京は朝から雨の降る冷たい一日となっています。本校のインフルエンザはこのところずっと罹患者がいませんでしたが、今日新たにA型と診断される生徒が2名いました。十分に気をつけていただきますよう、お願いいたします。
夢中になって努力する 1年 桑畑 豪くん
この物語の主人公の「関孝和」さんは江戸時代、五代将軍綱吉の時代の武士で、儒学と剣術はあまり得意ではないけれど、数学がとても好きだった。そして、数学の道を深めていき、円周率を求めるための画期的な計算方法を見つけ出し、他にも西洋の数学者より更に様々な数式を発見する。
この人の優れたところは、生まれたときから人生が決められていて不自由な世の中で、自分が努力さえすれば自由な人生がおくれる現代とは違うにもかかわらず、それまで使われていた円周率の数学に疑問を持ち、とことん考え、長い時間もかけた末に円周率を求める計算方法を見つけ出したことだ。
現在を生きるぼくたちはとても便利な生活をおくっているが、今のこの便利さがあるのは、今まで生きていた人たちの「ここはおかしい」「こうしたらもっとよくなるんじゃないか」などという工夫や努力のおかげだと思う。
いろいろな発明や発見をしてきた科学者たちもふつうは当たり前に思われていることを疑問に思い、そのことを追究してきた。
ニュートンは、りんごが木から地面に落ちるというふつうの人にとっては当たり前に思うことを不思議に思い、孝和さんも同じでこのころの円周率は3.16が当たり前だったがそれを疑問に思う。
偉大な発見や発見をしてきた人が、ある日突然興味をもっていることや研究していることとまったく違う場面のところで「発見をした」などということがあるが、本当にずっとそのことを考えているからであって、偶然ではないと思う。
ぼくは、簡単に早く回答できる能力はコンピュータがやってくれる現代において、「疑問に思ったことを粘り強く考える力が大切だ」と思った。
ぼくは数学が好きだが、孝和さんのように疑問に思ったことをずっと考え続けることはなかった。なぜかというと、数学の授業で道徳の授業のときのように「自分の思ったことを書きなさい」と言われることがないのと数学は答えが一つしかない、その答えでみんなが納得がいくからだ。ぼくは、この本を読んで難しい問題や数学のしくみについて興味わき、ますます数学が好きになった。
先人たちの努力によって得られたこの便利さが、十年後、二十年後にはもっと進化しているかもしれない。車が宙を浮いていたり、ロボットが料理をつくっていたりなどといっても過言ではないと思う。やはりそのためには、誰かが当たり前のことを疑問に思い、そのことを追究する工夫や努力が必要だと思う。
孝和さんがいた時代は、生まれたときから身分が決まっていて、その道にしか進めなかった。でも、その時代は、士農工商という制度の中で縛られて生きなければならなかった。将来の夢に向かって努力すれば夢はかなう。そのためには、努力を惜しまない夢中になることが必要だ。
孝和さんの生まれた時代に比べ現在、どれだけの人が夢をもち、夢をかなえるために努力を惜しまず生きているだろか。ぼくは少ないと思う。例えば、宿題の忘れや勉強をあまりせず、スマホを見ているばかりで夢をかなえるために努力しているとは思えない。
ぼくは、孝和さんがつかんだような幸せをむだにはしたくないから自分の夢に向かって努力していきたい。ぼくは将来、数学の先生を目指している。そのために、忘れ物をゼロにすることはもちろん、宿題で疑問に思ったことを納得がいくまで調べることの積み重ね、つまり努力が必要だと思う。
ぼくは、孝和さんが数学の難しい問題を追究したように、何かに夢中になってとことん考え、また新たな発見を生み出してみたい。残念ながら、今のぼくには発見になる具体的なものはない。しかし、新たな発見のために日頃からあたり前とされることに疑問が持てるようにしていきたい。
ぼくは、過去に「できた」「見つけた」という発見があったが、これからも「できた」「見つけた」という発見が楽しみであり、それが自分の成長につながることの一歩、自分の数学の先生という夢をかなえるためのヒントになるようにしたい。