場面がある授業へと変えていく必要があります。特に、子どもが主役の授業で大切にしたいのは、子どもが友だちに自分の考えを伝える、あるいは自分の考えを伝え合う場面を位置付けることです。
今日の3年生の授業では、ペア学習で自分の考え方を隣の友だちに説明する場面がありました。先生は机の間を通って子どもの説明に耳を傾け、前で説明させたい子どもを選んでいるようでした。また、6年生の授業では、黒板に書いてある図を使って、子どもが自分の考え方を説明する場面が見られました。いつでもサポートできるように先生が近くにいるので、その子どもは安心して説明しているように見えました。子どもの説明の後、拍手がおこり、説明した子どもは誇らしげに自分の席へと戻っていきました。
3年生と6年生の授業のひとコマでしたが、子どもたちは「今日も学校に来てよかった!」と思って、家に帰っていったのではないかと思います。
最上級生としての自覚、そして最上級生になる準備
5月になって、これからは1学期の中盤戦です。将棋で言うなら、勝敗を左右する様々な仕掛けを施す大事な局面となります。子どもたちに、日々向き合いながら根気強く指導していったことが、1学期末の子どもの姿となって必ず現れてくると思います。
校内を回っていると、6年生の学年掲示板に「6年生当たり前10か条」が掲示されていました。6年生が最上級生として取り組むことが書かれていました。先生から言われたのではなく、子どもたちが話し合って決めたものだと思います。6年生がこの当たり前10か条を意識しながら学校生活を送ってくれれば、きっと他の学年のよい見本になってくれると思います。すばらしい上長飯小になっていくことは間違いないでしょう。
2階の5年生の学年掲示板にも、6年生に刺激を受けたのか、当初から計画されていたのかは分かりませんが、「5年生として~自分たちができることを精一杯~」が掲示されていました。まだ5月なのに、5年生は6年生になる準備期間に入ったことを意識して、学年として取り組むことが書いてありました。ただただ感心するばかりです。
どちらもトイレの前にある学年掲示板なので、日々、目にする機会があります。書かれている内容を確認して、意識を高くもって学校生活を送ってほしいと思います。有言実行、あるのみです。
心を整える「自分の靴のかかとと、トイレのスリッパ」
学校全体が落ち着いているかどうかを判断する一つの材料として、上長飯小では「靴箱の靴のかかとがきちんと揃っていること」、「トイレのスリッパが次の人が使いやすいように並んでいること」を挙げています。
登校してきた子どもが、自分の靴のかかとを揃えられるということは、心が落ち着いた状態で登校していると考えて良いと思います。また、トイレのスリッパがいつもきれいに並んでいるということは、子どもたちが次にスリッパを使う人のことを考える余裕が心にあるととらえてよいと考えます。
4月当初に比べると、靴箱の靴のかかとがきちんと揃えられるようになってきていて、トイレのスリッパもずいぶん並んでいる場所が増えてきました。それでも、5月に入って校内すべてのスリッパが並んでいると確認できた日は、まだ3日です。大規模校が故に、常時、トイレのスリッパが並んでいる状態を保つのは難しいと思いますが、本年度はこの2つにチャレンジしていきたいと思っています。
きっとこの取組をとおして心を整えていくことが、落ち着いた学校づくりにつながっていくと信じています。
〇 12月12日(金)は、Googleオープンデーでした。学期末のお忙しい時期にもかかわらず、都城市内の学校はもとより、県内外の学校等から100名を超える先生方に参加していただきました。ありがとうございました。おかげをもちまして、本校職員にとっても実りのある授業公開等になり、所期の目的を十分達成することができました。今回のGoogleオープンデーに当たり、これまで多大なるご支援をいただきました、Google for educationの皆様、都城市教育委員会に対しまして心より感謝を申し上げるとともに、今回のGoogleオープンデーに参加していただいた皆様の益々のご活躍を祈念いたしまして、御礼とさせていただきます。 (上長飯小 校長 平部至識)
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